「正常な抜け毛」とは、髪の自然な成長サイクルの一環として発生する抜け毛のことです。毎日50〜100本の抜け毛は正常とされており、ヘアサイクルの一部として自然に起こる現象です。
しかし、抜け毛の量が急に増えたり、毛根が小さい抜け毛が増えたりする場合は、異常な抜け毛の可能性があります。
当記事では、抜け毛の正常範囲や異常の見分け方、毛根の状態について詳しく解説します。
さらに、毛根や毛根鞘の健康を保つための対策や、抜け毛の画像や写真を交えて、具体的なケア方法を紹介します。健康な髪を保つための情報を提供し、抜け毛に悩む方々をサポートするので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
正常な抜け毛とは?
正常な抜け毛の定義と特徴
正常な抜け毛とは、ヘアサイクルの一環として自然に抜ける髪のことを指します。1日に50〜100本程度の抜け毛は正常とされています。
髪が成長期、退行期、休止期のサイクルを繰り返す中で自然に起こる現象なので、抜け毛が増えたと感じる場合でも、ヘアサイクルが正常に機能している限り、自然なことで心配する必要はありません。
ヘアサイクルと抜け毛の関係
髪の毛は成長期(2〜7年)、退行期(2〜3週間)、休止期(3〜4ヶ月)というサイクルを繰り返します。
成長期には毛根が活発に働き、髪の毛が成長します。退行期には毛根の活動が徐々に減少し、休止期には完全に停止します。
休止期の後、古い髪の毛が抜け、新しい髪の毛が生え始めます。サイクルが正常に行われることで、健康な髪の毛が維持されます。
抜け毛の正常範囲と異常の見分け方
抜け毛の正常範囲
1日に抜ける髪の本数が50〜100本であれば、正常な範囲内です。
季節によって200本以上抜けることもありますが、毎日のように100本以上抜ける場合は薄毛リスクが高いと言えるでしょう。
個人差はありますが、髪の毛の総本数は8〜12万本(平均約10万本ほど)です。このうち成長期の割合は全体の85〜90%、約90,000本が成長過程にあると言えます。
細胞分裂が弱まる退行期の割合は1%程度、髪の成長が完全にストップする休止期は10〜15%ほどです。
異常な抜け毛の見分け方
異常な抜け毛は、短期間で大量に髪が抜ける場合や、毛根が明らかに弱くなっている場合に見られます。
また、毛根が小さい抜け毛が増えた場合や、髪の密度が急激に減少した場合は、早期に適切な対策を講じることができるよう専門医に相談することをおすすめします。
毛根の状態と抜け毛の関係
毛根の状態が抜け毛に与える影響
毛根の健康状態は、髪の成長と抜け毛に直接影響を与えます。健康な毛根は太く、しっかりと頭皮に根付いているため、髪の成長が順調に進みます。
一方、毛根が小さい場合や、毛根鞘が薄い場合は、髪が抜けやすくなることがあります。抜け毛は栄養不足やストレス、ホルモンバランスの乱れなどが原因で起こることが多いです。
正常な毛根と異常な毛根の見分け方
正常な毛根は、白くて太い鞘が付いており、抜け毛の根元にしっかりとした膨らみがあります。異常な毛根は、鞘が薄く、小さいことが特徴です。
異常が起きている毛根は、髪が成長しにくく、早期に抜けてしまうことがあります。毛根の状態を確認することで、髪の健康状態を把握し、適切な対策を講じることができます。
正常な抜け毛と異常な抜け毛の画像・写真
正常な抜け毛の画像を確認することで、自分の抜け毛が正常かどうかを判断することができます。
正常な抜け毛は、毛根が白く、鞘がしっかりとついていることが特徴です。以下の画像は正常な抜け毛の一例です。
上記は健康状態が良好な成人の抜け毛です。根本に向かって太くなり、毛根にふくらみがあるのがわかります。
先端が丸みを帯びていて、うっすらと白っぽい膜のようなものが付着しています。この膜は毛根鞘と呼ばれ、髪と頭皮をつなぎとめている組織です。
成長期に十分伸びた髪は、退行期に入ると自然に脱毛します。そして毛母細胞が一定の休止期間を経て、再び髪の成長がはじまります。
上記画像のように毛根がふっくらしていれば、髪の生まれ変わりが正常に行われている証拠です。反対に、毛根の形に異常がある場合、何らかの原因で髪が十分に成長できていないと考えられます。
一方、異常な抜け毛は、毛根が小さく、鞘が薄いことが特徴です。以下の写真は異常な抜け毛の一例です。下記のような抜け毛が増えた場合は、専門医に相談することをおすすめします。
