髪の健康を保つためには、適切なビタミンと栄養素の摂取が欠かせません。
髪の毛は、私たちの外見に大きな影響を与えるだけでなく、全体的な健康状態のバロメーターでもあります。
特に、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンEは、髪の成長や健康維持において重要な役割を果たします。
また、亜鉛や鉄などのミネラル、抗酸化成分も髪の健康をサポートします。
当記事では、髪の毛に良い成分や育毛に効果的な栄養素について詳しく解説します。
育毛に役立つサプリメントの選び方についても紹介し、健康で美しい髪を手に入れるための具体的な方法をお届けするので、ぜひ参考にしてください。
目次
髪の健康を維持するためには、ビタミンが不可欠
髪の健康を維持するためには、ビタミンが不可欠です。ビタミンは細胞の生成や修復、栄養の吸収を助ける働きを持ち、髪の毛にも大きな影響を与えます。 特に、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンEは髪の健康に重要な役割を果たします。 ビタミンを適切に摂取することで、髪の成長を促進し、抜け毛や薄毛を予防することができます。
ビタミン不足と髪のトラブル
ビタミンが不足すると、髪の成長が阻害され、抜け毛や薄毛の原因となります。例えば、ビタミンDが不足すると、毛包が弱くなり、髪が抜けやすくなります。 また、ビタミンB群が不足すると、頭皮の血行が悪くなり、髪の栄養供給が滞ることがあります。ビタミンCの不足は、コラーゲン生成を妨げ、髪の強度を低下させます。
髪の毛にいい成分
必須ビタミンと効果
髪の健康に必要なビタミンとして、ビタミンA、ビタミンB群(特にビオチン、ナイアシン、パントテン酸)、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンEがあります。
ビタミンAは皮脂の生成を助け、頭皮の健康を維持します。ビオチンは髪の成長を促進し、ナイアシンは血行を良くします。 ビタミンCは抗酸化作用があり、髪の老化を防ぎ、ビタミンEは血行を促進し、毛根に栄養を供給します。
ミネラルの役割
ビタミンとともに、ミネラルも髪の健康に重要です。特に亜鉛、鉄、セレン、マグネシウムは、髪の成長をサポートします。
亜鉛は髪の生成に関与し、鉄は血液中の酸素運搬を助けます。セレンは抗酸化作用があり、マグネシウムはタンパク質の合成を助けます。
抗酸化成分の重要性
抗酸化成分は、フリーラジカルから髪の毛を保護し、老化を防ぎます。 ビタミンCやビタミンE、ベータカロテンなどの抗酸化ビタミンを摂取することで、髪の健康を維持し、抜け毛を予防することができます。
髪の育毛や薄毛対策にいい栄養素
ビタミン
髪の育毛や薄毛対策にいいとされる代表的な栄養素は以下の6つです。
- タンパク質
- ビタミンA、B、E
- 亜鉛
- イソフラボン
- ヨウ素
- コラーゲン
6つの栄養素と主な食品について解説します。
タンパク質
タンパク質は三大栄養素の1つで、髪の毛を作る際の原料となります。成人の1日当たりの推奨摂取量はおよそ50g〜65gです。
参照元:健康長寿ネット
タンパク質を多く含む食品 | タンパク質量含有量 |
鶏の胸肉(100g) | 23.0g |
豚肉の肩ロース(100g) | 20.0g |
ブリ(100g) | 21.0g |
納豆(1パック) | 8.0g |
ヨーグルト(100g) | 6.0g |
白米(お茶碗1杯) | 3.5g |
卵(Mサイズ) | 3.5g |
妊娠中期には目安よりも5g、妊娠後期には25gを多めに摂取することが推奨されています。また、授乳中は目安よりも20gを多めに摂取しましょう。
タンパク質は髪の毛を作る際の原料となるため、不足すると抜け毛や薄毛のリスクを増加させる恐れがあります。ただし、過剰に摂取すると内臓機能の低下を招くこともあるため注意が必要です。
ビタミンA、B、E
ビタミンA、B、Eは髪の毛の健やかな成長や、良好な頭皮環境の維持には欠かせない成分です。3つのビタミンについて解説します。
ビタミンA
