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監修医師 清水崇裕
この記事の監修: 清水 崇裕(医師・医学博士・放射線科専門医/ベアAGAクリニック院長)
日本テレビ「DayDay.」「news every.」、フジテレビ「Live News イット!」ほか出演・取材協力
この記事の結論

成長因子(グロースファクター)は、毛母細胞の分裂や頭皮の血流を促し、髪の成長期を支えるタンパク質です。AGA治療では、メソセラピーやHARG療法として頭皮に直接注入する形で使われます。

ただし位置づけは「治療の土台」ではなく「追加の一手」です。土台はあくまで内服・外用。当院では、重症度が高い方や内服・外用だけでは伸び悩む方に限って提案しており、軽症の方に足すことはありません。

「メソセラピーで成長因子を注入」「成長因子配合の育毛剤」——薄毛治療を調べていると必ず出てくる言葉ですが、何をしてくれる物質なのか、どこまで効果の裏付けがあるのかを説明できる情報は意外と少ないはずです。この記事では、成長因子の働きと使われ方、エビデンスの現在地、そして「どんな人に向いていて、どんな人にはいらないのか」まで、実際にAGA診療を行っている医師が解説します。

成長因子とは?髪を育てる仕組み

成長因子とは、細胞の増殖や分化を促すタンパク質の総称です。髪との関係で重要なものを挙げると:

  • KGF(FGF-7): 毛髪の工場である毛母細胞の増殖を促す
  • VEGF: 毛包のまわりの血管を増やし、髪に栄養を届けるルートを太くする
  • IGF-1: 髪の「成長期」を維持する方向に働く
  • bFGF: 細胞の増殖や血管新生を助ける

AGAでは、ヘアサイクルの成長期がどんどん短くなり、髪が太く育ち切る前に抜けてしまいます。成長因子は、この短くなった成長期を細胞レベルで下支えすることを狙って使われます。

AGA治療でどう使われるか

成長因子はタンパク質なので、頭皮の表面に塗っても毛根まではほとんど届きません。そのためAGA治療では、注射や専用機器で頭皮に直接注入する「メソセラピー」という形で使われます。成長因子を含む製剤を用いるHARG療法も、この仲間です。

それぞれの施術の詳細は、AGAメソセラピーの解説HARG療法の解説で詳しく説明しています。

なお、市販の育毛剤にも「成長因子配合」を掲げる製品がありますが、頭皮の表面に塗る化粧品・医薬部外品と、医療機関で頭皮内に注入する治療とでは、成分の濃度も、毛根への到達度も別物です。同じ言葉が使われていても、同じ効果を期待できるものではありません。

効果とエビデンスの現在地

正直にお伝えします。成長因子を用いた治療は、発毛効果を報告する研究がある一方で、フィナステリドやミノキシジルのような大規模な比較試験の裏付けはまだ限定的です。日本皮膚科学会のガイドラインでも、内服・外用の標準治療より推奨度は低い位置づけになっています。

だからこそ大事なのは順番です。土台はフィナステリド・デュタステリドとミノキシジル。まず効果が確立した治療薬で土台を作り、成長因子のメソセラピーは「その上に積む追加の一手」として考える。「成長因子だけで生やす」という使い方は、費用に対して期待できるものが釣り合いません。

ベアAGAクリニック院長 清水崇裕
院長の診療実感
院長・清水崇裕(医師・医学博士)

当院で成長因子のメソセラピーを提案するかどうかは、重症度で決めています。マイクロスコープで見て、極端に小さくなった毛が目立つような重症度の高い方には、内服・外用に加えてご提案することが多い。逆に、軽症の方に足すことはしません。必要がないからです。「何を勧めるか」と同じくらい、「誰には勧めないか」の基準を持っていることが大事だと考えています。

向いている人・必要ない人

向いているのは、①スコープ所見で重症度が高いと判断された方、②内服・外用を半年〜1年続けても伸び悩んでいる方、です。成長因子の注入は、こうした「もう一段の後押しが欲しい」場面で意味を持ちます。

必要ないのは、軽症の方です。内服・外用だけで十分な改善が見込める段階で高額な施術を足しても、得られるものは多くありません。もしクリニックで「全員に最初からメソセラピーをセットで」という提案を受けたら、その根拠を聞いてみてください。

よくあるご質問

成長因子だけで髪は生えますか?

おすすめしません。発毛の土台はフィナステリドなどの内服・ミノキシジルの外用で、成長因子の注入はそこに追加する位置づけです。単独では費用に見合う効果を期待しにくいのが実際のところです。

市販の「成長因子配合」育毛剤でも代わりになりますか?

医療機関の注入治療とは濃度も毛根への到達度も異なるため、同じ効果は期待できません。頭皮環境のケアとして使うのは自由ですが、AGAの進行を止める力はありません。

メソセラピーとHARG療法は何が違うのですか?

どちらも頭皮に有効成分を注入する治療で、HARG療法は成長因子を含む特定の製剤を用いるものを指します。広い意味ではHARG療法もメソセラピーの一種と考えて差し支えありません。

注入は痛くないですか?副作用は?

注入時にチクッとした痛みや、施術後に赤み・腫れが出ることがありますが、多くは数日でおさまります。重い副作用はまれですが、施術前に必ず説明します。

自分は成長因子が必要な段階なのか——マイクロスコープで見れば分かります。

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BEA AGA CLINIC 院長 清水崇裕
この記事の監修医師
清水 崇裕
BEA AGA CLINIC 院長/医師・医学博士・放射線科専門医
メディア出演日本テレビ「DayDay.」「news every.」、フジテレビ「Live News イット!」ほか出演・取材協力
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