抜け毛の状態が以下に当てはまる方は、ヘアサイクルに乱れが生じており、薄毛リスクが高い可能性があります。
- 毛根が小さい
- 毛根が尖っている
- 毛根鞘がない
- 抜け毛の本数が急増した
- 抜け毛が細いor短い
これらの状態が要注意と言われる理由も解説していきます。
①毛根が小さい
正常なヘアサイクルでは、髪の成長期が3〜6年続きます。
毛根が小さいのは、通常よりも髪の成長期が短くなったことが原因と考えられます。ではなぜ成長期が短縮されるかと言うと、その原因は栄養不足や血行不良、AGA・FAGAなどさまざまです。
②毛根が尖っている
食事量を大幅に減らしたり過度なストレスが続いたりすると、毛根が鋭く尖った形になることがあります。
このような形は、髪の成長が急に止まったことが原因と考えられます。また、自己免疫疾患のある方や円形脱毛症の患者様にも認められる形です。
③毛根鞘がない
毛根鞘には、髪と頭皮をつなぎとめる接着剤のような働きがあります。
成長期を終え、然るべきタイミングで抜け落ちた髪には毛根鞘が付着しています。一見すると皮脂汚れのようにも見えますが、抜け毛には毛根鞘が付着しているのが正常な状態です。
一方で毛根鞘がないのは、髪が十分に成長できないまま抜け落ちた可能性が考えられます。
④抜け毛の本数が急増した
薄毛が進行する前兆で、もっともわかりやすいのが抜け毛の増加です。
ヘアサイクルが正常であれば、髪は3〜6年かけて成長します。しかし何らかの理由で成長期が短縮すると髪の生まれ変わりが早くなり、その分抜け毛も増加してしまうのです。
関連記事:ドライヤーで髪の毛が抜ける…本数が多いとやばい?薄毛の基準や抜け毛への対策を紹介
関連記事:なぜ季節の変わり目は抜け毛が増えるの?季節ごとの抜け毛の理由と対策を解説
⑤抜け毛が細いor短い
ヘアサイクルの乱れは髪の太さや長さにも現れます。
以前と比べて髪が細くなった。1本1本の抜け毛が短いなどと感じる場合、髪が十分に成長できなかった可能性が考えられるでしょう。
毛根が小さい抜け毛の対策
毛根が小さい原因と対策
毛根が小さい原因には、栄養不足、ストレス、ホルモンバランスの乱れなどが考えられます。まずは、バランスの取れた食事を心がけ、必要な栄養素を摂取することが重要です。
また、ストレスを軽減するために、リラクゼーションや適度な運動を取り入れることも効果的です。さらに、ホルモンバランスを整えるために、規則正しい生活習慣を維持することが大切です。
栄養補給と生活習慣の改善
毛根の健康を保つためには、ビタミンB群、亜鉛、鉄分などの栄養素を含む食品を積極的に摂取することが推奨されます。
栄養素の摂取は、毛根の成長をサポートし、髪の健康を維持するのに役立ちます。また、十分な睡眠を確保し、規則正しい生活を送ることで、ホルモンバランスを整え、ストレスを軽減することができます。
毛根鞘が小さい場合の対策
毛根鞘の役割と重要性
毛根鞘は、髪の根元を保護し、成長をサポートする重要な役割を果たします。
毛根鞘が小さいと、髪が弱くなり、抜け毛が増える原因となります。毛根鞘の健康を保つためには、栄養素の摂取と適切なケアが必要です。
毛根鞘を健康に保つ方法
毛根鞘を健康に保つためには、ビタミンEやプロテインを豊富に含む食品を摂取することが効果的です。また、頭皮マッサージを行うことで、血行を促進し、毛根鞘の健康を維持することができます。
さらに、ストレスを軽減し、規則正しい生活を送ることも、毛根鞘の健康を保つために重要です。
毛根の状態をチェックする方法
毛根の健康チェック
毛根の状態をチェックすることで、髪の健康状態を把握することができます。
抜け毛を確認する際には、毛根の色や大きさ、鞘の状態を観察します。健康な毛根は白く、太い鞘がついているのが特徴です。
専門医による診断
専門医による診断を受けることで、より詳細な毛根の状態を確認することができます。頭皮の状態やヘアサイクルの状況を調べることで、適切な治療法を提案してもらうことが可能です。
定期的な診断を受けることで、早期に問題を発見し、対策を講じることができます。
ベアAGAクリニックでは飲み薬や塗り薬、注入治療など症状に合わせた治療を行っています。治療途中でのコースの変更や、キャンセルによる返金も受け付けておりますのでお気軽にお問い合わせください。