ビタミンAには粘膜や皮膚などの細胞の成長を促すはたらきがあるため、適切に摂取することで頭皮環境を良好に保ち、髪の毛の健全な成長を促す効果が期待できます。成人の1日当たりの推奨摂取量はおよそ650㎍〜800㎍RAE(マイクログラム)です。
※ビタミンAの摂取基準には、レチノールを含むビタミンAの前駆体すべて合わせて、レチノール活性当量(RAE)として算出した値を用います。
参照元:健康長寿ネット
ビタミンAを多く含む食品 | ビタミンA含有量 |
ニンジン(生1本) | 690㎍RAE |
うなぎの蒲焼(100g) | 1,500㎍RAE |
豚レバー(100g) | 13,000㎍RAE |
干し海苔(100g) | 2,300㎍RAE |
ホタルイカ(100g) | 1,900㎍RAE |
大葉(100g) | 880㎍RAE |
ワカメ(100g) | 710㎍RAE |
妊娠後期には目安よりも80㎍、授乳中の場合は450㎍を多めに摂取することが推奨されています。摂取量が不足すると皮膚や粘膜が硬くなるため、髪の毛の成長に悪影響をおよぼす可能性があります。
一方、過剰摂取した場合には頭痛や吐き気、めまいなどの健康障害を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。ビタミンAの摂取量は2,700㎍RAE/日が上限とされているため、サプリメントなどから摂り過ぎないように注意しましょう。
ビタミンB
ビタミンBのなかでも、特に髪の毛の成長に必要な栄養素がB2およびB6です。ビタミンB2には皮膚や髪の毛の細胞を再生させるはたらきがあります。成人の1日当たりの推奨摂取量はおよそ1.3㎎〜1.7㎎です。
ビタミンB2を多く含む食品 | ビタミンB2含有量 |
豚レバー(100g) | 2.6㎎ |
サンマ(1尾) | 0.4㎎ |
ウナギ(1串) | 0.75㎎ |
納豆(1パック) | 0.28㎎ |
卵(Mサイズ1個) | 0.26㎎ |
牛乳(200㎎) | 0.3㎎ |
豚肉赤身(100g) | 0.28㎎ |
妊婦は目安よりも0.2㎎〜0.3㎎、授乳中の女性は0.5㎎〜0.6㎎を多めに摂取することが推奨されています。摂取量が不足した場合には、髪の毛の細胞の再生が滞るため、抜け毛のリスクを高める可能性があります。ビタミンB2は過剰に摂取しても尿と一緒に体外へと排出されるため、健康被害の心配はそれほどありません。
ビタミンB6には頭皮の血行を促進させるはたらきがあるため、良好な頭皮環境を維持する効果が期待できます。成人の1日当たりの推奨摂取量はおよそ1.1㎎〜1.4㎎です。
参照元:健康長寿ネット
ビタミンB6を多く含む食品 | ビタミンB6含有量の目安 |
サンマ(1尾) | 0.8㎎ |
バナナ(1本) | 0.6㎎ |
アジ(1尾) | 0.45㎎ |
牛レバー(100g) | 0.9㎎ |
赤ピーマン(1個) | 0.56㎎ |
玄米(1杯) | 0.3㎎ |
バナナ(100g) | 0.38㎎ |
妊婦の方は目安よりも0.2㎎、授乳中の女性は0.3㎎を多めに摂取することが推奨されています。摂取量が不足すると良好な頭皮環境を維持できなくなるため、抜け毛のリスクを増加させる恐れがあります。
ビタミンB6に関しても、通常の食事で摂り過ぎる心配はありません。ただし、サプリメントからビタミンB6を摂取しすぎた場合には、重度の神経障害を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
ビタミンE
ビタミンEには頭皮や髪の毛の老化を遅らせ、抜け毛を予防するはたらきが期待されています。成人の1日当たりの推奨摂取量はおよそ5.0㎎〜7.0㎎です。
参照元:健康長寿ネット
ビタミンEを多く含む食品 | ビタミンE含有量 |
アーモンド(25粒) | 10.5㎎ |
うなぎの蒲焼(100g) | 5.0㎎ |
ひまわり油(小さじ2杯) | 3.9㎎ |
ハマチ(100g) | 4.9㎎ |
赤ピーマン(1個) | 6.4㎎ |
落花生(10個) | 2.5㎎ |
アボカド(50g) | 1.7㎎ |
妊婦は目安よりも6.5㎎、授乳中の女性は7.0㎎を多めに摂取することが推奨されています。摂取量が不足すると頭皮や髪の毛の老化が進み、抜け毛のリスクを増加させる恐れがあります。
