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監修医師 清水崇裕
この記事の監修: 清水 崇裕(医師・医学博士・放射線科専門医/ベアAGAクリニック院長)
日本テレビ「DayDay.」・フジテレビ「Live News イット!」出演、日本テレビ「news every.」コメント出演
この記事の結論

フィナステリドで写真判定「増えた」となる人は1年で約半数(海外48%・国内58%)。5年続けた人の内訳は改善48%・変わらない42%・悪化10%で、何もしなかった場合は75%が悪化します。つまり「生えない」と感じている人の多くは、進行が止まっている=薬は仕事をしている状態です。本当に効いていないかは、6ヶ月飲んで、生えてほしい場所に変化があるかで判断します。効かない原因は体質ではなく、薬の強さが進行度に足りていないか、飲み方が崩れているかが大半。やめてしまう前に、今の薬が分かるものを持って、一度頭皮を見せてください。

フィナステリド(プロペシアや各社のジェネリック、個人輸入のフィンペシアなどを含む)を飲んでいるのに変化を感じられないと、「自分は効かない側なのでは」と不安になりますよね。この記事では、効かない人がどれくらいいるのか=割合を1年・2年・5年の数字で示したうえで、効いているかどうかの見分け方と、効かないときに何を見直すかを、研究の数字と当院で実際に診てきた経過で解説します。

フィナステリドが効かない人の割合(1年・2年・5年の数字)

まず、いちばん知りたい「効かない人の割合」からお出しします。フィナステリド1mgの効果を写真判定(第三者の医師パネルが治療前後の頭頂部写真を見比べる方法)で追った海外の臨床試験の結果です出典:参考文献2(米国添付文書)・参考文献3(Kaufman 1998)

時点フィナステリド1mgプラセボ(未治療に近い状態)
1年「増えた」48%「増えた」7%
2年「増えた」66%「増えた」7%
5年改善48%・変わらない42%・悪化10%改善6%・変わらない19%・悪化75%
フィナステリドが効かない人の割合:5年で改善48%・変わらない42%・悪化10%、未治療は75%が悪化(写真評価・米国添付文書)
フィナステリドが効かない人の割合(5年・写真評価)。「変わらない」は進行が止まっている状態

日本人での割合はどうか。国内の臨床試験(414名・プラセボ対照)では、1年で58%が「軽度改善」以上(プラセボは6%)。引き続き服用を続けた試験では2年で68%、3年で78%と、率はむしろ年々上がっていきます出典:参考文献7(診療ガイドライン2017)・参考文献8(Kawashima 2004)。実際の診療所に通った3,177名の集計でも、評価できた方の87.1%で改善が見られ、治療期間が長いほど反応率は上がっていました出典:参考文献9(Sato 2012)

もう1つ、見落とされがちな数字があります。毛髪数が開始時より「減った」人の割合です。フィナステリドでは1年で14%・2年で17%・5年で35%。プラセボでは1年で58%・2年で72%・5年で100%でした出典:参考文献2。何もしなければ全員が減っていく病気に対して、5年間ベースラインより上を保てる薬ということです。

注意点を1つ。これらの海外試験の対象は18〜41歳・軽症〜中等症・頭頂部を中心とした薄毛の方です。重症の方や高齢の方、生え際だけが後退している方にそのまま当てはまる割合ではありません(後の章で説明します)。

他院やオンライン処方でフィナステリドを服用中の方も、当院に切り替える形で診ます。今の薬の名前が分かるもの(パッケージや明細)をお持ちください。院長が毎回、直接頭皮を拡大して診察します。初診料・再診料・カウンセリングは0円です。

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「効かない」の中身:生えないのか、止まっているのか

5年の割合をもう一度見てください。「変わらない」が42%います。ここが「効かない」問題の核心です。「変わらない」は、効いていないのではありません。プラセボでは75%が悪化した5年間、進行を止め続けたということです。実際、フィナステリドを続けた場合、「さらに目に見える薄毛が進む」リスクはプラセボ比で93%減ると報告されています出典:参考文献5参考文献6(Kaufman 2008)。フィナステリドは、その意味で「生やす薬」である前に「守る薬」です。

ただ、検索してこの記事に来た方が知りたいのは、そういう理屈ではないと思います。「鏡で見て増えていない。これは効いていないのでは」という感覚ですよね。12本のランダム化比較試験をまとめた解析では、自分で「改善した」と感じられる人は治療でおよそ3〜6人に1人増えるという結果でした出典:参考文献12(Mella 2010)。つまり、フィナステリド単剤で「見た目が明らかに変わった」と実感できる人は、たしかに全員ではありません。

