アデノシンとは?効果効能・副作用を解説

育毛や発毛に有効とされる成分にはさまざまなものがありますが、種類が多すぎて「どれが良いのか分からない…」という方も多いのではないでしょうか。

今回は、数ある成分の中でも特に育毛効果が期待できるとされている「アデノシン」についてご紹介していきたいと思います。

AGA治療を現在受けており、より高い効果を得たい、より早く効果を実感したいと考えている方はもちろんのこと、AGA治療を受ける勇気がない、AGA治療を受ける予算がないという方もぜひ本記事を最後までご覧ください。

著者情報 内田純平AGAマガジン編集部
内田 純平
30代前半の頃から薄毛に悩み、さまざまなAGAクリニックを調査しました。実際に飲み薬や育毛剤だけに限らずメソセラピーやHARG療法などの治療方法を試し、一時期は植毛まで考えました。が、無事に復活できました。その経験を活かしてAGAに悩むの皆さんのサポートをしていきたいと考えています。

アデノシンとは?

おもな育毛効果毛髪成長因子の増加
化粧品表示名アデノシン
医薬部外品表示名アデノシン
特徴エネルギー代謝に関わる重要な物質

アデノシンとは体内のほとんどの細胞が生産するエネルギー代謝に関わる重要な物質であり、ほとんどの臓器の血管の拡張や免疫系の向上、睡眠など体内の生理的な働きに必要な役割を果たしている非常に重要な物質です。

育毛効果としては毛髪成長因子の増加が挙げられます。

ヘアサイクルを正常に保つ働きがあるとされているアデノシンは、毛乳頭細胞に作用して毛髪の成長を促進させるFGA-7を増やすはたらきもあるとされています。

0.75%アデノシン配合ローションを用いた,38名の男性被験者を対象とした観察期間6カ月間のランダム化比較試験において,アデノシン配合ローショ2772 ● 日皮会誌:127(13),2763-2777,2017(平成29)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン作成委員会ン群では対照群と比較して,毛髪径40μm未満の軟毛率が有意に減少(P=0.0154),毛髪径60μm以上の太毛率が有意に増加(P<0.0001),さらには頭髪の密度も有意に増加していた(P=0.0470)80).
さらに,0.75%アデノシン配合ローションと5%ミノキシジルローションを用いた,94名の男性被験者を対象とした観察期間6カ月間のランダム化比較試験において,病変部の太毛率は両剤群で有意差なく,0.75%アデノシン配合ローションは男性型脱毛症の治療薬として市販されている5%ミノキシジルローションと同等の有用性があることが示唆された81).

引用:「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」より

日本皮膚科学会のガイドラインに記載されているように、アデノシンは数ある育毛や発毛に効果があるとされている成分の中でも、きちんとしたエビデンスのある、高い効果が期待できる成分の1つとなっています。

育毛剤にアデノシンが配合される目的

育毛剤にアデノシンが配合される目的

育毛剤アデノシンが配合される目的は大きく分けて2つあります。

それぞれ重要なポイントなので一緒に確認していきましょう。

ヘアサイクルを整える

ヘアサイクルを整える効果が有名です。

ヘアサイクルは成長期、休止期、退行期と3種類あり、文字通り成長期が長ければ長いほど髪の毛は成長しやすく、短ければ短いほど髪の毛が抜ける時期が長くなってしまいます。

アデノシンには毛根の成長期を長くする効果があるとされており、頭皮の表面に塗布することにより血行が促進され、毛根を刺激するとされています。

発毛促進効果が期待できる

簡単に言ってしまうならば、アデノシンはミノキシジルと同等の効果があるとされています。先程ご紹介した論文にも

0.75%アデノシン配合ローションは男性型脱毛症の治療薬として市販されている5%ミノキシジルローションと同等の有用性があることが示唆された81).

引用:「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」より

と記載されているように、ミノキシジルと同等の効果があるとされています。

ミノキシジルは抜け毛の減少で発毛促進することはもちろんのこと、太い健康的な髪の毛を増やす作用が期待できます。

ミノキシジルは毛乳頭細胞を刺激し、毛髪を作り出す毛母細胞を活性化させる効果があるとされているのです。

細胞分裂が活発になるとヘアサイクルが正常化されますし、発毛促進が期待できます。

さらに血管が拡張される作用も期待できるので、血行が改善され、より髪の毛が太く深く成長するようになるのです。

アデノシンの効果効能

アデノシンの効果効能は大きく分けて2つあります。

それぞれ発毛・育毛に対して必要な効果なので確認していきましょう。

ヘアサイクルを正常化し、脱毛予防、発毛促進

ヘアサイクルを正常化し、脱毛予防・発毛促進をするという効果です。

ヘアサイクルについては先ほども軽くご紹介しましたが、成長期と呼ばれる時期が短くなってしまうことにより、髪の毛は抜けてしまいます。

成長期が短くなる理由ですが、テストステロンという男性ホルモンと還元酵素が結びつくことにより「ジヒドロテストステロン」という悪玉男性ホルモンが発生することが原因とされています。