成人のビタミンEの摂取量上限は650㎎〜900㎎のため、サプリメントなどから摂り過ぎないよう注意しましょう。ビタミンEを過剰摂取した場合には、出血のリスクが増加するほか、吐き気や下痢を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
亜鉛
亜鉛は必須ミネラルの一種で、体内のアミノ酸を髪の毛の原料となるケラチンへと再合成するはたらきがあります。成人の1日当たりの推奨摂取量はおよそ8.0㎎〜11.0㎎です。
参照元:健康長寿ネット
亜鉛を多く含む食品 | 亜鉛含有量 |
牡蠣(5個) | 7.9㎎ |
豚レバー(100g) | 7.2㎎ |
牛肉の赤身(100g) | 6.0㎎ |
牛レバー(100g) | 4.0㎎ |
ごはん(1杯) | 0.9㎎ |
納豆(1パック) | 0.8㎎ |
プロセスチーズ(1切れ) | 0.6㎎ |
妊婦は目安よりも2.0㎎、授乳中の女性は4.0㎎を多めに摂取することが推奨されています。摂取量が不足するとケラチンの再合成が滞り、髪の毛の成長を妨げる可能性があります。
亜鉛の摂取量は上限が35㎎〜45㎎のため、サプリメントなどから摂り過ぎないよう注意しましょう。亜鉛を過剰に摂取するとかえって抜け毛のリスクを増加させる恐れがあります。
イソフラボン
イソフラボンには女性ホルモンのエストロゲンに似た役目があるため、髪の毛は肌にハリとうるおいを与えるはたらきが期待されています。
栄養学的にイソフラボンの摂取目安量は算出が困難ですが、1日上限量の目安は70-75mg(毎日摂取した場合の平均として)とされています。
イソフラボンを多く含む食品 | イソフラボン含有量 |
納豆(1パック) | 65.0㎎ |
豆腐(1丁) | 110.0mg |
油揚げ(1枚) | 105.0㎎ |
きな粉(大さじ1杯) | 18.6㎎ |
豆乳(200ml) | 41.0㎎ |
味噌(大さじ1杯) | 8.9㎎ |
大豆の水煮(100g) | 40.5㎎) |
女性がイソフラボンを摂取しすぎた場合には、月経周期を乱したり婦人科系疾患のリスクが増加する恐れがあるため注意が必要です。
ヨウ素
ヨウ素には新陳代謝を活発化させ、髪の毛の成長をサポートするはたらきが期待されています。成人の1日当たりの推奨摂取量はおよそ130㎍です。
参照元:環境省ヨウ素について
ヨウ素を多く含む食品 | ヨウ素含有量 |
昆布(5g) | 6500㎍ |
ワカメ(5g) | 385㎍ |
あまのり(5g) | 300.5㎍ |
大豆(100g) | 79.0㎍ |
小豆(100g) | 54.0㎍ |
サツマイモ(100g) | 9.3㎍ |
玉ねぎ(100g) | 8.4㎍ |
妊婦は目安よりも110㎍、授乳中の女性は140㎍を多めに摂取することが推奨されています。摂取量が不足すると髪の毛の成長が妨げられ、抜け毛のリスクを増加させる可能性があります。
ヨウ素の摂取量は上限が3,000㎍(妊娠・授乳中は2,000㎍)のため、サプリメントなどから摂り過ぎないよう注意しましょう。
通常の食事でヨウ素を過剰に摂取する可能性はほとんどありませんが、根コンブ療法に取り組んでいる方などの場合は、過剰摂取による甲状腺機能障害を引き起こす可能性があります。
コラーゲン
コラーゲンには毛母細胞に栄養や酸素を送り届け、毛乳頭細胞の増殖を促すはたらきが期待されています。1日につき5.0g〜10.0gの摂取が推奨されていますが、そのほかの栄養素とは異なり明確な基準値はありません。
コラーゲンを多く含む食品 | コラーゲン含有量 |
牛すじ(100g) | 4.9㎎ |
鶏の砂肝(100g) | 2.3㎎ |
鶏モモ肉(100g) | 1.6㎎ |
うなぎの蒲焼(1尾) | 5.5㎎ |
サンマ(1尾) | 3.3㎎ |
豚白モツ(100g) | 3.1㎎ |
しらす干し(100g) | 1.9㎎ |
コラーゲンが豊富な食品には脂質も多く含まれているため、過剰に摂取した場合は体脂肪がつきやすくなるだけでなく、ニキビや吹き出物などの肌トラブルを引き起こす可能性があります。
育毛サプリの選び方
