日本テレビ「DayDay.」・フジテレビ「Live News イット!」出演、日本テレビ「news every.」コメント出演
「やめとけ」「やばい」の正体は、副作用が怖い・一生飲むのか・やめたらどうなるの3つの不安です。数字で見ると、ザガーロで何らかの副作用が出た人は17.1%、性機能に関するものは4%前後(917例の国際共同試験)。出ても切り替え・減量で対応でき、中止しても戻らなかった方を当院では見たことがありません。効果は6ヶ月で判定します。一生ではなく「髪がいらない」と思うまで。やめても再開すれば戻ります。どの不安が引っかかっているかで答えが違うので、飲む前に一度ご相談ください。
ザガーロ(デュタステリド)を調べると「やめとけ」「やばい」という言葉が出てきて、不安になりますよね。副作用とか、怖いですよね。その感覚は自然なものだと思います。この記事では、検索していた不安を3つに分けて、添付文書と研究の数字、そして当院で実際に診てきた経過で答えます。
「やめとけ」「やばい」と言われる本当の理由は3つ
ザガーロ(デュタステリド)は国内で承認されたAGA治療薬です。ネットの「ザガーロはやめとけ」を読んでいくと、書かれている中身はほぼ3つに集約されます。①副作用が怖い ②一生飲み続けることになるのが怖い ③やめたら一気に抜けそうで怖い。裏を返せば、この3つに自分なりの答えが出れば、ザガーロを飲む・飲まないを落ち着いて決められるということです。以下、順番に答えます。
当院では、院長が毎回、直接診察します。頭皮を拡大して見ないと分からないことが多いためです。初診料・再診料・カウンセリング・血液検査(※医師が医学的に必要と認めた場合)は0円です。
予約の前に聞いておきたいことがあれば、LINEでご相談いただけます(相談だけでも構いません)
ザガーロの副作用は本当に怖いか?添付文書の数字で見る
ザガーロの添付文書に載っている国際共同試験(917例・日本人200例を含む)では、何らかの副作用が出た人は17.1%。内訳で多いのは勃起不全4.3%・性欲(リビドー)減退3.9%・精液量減少1.3%です出典:参考文献1(添付文書)。頭痛や抑うつ気分は1%未満、乳房の張りも1%未満。肝機能障害・黄疸は頻度不明ですが「重大な副作用」として記載されています。
「フィナステリドなら安全でザガーロはやばい」という比較も見かけますが、3本のランダム化比較試験・576名のメタ解析では、性欲減退・勃起不全・射精障害の頻度にフィナステリドとの有意差はありませんでした出典:参考文献2(Zhou 2019)。2026年の系統的レビューでも、性機能の副作用の大半は「軽度・一過性で、中止により回復する」とまとめられています出典:参考文献3。

私の実感では、フィナステリドの性機能の副作用は1%いないくらい。デュタステリドは少し多いくらいです。抑うつで困った方は、当院ではいません。乳房の張りもほぼいません(出た方も経過で消えました)。
添付文書には性機能の副作用が「中止後も持続したとの報告がある」という注記がありますが、中止しても戻らなかった方を、私は見たことがありません。
肝臓について。ザガーロは主に肝臓で代謝されるため、重度の肝機能障害がある方は禁忌です出典:参考文献1。ただ、実際の診療で肝機能の数値が悪い方の原因は、薬よりお酒であることがほとんどです。心配な方は健康診断の結果をお持ちください。
ザガーロで副作用が出たらどうするか:切り替え→減量→中止の順
当院で副作用が出た方への対応は、順番が決まっています。多いのはフィナステリドへの切り替え。減量は少ないですが、やり方としてはアリです。中止まで行くのは、切り替えでも耐えられない場合で、まれです。
| 状態 | どうするか |
|---|---|
| 気になるが日常生活に支障はない | 続けながら次の診察で相談。多くは軽度・一過性です |
| 性機能の変化が本人にとって大きな問題 | 連絡のうえ、フィナステリドへの切り替えか減量を検討 |
| 日常生活に支障をきたすレベル/黄疸・強いだるさ/強い気分の落ち込み | 中止して、すぐ連絡してください |
切り替えた場合の経過は正直に書きます。デュタステリドからフィナステリドに落とすと、薄くなるところはやはりあるのが普通です。ただ、その人次第で、ご本人的に問題ない場合もあります。ご自身の納得が一番大事です。そして性機能に関する副作用は、切り替えや中止で消えることが多いというのが当院の実感です。副作用の種類ごとの詳しい対応はデュタステリドの副作用の記事に書きました。
妊活・結婚を考えている人へ(精液への影響)
ここは曖昧に書きません。添付文書の試験では、健康な男性がザガーロ(デュタステリド0.5mg)を52週飲むと、プラセボと比べて総精子数−23%・精液量−26%・精子運動率−18%でした。ただしすべての時点で平均値は正常範囲内で、精子の濃度・形態には影響がなく、この変化が「受胎能にどのような臨床的意義をもつかは不明」とされています出典:参考文献1。原著の追跡では、中止後に回復する方向の変化でした出典:参考文献4(Amory 2007)。また、薬の成分はごく一部(血中の11.5%程度)が精液中に移行します出典:参考文献1。妊娠中の女性はカプセルから漏れた薬剤に触れないでください。
当院の実際の対応はこうです。妊活の準備をするなら3ヶ月前をめどにやめる(または切り替える)ことをおすすめしていますが、この薬で赤ちゃんに奇形が起きるわけではないので、(妊活を)今日から始めても構いません。時期が決まっている方は、診察でスケジュールごと相談してください。
ザガーロは一生飲むのか?
