トコフェロール酢酸エステルとは?気になる効能効果や副作用について解説!

トコフェロール酢酸エステルは、抗酸化作用や抗炎症作用が期待できる成分です。

しかし成分には効果効能だけではなく副作用も存在するので、本当に使っていいものなのかどうか迷ってしまっている人もいるかもしれません。

そこでこの記事では、トコフェロール酢酸エステルの効果効能や副作用、配合されている育毛剤について詳しく解説します。トコフェロール酢酸エステルがどのような成分なのかを知りたいと考えている方は、チェックしてみてください。

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トコフェロール酢酸エステルとは?

おもな育毛効果炎症・フケ・かゆみの予防
化粧品表示名酢酸トコフェロール
医薬部外品表示名酢酸DL-α-トコフェロール
特徴
  • 皮膚を末梢血管拡張作用で血行促進することにより、肌荒れ、ニキビ、シミ、ソバカスなどを防止
  • スキンケアやファンデーションなどの化粧品に広く使用され、抗酸化作用やホルモンバランス是正作用に使用されている
  • 人体への安全性も確認されていて、目薬などにも使用されている

トコフェロール酢酸エステルはビタミンEの誘導体に分類される成分です。

皮膚を末梢血管拡張作用で血行促進することで、肌荒れやニキビ、シミ、ソバカスなどを防止したり、抗酸化作用やホルモンバランス是正作用を促したりすることです。また、人体への安全性を認められているため、目薬や歯茎の健康を保つ役割としても使われています。

トコフェロール酢酸エステルは、末梢の血行を促進することで、循環障害を改善して抗酸化作用により過酸化脂質の増加を防ぐ効果が期待できることも特徴的です。また、ビタミンE欠乏症の予防や治療、動脈硬化症や静脈血栓症、血栓性静脈炎などの末梢循環障害の治療にも用いられています。

育毛剤に用いられる際には、頭皮を清潔に保ち、育毛環境を整えることも期待できます。血中の過酸化脂質の生成を抑える効果があり、血液がドロドロになることを防いで健康的な血液を送ることが可能です。

また、血行促進効果があり、髪に栄養を送っている毛乳頭に十分な栄養を届けられるといわれています。

参照元:KEGG

育毛剤にトコフェロール酢酸エステルが配合される3つの目的

トコフェロール酢酸エステルはさまざまな育毛剤に含まれている成分です。しかし「どのような目的で配合されているかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。

そこで以下では、トコフェロール酢酸エステルが配合される目的をまとめていきます。同成分について理解を深めたい方は、参考にしてみてください。

抗酸化作用で頭皮の細胞の老化を防ぐ

トコフェロール酢酸エステルは、抗酸化作用で頭皮の細胞の老化を防ぐ作用が期待できるといわれています。

抗酸化作用とは、体が酸化しないように抑制する作用のことです。人間の体にはもともと抗酸化作用が備わっていて、体内で抗酸化作用を持つ酵素が作られ、活性酸素の抑制をしています。

なお、抗酸化作用を持つ酵素は普通に生活しているだけでも、呼吸によって体内に取り込んだ酸素の約2%が活性酸素になるといわれています。さらにストレスや喫煙、暴飲暴食などの生活習慣や生活環境によっても活性酸素が増えることがわかっているのです。

しかし抗酸化酵素を作り出す力は、20代を境に低下するといわれていて、抗酸化作用は加齢と共に減少します。そのため、育毛剤にトコフェロール酢酸エステルを配合することで、抗酸化酵素の生成を高められるのです。

抗炎症作用で頭皮の炎症を防ぎ、フケ・かゆみを予防

トコフェロール酢酸エステルは、抗炎症作用で頭皮の炎症を防いで、フケやかゆみを予防する作用が期待できるといわれています。

体内では慢性的な炎症が常に発生していて、生活習慣病や老化などの原因になるといわれています。頭皮の場合は炎症が起きた状態で放置すると脱毛症になる可能性があるため、注意しましょう。