育毛サプリを選ぶ際には、上記のビタミンやミネラルが含まれているかを確認することが重要です。 また、品質の高い製品を選び、定期的に摂取することで、育毛効果を最大限に引き出すことができます。
髪にいいサプリの紹介
ビタミン系サプリ
髪にいいビタミンサプリとして、ビオチン、ビタミンD、ビタミンEを含む製品があります。 ビオチンは、髪の成長を促進し、ビタミンDは毛包の健康を維持します。ビタミンEは抗酸化作用があり、髪の老化を防ぎます。
ミネラル系サプリ
亜鉛や鉄を含むサプリメントは、髪の健康に重要です。亜鉛は髪の生成を助け、鉄は血液中の酸素運搬をサポートします。 ミネラルを適切に摂取することで、髪の健康を維持することができます。
抗酸化サプリ
ビタミンCやビタミンEを含む抗酸化サプリメントは、フリーラジカルから髪を保護し、老化を防ぎます。定期的に摂取することで、髪の健康を長く保つことができます。
髪にいい栄養素をとる以外で薄毛を解消する方法
髪の毛にいい栄養素をとる以外で薄毛を解消する場合は、次の3つの方法がおすすめです。
- AGAクリニックを受診し専門医の指導のもとで治療を受ける
- 運動や趣味などでストレスを溜め込むことなく発散する
- 刺激の強いカラーリングや負担のかかるヘアケアなど頭皮へのダメージを減らす
3つの方法について解説します。
AGAクリニックを受診し専門医の指導のもとで治療を受ける
髪の毛にいい栄養素をとる以外で薄毛を解消するのであればAGAクリニックを受診して、専門医の指導のもとで治療を受けることがおすすめです。
薄毛の原因は個人により実にさまざまなため、はじめになぜ抜け毛が引き起こされているのかを突き止めることが重要です。AGAクリニックでは問診や視診、マイクロスコープ検査、血液検査などを行い、抜け毛の原因を特定します。
仮にAGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)の発症が疑われる場合は、早期の発見・治療により薄毛の改善・予防が期待できます。
クリニックに受診するのに抵抗ある人は、まずはAGAセルフチェックしてみましょう。
運動や趣味などでストレスを溜め込むことなく発散する
ストレスの自覚がある方の場合は、運動や趣味などでストレス発散することがおすすめです。薄毛や抜け毛の原因はさまざまですが、ストレスも一因とされています。
ストレス状態が続くと自律神経のバランスが乱れ、血管収縮にともない頭皮へと送られる血液が減少して髪の毛の成長が妨げられます。
また、夜間も交感神経優位の状態が続くと睡眠の質を低下させ、結果として薄毛や抜け毛のリスクを増加させる恐れもあるため注意が必要です。
刺激の強いカラーリングや負担のかかるヘアケアなど頭皮へのダメージを減らす
髪の毛にいい栄養素を摂取する以外で薄毛を解消する方法の1つが、刺激の強いカラーリングや負担のかかるヘアケアなどによる頭皮へのダメージを減らすことです。
カラーリングに使われる薬剤には、髪の毛や頭皮に刺激の強い成分が含まれています。頻繁にカラーリングを行った場合には、粃糠性脱毛症などの発症リスクが増加するため注意しましょう。
また、普段のヘアケアが頭皮にダメージを与えている可能性もあります。特に合成界面活性剤を配合したシャンプーを利用中の方は要注意です。
合成界面活性剤の洗浄力は強すぎるため、頭皮のバリアとして働く皮脂まで洗い流す恐れがあります。髪の毛を洗ったのにかゆみが残る場合は、薬用シャンプーや育毛用シャンプーに切り替えることがおすすめです。
まとめ:髪の健康を保つためにビタミンを摂取しよう
髪の健康を維持するためには、適切なビタミンと栄養素を摂取することが不可欠です。バランスの取れた食事とサプリメントの活用で、健康で美しい髪を手に入れましょう。 普段の食事だけが薄毛や抜け毛の原因となる可能性はほとんどありません。薄毛や抜け毛の原因を突き止めるには、クリニックで専門的な検査を受けることが第一です。
ベアAGAクリニックでは血液検査をはじめとする各種検査で抜け毛や薄毛の原因を突き止め、一人ひとりに合った治療法を提案しています。
カウンセリングは無料で受けることができるため、普段の食習慣による抜け毛が心配な方や、薄毛治療をはじめたいとお考えの方はカウンセラーまでお気軽にご相談ください。