抜け毛全般に関するよくあるご質問
抜け毛に関するご質問で特に多い内容とその回答をまとめました。
Q. 1日に300本ほど髪が抜けます。何かの病気ですか?
大量の抜け毛が長期間続く場合、何かの病気が隠れている可能性があります。
以下は髪が抜ける病気の一例です。
- AGA・FAGA
- 円形脱毛症
- びまん性脱毛症
- 脂漏性脱毛症など
この他、自己免疫疾患や梅毒などで髪が抜ける場合もあります。抜け毛以外にも体調の変化がある方は早めに医療機関を受診した方がいいでしょう。
Q. コロナ感染後に急に髪が抜け始めました。有効な対策はありますか?
現時点で有効な対策は明らかにされていません。
コロナ感染後やワクチン接種後の脱毛症状(コロナ抜け毛)は数多く報告されています。しかし原因ははっきりと解明されておらず、全ての人に有効性を示す治療は見つかっていないのが現状です。
なお、従来の薄毛治療がコロナ抜け毛に有効な場合があるため、詳しくは薄毛治療が受けられる医療機関に相談してみましょう。
関連記事:【医師監修】コロナ後遺症ではげる人が急増中?脱毛が生じる理由と対策を解説
Q. 毛根鞘が大きいのは異常ですか?
毛根の付着物が大きい場合、毛根鞘ではなく皮脂の可能性があります。
毛根鞘は毛根に張られた薄い膜のようなもので、じっくり観察すると毛根がうっすらと透けて見えるのがわかります。
これに対して毛根に付着する皮脂は、黄色みがかった白色です。形もいびつで、膜というよりは粘着性のある塊のような外見をしています。
毛根の皮脂汚れは頭皮のベタつきやニオイ、フケなどのトラブルの誘因となるので早めに対処することをおすすめします。
Q. 女性の抜け毛は年齢によって原因が異なりますか?
ホルモンバランスや過度なダイエットなど、基本的な原因は同じです。
ただし、ホルモンバランスが変化する理由は年齢によって異なります。(20〜30代は出産や妊娠、40〜50代は更年期など)
関連記事:30代女性のための抜け毛対策10選|薄毛は治る?原因とともに解説
関連記事:40代女性の薄毛を改善する方法11選|更年期の抜け毛がひどい理由は?
Q. 毛根の死滅はどう判断しますか?
毛根の死滅(=毛母細胞が機能していない状態)は目で見てわかるものではありません。
そもそも毛母細胞の機能は、火傷や手術のような皮膚への強い刺激が加わらない限りそう簡単に停止しません。単に髪が抜けるだけでは毛根が死滅したとは言えないのです。
毛母細胞が寿命を迎えることを毛根の死滅と表現できますが、この場合も目で見てわかる特徴はありません。
Q. 洗髪中に200本以上髪が抜けます。シャンプーを変えた方がいいですか?
シャンプーを変えて様子を見るのは問題ありません。
ただし、シャンプーを変えても抜け毛の本数に変化がなければその他の対策を考えた方がいいでしょう。
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まとめ:異常な抜け毛が続く場合は専門のクリニックへ
正常な抜け毛は、ヘアサイクルの一環として自然に抜ける髪のことであり、1日に50〜100本程度が正常範囲とされています。抜け毛が増えたと感じた場合でも、毛根の状態を確認し、正常かどうかを判断することが重要です。
異常な抜け毛は、毛根が小さく、鞘が薄いことが特徴です。少しでも気になる方は薄毛治療の専門医が在籍するベアAGAクリニックに相談することをおすすめします。