頭皮は角質で覆われている表皮で構成されていて、フケやアカとなって表皮からはがれ落ちます。しかし、炎症が起きると角質が入れ替わり、角質が多くなることでフケが発生します。フケはかゆみや湿疹の原因にもなるため、爪でかいてしまい頭皮を傷つけることにつながります。

しかし育毛剤にトコフェロール酢酸エステルを配合することで、抗炎症作用を高められるのです

頭皮を清潔に保ち、育毛環境を整える

トコフェロール酢酸エステルは、頭皮の清潔を保ち、育毛環境を整える作用があるといわれています。

育毛環境が悪化する原因は、主にフケやかゆみです。フケは皮脂やマラセチア菌のバランスが悪くなり、多すぎたり少なすぎたりすることで頭皮のターンオーバーが崩れ、角質が大量に剥がれ落ちることで発生します。また、フケのタイプは、ベトベトする脂性フケとカサカサする乾性フケの2種類に分類されます。

フケが多いとかゆみにもつながります。かゆみの原因として、洗髪不足や洗髪のしすぎ、洗髪方法が悪いなどさまざまな原因があります。

そのため、育毛剤にトコフェロール酢酸エステルを配合することで、育毛環境を整えて頭皮を清潔に保てるのです。

トコフェロール酢酸エステルの3つの効果効能

育毛剤の購入を検討している方の中には「トコフェロール酢酸エステルにどのような効果効能があるのか知りたい」と考えている方もいらっしゃるでしょう。

そこで以下では、トコフェロール酢酸エステルの効果効能についてまとめていきます。育毛剤の購入を検討している方は本項を参考にしてみてください。

脂質の抗酸化作用で肌荒れの原因になる過酸化脂質の発生を防ぐ

トコフェロール酢酸エステルは、脂質の抗酸化作用で肌荒れの原因となる過酸化脂質の発生を防ぐ効果があるといわれています。

過酸化脂質とは、体の中の細胞を覆っている不飽和脂肪酸という脂質の膜が活性酸素と結びついて酸化されたものです。過酸化脂質が増えると細胞膜の機能がなくなり、細胞内にさまざまな障害を引き起こしたり、動脈硬化などの病気の原因になったりするなど、体に悪い影響を与えます。

過酸化脂質を抑えてくれるのが、合成ビタミンEであるトコフェロール酢酸エステルです。ビタミンEが過酸化脂質と脂質の間に入り込み、脂質の代わりに酸化されることで、過酸化脂質の増加を防ぐ役割を担います。一度酸化されたビタミンEは効力がなくなるものの、ビタミンCがあるとビタミンEが再構成されて、抗酸化力が復活するといわれています。

皮膚の角化を促進する働きを持ち、肌荒れ防止効果がある

トコフェロール酢酸エステルは、皮膚の角化を促進する働きを持ち、肌荒れ防止効果があるといわれています。

「皮膚の角化」とは、表皮の角化細胞が角質細胞へ至るまでの過程のことをいいます。基底層で角化細胞が作られ表面に上がって角化し、はがれ落ちるまでの過程に約4~6週間かかります。

肌荒れを防ぎ健康的に肌を保つには、皮膚の角化が重要です。角質が剥がれ落ちないとどれだけケアをしても、保湿力は高くなりません。また、肌触りや肌色、ザラツキ、乾燥、くすみ、黒ずみなどの症状が出てくることがあります。

トコフェロール酢酸エステルを使うことで、表面に留まった角質を取り去って、角化を促進することにつなげられるでしょう。

油分に強い還元力を発揮するため、油を使った食品に安全な抗酸化剤として配合

トコフェロール酢酸エステルは、油分に強い還元力を発揮するため、油を使った食品に抗酸化剤として配合されています。

トコフェロール酢酸エステルは、合成ビタミンEです。ビタミンEには、食品の酸化を防ぐ働きがあります。酸化は空気中の酸素によって発生して、食品の風味の劣化や変色、栄養価の低下などさまざまなことが起こります。また、油分を含む加工食品の酸化を抑え、酸化による異臭の発生や変色等の品質劣化を防ぎ、製品の品質を保つことが可能です。

