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監修医師 清水崇裕
この記事の監修: 清水 崇裕(医師・医学博士・放射線科専門医/ベアAGAクリニック院長)
日本テレビ「DayDay.」・フジテレビ「Live News イット!」出演、日本テレビ「news every.」コメント出演
この記事の結論

「髪が生えない」と感じるとき、髪がまったく作られなくなる病気はまれです。多くは、髪は作られているのに、成長期が短くなって伸びる前に抜けている状態——その代表がFAGA(女性型脱毛症)です。見分けの目安は3つ。①コイン状にごそっと抜けている→円形脱毛症(皮膚科へ)②だるさ・冷え・立ちくらみなど体のサインを伴う→甲状腺や貧血の検査(内科へ)③分け目や頭頂部がじわじわ薄くなっている→FAGAの可能性(当院のような専門クリニックへ)。FAGAは時間では戻りませんが、治療で良くなります。

「最近、髪が生えてこない気がする」「伸びない。何かの病気では」と不安になって検索していませんか。結論から言うと、病気が見つかることもありますが、多くはもっと身近な原因です。この記事では、女性の髪が生えない・伸びないときに考える病気を、どこを受診すればいいかという交通整理つきで、女性の薄毛を毎日診ている医師が解説します。

「髪が生えない」の正体:作られていないのではなく、育つ前に抜けている

髪にはヘアサイクル(成長期2〜6年→退行期→休止期)があり、健康な頭皮では85〜90%の毛が成長期にあります出典:参考文献1(日本皮膚科学会)。「髪が生えない」「伸びない」と感じるとき、実際に起きていることの多くは、成長期が短くなり、髪が伸びる前に抜けてしまっている状態です。毛は作られています。ただ、育つ時間をもらえずに交代させられている——だから「生えてこない」ように見えるのです。よく見ると、生え際や分け目に短い産毛は生えているのに、そこから先に育たない——「髪が生えない」と訴える女性の頭皮をスコープで見ると、実際にはこの状態が一番多いのです。細く短い毛が混ざり、1つの毛穴から生える本数が減っていく。これが女性型脱毛症(FAGA)の典型的な進み方で、「生えない」というより「育てられない」が正確です。この仕組みは髪が伸びない原因の記事で詳しく解説しています。

当院では、院長が毎回、直接診察します。頭皮を拡大して見ないと分からないことが多いためです。初診料・再診料・カウンセリング・血液検査(※医師が医学的に必要と認めた場合)は0円です。

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髪が生えない・急に薄くなったときに考える病気

そのうえで、髪が生えない状態の背景に病気が隠れていることがあります。頻度と見分けやすさの順に並べます。

病気見分けの手がかり受診先
FAGA(女性型脱毛症)分け目〜頭頂部がじわじわ薄くなる。細く短い毛が混ざる薄毛専門クリニック
円形脱毛症コイン状の脱毛斑が突然できる皮膚科
甲状腺機能の異常だるさ・冷え・体重の変化など体のサインを伴う内科(血液検査で分かる)
鉄欠乏性貧血立ちくらみ・疲れやすさ。月経のある女性に多い内科(血液検査で分かる)
休止期脱毛出産・手術・高熱・急なダイエットの2〜3ヶ月後に頭全体から抜ける多くは自然に戻る。半年戻らなければ専門クリニック

日本皮膚科学会も、大きな手術・重い感染症・妊娠・過激なダイエットなどのあとに抜け毛が増える「休止期脱毛」という現象を挙げています出典:参考文献2(皮膚科Q&A)。それぞれ簡単に補足します。FAGA(女性型脱毛症)は、女性の薄毛でもっとも多い原因です。ホルモンの影響で成長期が短くなり、髪が細く短くなって、分け目や頭頂部から地肌が透けて見えるようになります。急に生えなくなるのではなく、数年かけてじわじわ進むのが特徴です。円形脱毛症は自己免疫が関わる脱毛症で、ある日コイン状の脱毛斑に気づくパターンが典型です。FAGAとは原因も治療も別で、皮膚科での治療対象になります(円形脱毛症の記事)。甲状腺機能の異常(特に低下症)は、代謝が落ちることで髪の生え替わりにも影響し、女性に多い病気です。鉄欠乏性貧血は月経のある女性に多く、鉄が不足すると髪まで栄養の優先順位が回らなくなります。どちらも内科の血液検査で分かり、治療すれば髪も戻ることが多い脱毛です。休止期脱毛は出産・手術・高熱・急なダイエットなどの負荷の2〜3ヶ月後にまとめて抜ける現象で、多くは半年前後で自然に戻ります。なお、生まれつき髪がほとんど作られない無毛症・乏毛症は、大人になってから「生えなくなった」場合には当てはまりません。

年代別の傾向も知っておくと役立ちます。20代・30代の女性で髪が生えないと感じる場合は、急なダイエットや出産後の休止期脱毛が絡むことが多く、それでも戻らない方の背景にはFAGAが隠れています。40代・50代の女性は更年期前後のホルモン変化でFAGAが表に出やすい時期です。60代以降の女性では加齢による毛の細りとFAGAが重なりますが、年齢だけを理由に諦める必要はありません——当院では70代で改善した方もいます。どの年代でも「女性だから」「年齢のせい」で説明を止めた瞬間に、治療できる脱毛症を見逃します。