院長の実感もはっきりしています。フィナステリド単剤で進行を止めきれるのは、かなり軽症の方までです。ご自身で「薄毛になってきた」と自覚があるレベルの方が発毛を目的にするなら、フィナステリド単独では難しいことが大半です。フィナステリドだけで維持できるかどうかは別の記事に書きました。

ベアAGAクリニック院長 清水崇裕
院長の診療実感
院長・清水崇裕(医師・医学博士)

薄毛治療は、薄毛のホルモンと薬の綱引きだと思ってください。薬の力が弱ければ綱引きに負けて、当然ながら毛は生えません。「使ったけれど効かなかった」というお話をよく伺いますが、その多くは、その方に対して力が足りていなかっただけです。同じ成分でも、濃度や飲み薬との組み合わせによって強さはまったく変わります。

ですので当院は、重症度と年齢、許容できる副作用の内容、そしてどこまで生やしたいかというご希望を見て、綱引きに負けない強さを組み立てます。ただし強くすれば、その分だけ副作用の可能性も上がります。そこを見極めるのが診察の仕事です。どこまで戻せそうかは、マイクロスコープで頭皮を見てからでないと申し上げられません。実際の組み立ては現在の処方次第で、デュタステリドへの変更・外用の追加・ミノキシジルの増量・メソセラピーの追加・飲み方の立て直しのどれもあり、複数を同時に変えることもあります。

「体質的に効かない人がいる」という説明を見かけますが、当院ではその説明は的が外れていると考えています。本質は体質ではなく、進行度と治療の強さの釣り合いです。同じ「効かなかった」でも、綱引きに負けていただけなら、強さを変えれば結果は変わります。

効いているかを判断する時期と見方(6ヶ月)

判断の時期は薬の公式文書に書いてあります。添付文書には「3ヵ月の連日投与により効果が発現する場合もあるが、効果が確認できるまで通常6ヵ月の連日投与が必要」「6ヵ月以上投与しても進行遅延がみられない場合には投薬を中止する」とあります。あわせて重要なのが、増量による効果の増強は確認されていないという記載です。効かないからと1mgより増やしても、効果は上がりません出典:参考文献1(添付文書)。診療ガイドラインも「少なくとも6カ月程度は内服を継続し効果を確認すべき」としています出典:参考文献7

フィナステリドが効いているかの、当院の判定はこうです。生えてほしい場所に、6ヶ月で全く変化がなければ、その部位には今の治療では足りていないと判断します。逆に6ヶ月未満では判断しません。また、他院や個人輸入の薬から当院に切り替えた場合は、基本的に当院の薬で6ヶ月見てから判定し直します。それまでの服用が不規則だったり、薬の中身が確かでなかったりすると、「効かなかった」という判定自体が当てにならないからです。

フィナステリドが効いているかのご自身でのチェックは、この表を目安にしてください。

今の状態3ヶ月まで6ヶ月時点
枕や排水口の抜け毛が減った効き始めのサイン効いています。続けて変化を見ます
細い毛にハリ・太さが出てきた効き始めのサイン効いています。さらに伸びる余地あり
何も変わらない(進んでもいない)まだ判断できません「守り」は効いています。生やしたいなら強さが足りません
明らかに進んでいる初期脱毛の可能性もあり判断保留強さ・飲み方・診断自体の見直しを

「抜け毛が止まらない」場合の詳しい見分け方(AGA以外の脱毛症の可能性を含む)は、デュタステリドが効かないときの記事に鑑別の表を載せています。

効かないと感じる3つの原因:期間・飲み方・薬そのもの

1つ目は期間です。フィナステリドの効果が出る時期には個人差があり、3ヶ月で変化が出る方もいますが、判定は6ヶ月。しかも毛髪数のピークは1年ではなく2年です出典:参考文献3参考文献4。1年目で「たいして増えていない」とやめてしまうのは、いちばん惜しいタイミングでやめていることになります。効果が出るまでの経過は効果はいつからの記事で詳しく書いています。なお飲み始めの抜け毛の増加(初期脱毛)を心配される方も多いのですが、院長の実感では、フィナステリド単剤ではそんなに自覚できるものではありません。詳しくはフィナステリドの初期脱毛の記事へ。

2つ目は飲み方です。飲んだり飲まなかったりのランダムな服用をすると、生え替わりのリズムが乱れて抜け毛の時期が長引き、発毛も遅れます。フィナステリドは毎日、なるべく同じタイミングで飲んでください。飲み忘れたときは、次の服用まで12時間以上あれば気づいた時点で飲む。翌日に2倍飲むのはなしです。