ビタミンEは、小麦胚芽・大豆・綿実・菜種・トウモロコシ・ごま等の種子に多く含まれているものが原料となっているため、安心できる素材として知られています。

トコフェロール酢酸エステルは、酸化を防止したり、香りや色素などの劣化防止にも効果があったりすることを覚えておきましょう。

トコフェロール酢酸エステルの3つ副作用

トコフェロール酢酸エステルの3つの副作用

育毛剤の購入を検討している方の中には「トコフェロール酢酸エステルに副作用がないか心配」と考えている方もいらっしゃるでしょう。

そこで以下では、トコフェロール酢酸エステルの副作用についてまとめていきます。育毛剤の購入を検討している方は本項をチェックしてみてください。

便秘

トコフェロール酢酸エステルは、便秘の副作用が出る可能性があります。1日1回排便をしても量が少ない、便がすっきり出た感じがない、便が固くて排便できない症状などが挙げられます。

排便の量や固さなどを見て、排便の調子をチェックすることがおすすめです。ただし、便の状態や量は個人差があるため、神経質になり過ぎないようにしましょう。

下痢

トコフェロール酢酸エステルは、下痢の副作用が出る可能性があります。

下痢の症状は一般に1~2週間以内に起こる可能性があります。ただし、ご自身の体調によって、服用後1~2ヶ月経過してから下痢が起こる場合もあるため、注意しましょう。

下痢の症状が改善しない場合は、重度の下痢になることもあるため、放置せずにかかりつけの医者に相談することをおすすめします。

発疹

トコフェロール酢酸エステルは、発疹の副作用が出る可能性があります。

発疹とは、ウイルス感染やかぶれ、じんましんのように突然皮膚にあらわれる変化のことです。形状や色、大きさ、質感などのさまざまな症状が見られます。かゆみをともなうことも多く、長期化する可能性があります。

発疹は患部をかかなければ、短期間で自然とよくなることが多いです。ただしの発疹が長引いている、症状が悪化している、発疹の範囲が広いなどの場合は皮膚科の受診をおすすめします。

トコフェロール酢酸エステルが配合されている育毛剤一覧

トコフェロール酢酸エステルが配合されている育毛剤一覧
ニューモチャップアップスカルプDイクオスEXプラス
マイナチュレベルタヘアローションミューノアージュトリコチロアール
薬用レディース加美乃素HQ無印良品スカルプケアローション強力加美乃素A 無香料リアップX5
イクモアナノグロウリッチHAIRMOKURONEhairju
HAIRICHEミホレふわ姫薬用 発毛促進剤モウダス

上記の表では、トコフェロール酢酸エステルが配合されている育毛剤をまとめました。

全体的な印象は、男性用育毛剤女性育毛剤のどちらにも同成分が配合されていることがわかります。同成分を配合することで、抗酸化作用で頭皮の細胞の老化を防いだり、抗炎症作用で頭皮の炎症を防いでフケやかゆみを予防したりすることは、男性と女性ともに共通事項であることがわかるでしょう。

価格は、1,000円台~13,000円台までさまざまな設定がされています。多くの育毛剤に配合されており、価格設定もさまざまであることから、同成分は育毛剤に欠かせないものであることがわかりますね。

まとめ

今回の記事では、トコフェロール酢酸エステルについて詳しく解説しました。

トコフェロール酢酸エステルは、抗酸化作用によって頭皮の細胞の老化を防いだり、抗炎症作用によって頭皮の炎症を防ぎフケ・かゆみを予防したりする効果が期待できることがわかりました。さらに、頭皮を清潔に保ち、育毛環境を整えることにも役立ちます。

肌荒れの原因になる過酸化脂質の発生を防いだり、油を使った食品に安全な抗酸化剤として配合されていたりとさまざまな用途で使用可能です。

また、男性用や女性用を問わず、さまざまな育毛剤に配合されています。トコフェロール酢酸エステルは抗酸化作用や抗炎症作用があるため、育毛剤には欠かせない存在になっていることがわかりますね。

興味がある方は、一度トコフェロール酢酸エステルが配合されている育毛剤やその他のものを試してみることもおすすめします。