どこを受診するか:内科・皮膚科・専門クリニックの交通整理

迷ったら、この順で考えてください。①体のサインがあるなら内科——だるさ・冷え・立ちくらみを伴う抜け毛は、甲状腺や貧血の血液検査で分かります(これらは内科の領域です)。②頭皮そのものの異常なら皮膚科——脱毛斑、強いかゆみ・赤み・湿疹。③どちらでもなく、じわじわ薄くなっているなら薄毛専門クリニック——実は、受診される女性のうち一番多いのがこのタイプです。

受診前に自分でできる確認も3つあります。①抜けた毛を見る——細くて短い毛が混ざっていれば、育つ前に抜けているサインです。②分け目の写真を月1回、同じ場所・同じ光で撮る——「生えない」の進み方が自分の目で分かります。③体の変化をメモする——だるさ・冷え・立ちくらみがあれば、受診先は内科が先です。この3つを持って来ていただけると、診察が一段速くなります。

FAGAだった場合:時間では戻らないが、治療で良くなる

ベアAGAクリニック院長 清水崇裕
院長の診療実感
院長・清水崇裕(医師・医学博士)

女性の薄毛は、意外と体質的な(FAGAの)方が多くて、二次的なもの(病気由来)は少ないんです。皆さん、自分の知っている言葉の範囲で「病気かも」「ストレスかも」と原因を決めたがるのですが、スコープで頭皮を見れば、毛の太さのばらつきや細く短い毛の混ざり方で、かなりのことが分かります。

診療ガイドラインも、女性型脱毛症の診断では甲状腺などの全身性疾患や貧血を除外することが大切だとしています出典:参考文献3(GL2017)——つまり「まず病気を除外し、残ったじわじわ進む薄毛がFAGA」という順番は、標準的な診断の考え方そのものです。FAGAは進行性で、待っていても戻りません。ただし、女性の薄毛は男性ほど重症化しにくく、治療で良くなる方がほとんどです。実際の改善例はFAGAが治った人の記事(20代〜70代の症例つき)で紹介しています。大事なのは「病気じゃなかった=安心」で止まらないこと。病気でなくても、薄毛は進みます。

当院の治療と費用

当院(ベアAGAクリニック・新宿)では、まずマイクロスコープで頭皮と毛を直接見て、FAGAか、別の原因かを分けます。FAGAであれば、女性にはスピロノラクトン・ミノキシジル(外用2%・内服)を軸に、必要な方には発毛メソセラピーを組み合わせます。スピロノラクトンは男性のフィナステリドにあたる「守り」の薬で、ミノキシジルが「攻め」の発毛役です。女性のミノキシジル外用は2%(市販品は1%)で、重症度に応じて内服や発毛メソセラピーを組み合わせ、強さは診察のたびに調整します。費用は月2,750円〜、初診料・再診料・カウンセリングは0円です(女性の料金一覧)。女性の薄毛治療は、始める・始めないも含めてご本人のペースで決めていただきます。診てみて治療が必要なければ、そうお伝えして終わりです——それも診察の仕事です。

よくある質問

Q. 髪の毛が生えない病気にはどんなものがありますか

大人の女性で多い順に、FAGA(女性型脱毛症)、休止期脱毛(出産・手術・高熱などのあと)、円形脱毛症、甲状腺機能の異常、鉄欠乏性貧血です。髪がまったく作られなくなる病気はまれで、多くは「作られているのに育つ前に抜けている」状態です。

Q. 髪が生えないのは治りますか

原因によります。体の病気由来なら、その治療で戻ることが多いです。FAGAは放置では戻りませんが治療で改善します。スコープで見て毛が残っていれば可能性は十分あり、毛穴だけの状態が増えるほど難しくなるので、早いほど有利です。

Q. 何科に行けばいいですか

だるさや立ちくらみなど体のサインがあれば内科、脱毛斑や頭皮の湿疹があれば皮膚科、どちらでもなく分け目や頭頂部がじわじわ薄くなっているなら薄毛専門クリニックです。迷う場合は、頭皮を拡大して見られる専門クリニックで切り分けるのが早道です。

Q. 産後から髪が生えないままです。病気でしょうか

産後の抜け毛は多くが半年〜1年で戻りますが、戻らない方は背景にFAGAがあることが多い、というのが当院の診療実感です。産後という「きっかけ」で、もともとの女性型脱毛症が表に出てくるケースです。時間で戻らなければ、一度スコープで確かめてください。

まとめ

「髪の毛が生えない病気ではないか」という不安は、脱毛症の外来でとてもよく聞くものです。「髪が生えない・伸びない」の正体は、病気そのものよりも、成長期が短くなって育つ前に抜けている状態=FAGAであることが多い——これが診療の実感です。体のサインがあれば内科、脱毛斑があれば皮膚科、じわじわ薄くなっているなら専門クリニック。この交通整理だけ覚えて帰ってください。

そして、病気が見つからなかったときに「なんだ、大丈夫か」で終わらせないこと。FAGAは時間では戻りませんが、治療で良くなります。女性の「髪が生えない」は、正体さえ分かれば動けます。不安の正体は、スコープで見れば分かります。

参考文献

  1. 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 脱毛症 Q1(ヘアサイクル・成長期2〜6年).日本皮膚科学会
  2. 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 脱毛症 Q17(手術・感染症・妊娠・ダイエット後の休止期脱毛).日本皮膚科学会
  3. 日本皮膚科学会:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版(女性型脱毛症の診断では全身性疾患・貧血等の除外が大切).PDF
BEA AGA CLINIC 院長 清水崇裕
この記事の監修医師
清水 崇裕
BEA AGA CLINIC 院長/医師・医学博士・放射線科専門医
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