3つ目は薬そのものです。個人輸入のフィンペシアなどは、品質・有効性・安全性について日本の法に基づく確認がされておらず、偽造製品の可能性も指摘されています出典:参考文献16(厚生労働省)。院長が怖いと考えているのは、むしろ「効き目があるものがある」ことです。何が入っているか確認されていないのに体に作用する薬を、毎日飲み続けることになるからです。個人輸入とジェネリックの違いはジェネリックの記事にまとめています。

ベアAGAクリニック院長 清水崇裕
院長の診療実感
院長・清水崇裕(医師・医学博士)

「フィナステリドが効かない」とご相談に来る方でいちばん多いのは、他院やオンライン処方でフィナステリド単剤を半年以上続けて、発毛を期待していた方です。守る力は働いていても、生やすには力が足りていない。つまり薬が悪いのではなく、期待している結果に対して処方が合っていないケースです。

もう1つ多いのが飲み方です。ランダムな服用をしていると、初期脱毛のような抜け毛が長引き、発毛も遅れます。診察で飲み方を伺うだけで原因が見えることもあります。

途中から効かなくなった?耐性はできる?

「最初は効いていたのに、また薄くなってきた。耐性ができたのでは」という相談もあります。調べた範囲では、AGA治療でフィナステリドに耐性ができたという研究報告は見つかりません。フィナステリドの10年間の追跡研究でも、効果は時間とともに減っていませんでした出典:参考文献11(Rossi 2011)。ですので「薬が効かなくなった」と断定はできませんが、そう感じる現象には理由があります。

ベアAGAクリニック院長 清水崇裕
院長の診療実感
院長・清水崇裕(医師・医学博士)

「途中から効かなくなった」という方は、実はあまり経験していません。多いのは2つで、1つは年齢とともにAGAの進行が薬の力を追い越したケース。薬の力が落ちたのではなく、綱引きの相手が強くなったんです。もう1つは、生活に余裕ができて飲み方が崩れるケース。効いてくると安心して、飲んだり飲まなかったりになる方が意外と多いんです。

データもこの実感と合っています。国内で801名を5年間追った研究では、効果が「不十分」になる割合を押し上げる独立した要因は開始時に40歳以上であることと、開始時の進行度が高いことの2つでした出典:参考文献10(Yoshitake 2015)。ですので当院では、40歳以上の方や、ご自身で自覚できるレベルまで進んだ薄毛の方は、フィナステリド単剤で始めて粘るより、最初から進行度に合った強さを組むほうが早いとお伝えしています。

もう1つ、「やめてから効かなくなった」は薬のせいではありません。臨床試験でフィナステリドからプラセボに切り替えた群は、12ヶ月で増えた分が元に戻りました出典:参考文献2。飲むのをやめれば、AGAの進行が再開するだけです。

フィナステリドで足りないとき、当院で何を変えるか

フィナステリドを6ヶ月飲んで、生えてほしい場所が動いていない。そのときに変える選択肢は主に3つです。

①ミノキシジル内服を足す。実際の診療データでは、フィナステリド単独の改善が80.5%だったのに対し、外用ミノキシジルとの併用では94.1%でした出典:参考文献14(Hu 2015)。守る薬に「生やす薬」を足す形です。何を足すかは重症度によりますが、フィナステリドは費用を抑えて始めたい方が選んでいることが多いため、当院ではミノキシジル内服を足す形になることが多いです。

②デュタステリドに切り替える。フィナステリド1mgを6ヶ月以上飲んでも改善しなかった方がデュタステリド0.5mgに切り替えた研究では、6ヶ月で77.4%に改善が見られました(悪化は0)出典:参考文献13(Jung 2014)。フィナステリドが5αリダクターゼの2型だけを抑えるのに対し、デュタステリドは1型・2型の両方を抑えます。頭皮、特に前頭部には1型が多いため、理屈にも合います。当院の実績としても、頭頂部も前頭部も、デュタステリドへ切り替えた後のほうが経過は良好です。デュタステリド単剤(12ヶ月プランで月8,250円)も用意しています。

③外用や注入を足す。外用ミノキシジルや発毛メソセラピーを、状態と予算に合わせて足す選択肢もあります。ただし、強くすればその分だけ副作用の可能性も上がります。フィナステリドの副作用はこちらの記事、デュタステリドの副作用はこちらの記事に書きました。

ベアAGAクリニック院長 清水崇裕
院長の診療実感
院長・清水崇裕(医師・医学博士)

「他院で効かなかった」という方に、当院で何を変えるのか。よく聞かれますが、正直に言うと、決まった答えはありません。ミノキシジルの量や濃度を上げること、フィナステリドからデュタステリドへ変えること、外用を足すこと、発毛メソセラピーを足すこと——どれもありえます。飲み方の指導だけで変わる方もいます。