正直に言うと、AGAに「治療を終了できる」という意味での完治はありません(完治の記事)。ではザガーロは一生飲むのかというと、私たちの答えは「一生」ではなく、ご自身の髪が「いらない」と思うタイミングまでです。実際には「結婚まで」と言っていた方が「子どもの卒業まで」「定年まで」と続けていくことが多い。それは髪に価値を感じ続けているからで、悪いことではありません。

「やめられないなら始めない」という方に、本音を言います。10年後に髪が欲しくなっても、そのときからでは元のようには改善しません。今が一番治る時です。
いらないと思えば、いつでも止められます。始めるかどうかの相談だけでも来てください。
なお、効果の判定は早すぎても意味がありません。添付文書は「12週で改善が認められる場合もあるが、評価には通常6ヵ月の治療が必要」「6ヵ月以上で改善がなければ中止」としています出典:参考文献1。当院でも、明らかに生えてほしい場所に6ヶ月で全く変化がなければ「効いていない」と判断します。1年目は土台をつくる年です(一生続けるべきかの記事)。
ザガーロをやめたらどうなる?(3ヶ月・6ヶ月・12ヶ月)
ザガーロ(デュタステリド)を中止した後の毛髪の経過は、ガイドラインでも「検討されていない」とされていて、試験の数字がありません出典:参考文献5(ガイドライン2017)。(フィナステリドについては「内服を中止すると効果は消失する」と明記されています出典:参考文献5。)そこで、当院で治療をやめた方を診てきた経過をそのまま書きます。3ヶ月で抜け毛がすごく多くなり、6ヶ月でかなり目立ち、12ヶ月で元の状態に近づきます。

やめると、本来の年齢での薄毛に向かって進行します。治療のせいで余計に抜けるのではありませんが、生やしてから抜けるので量が多く感じます。
やめる方自体が少ないです。やめるのは「ここまででいいかな」と決めた方(定年退職を機に、など)。やめても再開すれば髪は戻ります。短い期間なら支障はほぼありません。3年、5年とたつほどどんどん不利になります。悩んでいる時点では、まだ取り返しがつきます。
何もしない場合の線も分かっています。治療しなかった群は5年で毛が239本(26.3%)減り、75%が写真評価で悪化しました出典:参考文献6(Kaufman 2008)。やめるとは、この線に戻ることです。
ザガーロはフィナステリドと何が違うか・どちらから始めるか
フィナステリドは2型の5α還元酵素だけを、デュタステリドは1型・2型の両方を抑えます。頭皮では1型が優位で、前頭部の酵素活性は後頭部の約4倍。両方を抑えられる分、効果はデュタステリドが上回ります。917名の比較試験では、毛髪数・毛の太さ・前頭部の写真評価のいずれもデュタステリド0.5mgがフィナステリド1mgを上回りました出典:参考文献7(Gubelin 2014)。国内の1年間の試験(120例)でも毛髪数は増え続け、副作用で中止した方は0でした出典:参考文献8(Tsunemi 2016)。当院の実績でも、頭頂部・前頭部ともフィナステリドから切り替えた後のほうが経過は良好です。ガイドラインでの推奨度はフィナステリドと同じAです出典:参考文献5。
では、初めての方がどちらから始めるか。当院で最初からザガーロ(デュタステリド)を選ぶのは、重症度が高い方・年齢が高い方・妊活を控えていない方です。軽症で若い方はフィナステリドから始めて、進行度と効果を見て切り替えるのが基本線。処方を決める軸は、重症度・年齢・許容できる副作用・どこまで生やしたいか、の4つです。
当院で出しているのは錠剤タイプ(先発のザガーロはカプセル、成分は同じデュタステリドです)。デュタステリド単剤の処方もあります(薄毛予防プランと発毛プランの間の位置づけで、12ヶ月プランなら月8,250円です)。費用は、当院のAGA治療が月2,750円〜、初診料・再診料・カウンセリングは0円です。プランごとの金額は料金の一覧でご確認ください。
なお、フィナステリド側の副作用の確率(2.9%・プラセボ2.2%)と対処は、フィナステリドの副作用の記事に詳しくまとめています。
受診の目安:飲む前に相談したほうがいい人
次のどれかに当てはまる方は、ザガーロを飲み始める前に一度ご相談ください。飲まない選択も含めて、一緒に決めます。
| 妊活の予定がある | 時期に合わせてやめ方・切り替えをスケジュールごと相談 |
| 健康診断でPSA(前立腺の検査値)を測る | 服用中は値が下がるため、測定値を2倍で評価します。検査時に服用を申告してください。検診結果はこちらで見ます |
| 肝臓の持病がある・お酒が多い | 重度の肝機能障害は禁忌。健診結果を持って相談を |
| 20歳未満 | 日本の添付文書では安全性・有効性が確立していません。基本的に、若い方の最初の薬にザガーロは選びません。フィナステリドには米国で18歳以上のデータがあるため、その説明をしたうえで治療するかを一緒に決めます |
| 他院・オンラインで処方中で不安がある | 当院に切り替える方は診ます。飲んでいる薬を持ってきてください |
よくある質問
Q. ザガーロをやめてよかった人はいますか
当院では、やめる方自体が少ないです。やめるのは「ここまででいい」とご自身で決めた方(定年退職を機に、など)で、やめてから再開して戻す方も中にはいます。やめれば12ヶ月ほどで治療前に近づくので、「やめてよかった」と言えるのは髪がいらないと決めた方です。
Q. ザガーロを飲み始めたら前髪がスカスカになりました。やばいですか
飲み始めの1〜3ヶ月は、生え替わりの前倒しで一時的に抜け毛が増えることがあります(初期脱毛)。薬が効き始めているサインで、やめる理由にはなりません。詳しくは初期脱毛の記事をご覧ください。デュタステリドの初期脱毛の記事もどうぞ。