アデノシンを利用することにより、ジヒドロテストステロンによって乱れてしまったヘアサイクルを正常化し、脱毛を予防することはもちろんのこと、成長期が長くなるので発毛促進効果が期待できるのです。

血管拡張による発毛効果促進

アデノシンには血管拡張効果が期待できるという側面もあります。

血管が拡張された際、毛母細胞の細胞分裂が促進されるということはもちろんのこと、栄養が適切に毛母細胞や頭皮に行き渡りやすくなるという効果が期待できます。

亜鉛などに含まれるミネラルや動物性タンパク質などは髪の毛を生成する際に重要な栄養素ですし、いくら摂取していたとしても、それらが適切に供給されていなければ意味がありません。

アデノシンを利用することにより血管が拡張され、適切に栄養が適材適所で運ばれるようになれば、発毛も期待できるでしょう。

アデノシンの副作用

アデノシンは人間の体内で生成される物質なので、単体で副作用を発症したというケースは、調べてみたところ見つかりませんでした。

単体として考えるとそこまで危険な成分であるとも言えませんし、気軽に使用しやすい成分です。

まれに頭皮にかゆみが生じる可能性はありますが、アレルギー性の皮膚炎が発生したりすることは基本的にありません。

しかし、育毛剤にはアデノシンのみが配合されているわけではありませんし、他の添加物や有効成分などが頭皮にアレルギー反応を起こしてしまったりする場合もあるので、「アデノシンが配合されているから大丈夫」と安心するのではなく、痒みや違和感などを感じた場合は必ず最寄りの医療機関などにかかるようにしましょう。

アデノシンが配合されている育毛剤は「アデノバイタル アドバンストスカルプエッセンス」

アデノシンが配合されている育毛剤は「アデノバイタル アドバンストスカルプエッセンス」があります。

アデノシン以外にもニンジンエキスやβーグリチルレチン酸、パントテニールエチルエーテルなど育毛に効果があるとされている成分が複数配合されている成分なので、育毛を真剣に目指したい方はぜひ記事もご覧ください。

関連記事

アデノバイタル アドバンストスカルプエッセンスは、資生堂から販売されている育毛剤です。主に美容室向けのヘアケア製品の一環として製造されています。スキンケアからメイク、育毛剤まで女性の悩みにトータルで答えてくれる資生堂が出して[…]

まとめ

今回はアデノシンの育毛効果やアデノシンが配合される目的、発毛に関する効果効能や副作用の可能性などについて言及しました。

アデノシンは数ある育毛や発毛に効果があるとされている成分の中でも特に効果が期待できる成分で、日本皮膚科学会の論文でもレベルB、つまり男性の育毛や発毛目的においてはミノキシジルと遜色ない効果が期待できるとされています。

ミノキシジルは、AGA治療薬のフィナステリド・デュタステリドと並ぶ3大治療薬の1つです。ほとんどのAGA治療クリニックで処方される治療薬ですし、そのミノキシジルと同等の効果が期待できるとも言われているアデノシンは育毛や発毛を目指す上で非常に重要な成分であるとされています。

関連記事

【PR】※CLINIC FORの情報提供元:CLINIC FOR育毛剤とは、既にある髪の毛をより丈夫にするための医薬部外品です。本当に生える効果のある育毛剤を使いたいものですが、そんな最強な育毛剤なんてあるのでしょう[…]

育毛剤おすすめ
関連記事

女性の薄毛・抜け毛は男性と異なります。そのため女性が育毛剤を使う場合、男性とは違った商品を選ぶ必要があります。とはいえ商品を選ぼうとすると、「どんな育毛剤がいいの?」「おすすめの育毛剤はどれ?」といった疑問が浮かんでくるかもしれませ[…]

関連記事

「最近、髪の毛が薄くなってきた気がする...」「治療を受けたいけれど、クリニックが多すぎてどこで治療を受ければ良いかわからない...」このようなお悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。そこで、今回はAGA治療のク[…]

aga-osusume1