何を変えるかは、それまでどんな治療を受けていたかと、今その方の頭皮がどうなっているかで決まります。ですので、マイクロスコープで見て、これまでの治療内容を伺うまでは、何を変えるとは申し上げられません。逆に言えば、診ずに「これを足しましょう」と言えるものではない、ということです。

目安として、マイクロスコープで毛穴に細い毛が残っていれば、打つ手はあります。中等症までなら、適切な強さの治療で7〜9割の方は見た目が戻ります。費用は、当院のフィナステリド単剤が薄毛予防プラン 月2,750円〜(1ヶ月のみの場合3,300円)、ミノキシジル内服を足す場合は発毛ライトプラン 月11,000円〜。初診料・再診料・カウンセリングは0円です。プランごとの金額は料金の一覧でご確認ください。

生え際・M字が変わらないのは効いていないから?

「頭頂部は増えたのに生え際が動かない」——これはフィナステリドが効いていないのではなく、試験の段階から生え際は別扱いだからです。フィナステリドの主要な臨床試験は頭頂部〜前頭部の中央で効果を測っており、米国添付文書には「こめかみ部分の後退(bitemporal recession)に対する有効性は確立していない」と明記されています出典:参考文献2。前頭部でも中央部には効果が確認されていますが出典:参考文献15(Leyden 1999)、生え際のラインそのものは動きにくい場所です。

当院の実感では、重症度にもよりますが、生え際はフィナステリド単剤ではほぼ動かず、デュタステリドへ切り替えた後のほうが動きます。M字は治りにくい方もいらっしゃる場所です。生やしたい場所が生え際なら、フィナステリド単剤で粘るより、最初から強さの相談をしてください。デュタステリドの効果の詳細はこちらの記事へ。

受診の目安:一度診てもらったほうがいい人

フィナステリドを自己判断でやめる前に。次のどれかに当てはまる方は、一度ご相談ください。

6ヶ月飲んで、生えてほしい場所に全く変化がない今の強さでは足りていない可能性。頭皮を見て組み立て直します
抜け毛が減らない・細い毛が増えている進行が続いているサイン。AGA以外の脱毛症の可能性も含めて診ます
飲んだり飲まなかったりが3ヶ月以上続いている効果の判定ができない状態。飲み方から立て直します
個人輸入の薬を半年以上飲んでいる薬の中身の確認から。商品名が分かるものをお持ちください
40歳以上で、自覚できる薄毛をフィナステリド単剤で始めた単剤では不十分になりやすい組み合わせ。強さの見直しを

逆に、飲み始めて3ヶ月未満の方や、抜け毛が減ってきている方は、待っていい段階です。あわてて薬を変えず、6ヶ月の判定まで続けてください。

よくある質問

Q. フィナステリドが効かない人の割合はどれくらいですか

写真判定で「増えた」となるのは1年で約半数(海外48%・国内58%)、5年では改善48%・変わらない42%・悪化10%です。未治療に近いプラセボでは75%が悪化しました。「変わらない」は進行が止まっている状態なので、悪化した10%を「効かなかった人」と読むのが実態に近い数字です。

Q. 何ヶ月飲んだら「効かない」と判断しますか

6ヶ月です。添付文書も「効果が確認できるまで通常6ヵ月」としています。当院では、生えてほしい場所に6ヶ月で全く変化がなければ、その部位には今の治療では足りていないと判断し、強さを見直します。6ヶ月未満でやめるのは早すぎます。

Q. フィナステリドを増量すれば効きますか

効きません。添付文書に、増量による効果の増強は確認されていないと明記されています。強さを足すなら増量ではなく、ミノキシジル内服の併用や、デュタステリドへの切り替えを検討します。

まとめ

フィナステリドが効かない人の割合は、写真判定で見ると「増えなかった人」が1年で約半数、ただし5年で本当に悪化した人は10%。「生えない」と感じている人の多くは、進行が止まっている=守りは効いている状態です。判断は6ヶ月・生えてほしい場所の変化で。増量しても効果は上がりません。

そして、フィナステリドが効かないと感じる原因の大半は体質ではなく、進行度に対して薬の強さが足りていないか、飲み方が崩れているかです。どちらなのかは、頭皮をマイクロスコープで見て、これまでの治療を伺えば見当がつきます。やめて75%側に戻る前に、今の薬が分かるものを持って、一度ご相談ください。

参考文献

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  16. 厚生労働省:医薬品等を海外から購入しようとされる方へ.厚生労働省

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BEA AGA CLINIC 院長 清水崇裕
この記事の監修医師
清水 崇裕
BEA AGA CLINIC 院長/医師・医学博士・放射線科専門医
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