Q. ザガーロに発がん性はありますか
添付文書には、前立腺肥大症の患者での海外試験(2〜4年・4,325例)で男性乳癌が3例報告され、うちデュタステリド服用は2例、薬との関連性は不明、国内では報告なし、と記載されています。発がん性が証明されているわけではありませんが、胸のしこり・張りに気づいたら受診してください。
Q. 2日に1回の服用でもいいですか
おすすめしません。基本は1日1回です。飲み方を薄めると効果は確実に弱くなります。費用を抑えたい場合は、自己判断で間引くのではなく、プランの変更を相談してください。
治療そのものが怖い、という段階の方は、「AGA治療が怖い」人へ——医師が本当に怖いのは個人輸入のほうもあわせてどうぞ。
まとめ
ザガーロの「やめとけ」「やばい」の正体は、副作用・一生・やめたらどうなるの3つの不安でした。数字で見ると副作用は17.1%、性機能は4%前後で、フィナステリドと有意差はありません。出ても切り替え→減量→中止の順で対応でき、当院では中止して戻らなかった方を見たことがありません。
一生飲むのではなく、髪がいらないと思うまで。やめても再開すれば戻ります。そして、迷っている今が一番治る時です。飲む前の不安を相談するだけでも構いません。飲まない選択も含めて、一緒に決めましょう。
参考文献
- ザガーロカプセル0.1mg/0.5mg 電子添文(2025年8月改訂).グラクソ・スミスクライン.PMDA
- Zhou Z, et al. The efficacy and safety of dutasteride compared with finasteride in treating male androgenetic alopecia: a systematic review and meta-analysis. Clin Interv Aging. 2019;14:399-406. doi:10.2147/CIA.S192435
- Złotowska A, et al. Sexual adverse effects of 5-alpha reductase inhibitors in androgenetic alopecia: a systematic review. Front Med (Lausanne). 2026;13:1787706. doi:10.3389/fmed.2026.1787706
- Amory JK, et al. The effect of 5α-reductase inhibition with dutasteride and finasteride on semen parameters and serum hormones in healthy men. J Clin Endocrinol Metab. 2007;92(5):1659-1665. doi:10.1210/jc.2006-2203
- 日本皮膚科学会:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版.日本皮膚科学会雑誌 2017;127(13):2763-2777.PDF
- Kaufman KD, et al. Progression of hair loss in men with androgenetic alopecia: long-term (5-year) controlled observational data in placebo-treated patients. Eur J Dermatol. 2008;18(4):407-411. doi:10.1684/ejd.2008.0435
- Gubelin Harcha W, et al. A randomized, active- and placebo-controlled study of the efficacy and safety of different doses of dutasteride versus placebo and finasteride in the treatment of male subjects with androgenetic alopecia. J Am Acad Dermatol. 2014;70(3):489-498. doi:10.1016/j.jaad.2013.10.049
- Tsunemi Y, et al. Long-term safety and efficacy of dutasteride in the treatment of male patients with androgenetic alopecia. J Dermatol. 2016;43(9):1051-1058. doi:10.1111/1346-8138.13310
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- Kaufman KD, et al. Long-term treatment with finasteride 1 mg decreases the likelihood of developing further visible hair loss in men with androgenetic alopecia. Eur J Dermatol. 2008;18(4):400-406. doi:10.1684/ejd.2008.0436
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