プロペシアとフィンペシアの違いについて|効果と副作用を解説

プロペシアはAGA治療薬として多くの方が利用しているものであり、「フィナステリド」という成分が5α還元酵素を抑制し、AGAを予防、進行を抑制する効果が期待できます。

「フィナステリド」を含むものには「フィンペシア」という薬もあり、薬を個人輸入しようと検索すると必ずと言っていいほど目に入るものです。

プロペシアよりもフィンペシアの方が安いことが多く、効果・成分が同じならばフィンペシアでAGA治療をしたいと思う方がほとんどでしょう。

そこで今回はプロペシアとフィンペシアの違いなどについてご紹介していきます。これからAGA治療を受けようと考えている方はもちろんのこと、AGAクリニックや個人輸入を利用して治療を受けている方にもご覧いただきたい記事となっています。

著者情報 吉川貴紀AGAマガジン編集部
吉川 貴紀
AGAに悩み様々な薄毛対策グッズを利用しました経験があります。その際に感じた商品の効果や経験者ならでは調査力を活かして、薄毛に悩んでいる読者にわかりやすく役立つコンテンツをお届けします。様々な最新情報もお届けできればと思います。

プロペシアとフィンペシアの違いについて

結論として、プロペシアもフィンペシアも、有効成分である「フィナステリド」を含む医薬品のため、効果や副作用の違いはあまりないと考えられます。

とはいえ、それぞれの特徴をしっかりと抑えた上で利用することが大切なので、解説していきます。

「プロペシア」の効果と副作用

「プロペシア」の効果と副作用
  • AGAの原因となる「5α還元酵素」を抑制し、ヘアサイクルを改善
  • 主にAGA治療の予防・進行を防ぐために用いられる
  • 1〜5%の確率で男性機能低下の副作用

プロペシアは「5α還元酵素」という物質を抑制します。「5α還元酵素」はテストステロンという男性ホルモンと結合し、「ジヒドロテストステロン」に変化します。ジヒドロテストステロンは髪の毛の元となる毛母細胞に栄養を送る「毛乳頭細胞」の男性ホルモン受容体に取り込まれ、毛母細胞の働きを低下させてしまいます。

そこでプロペシアを用いて5α還元酵素を抑えることでジヒドロテストステロンの発生を防ぎ、薄毛の原因を改善できます。また、5α還元酵素にはⅠ型とⅡ型があり、プロペシアはⅡ型に作用するので、Ⅰ型が原因でAGAを発症している方は「デュタステリド」が含まれる「ザガーロ」などを用いて治療を行います。

そんなAGAの治療において大きな効果が期待できるプロペシアですが、副作用が発生することもあります。1〜5%程度の確率でリビドー減退、1%未満の確率で勃起不全や射精障害などの男性機能の低下などの可能性があります。

また、肝臓で代謝される薬なので、肝臓の数値が悪い方、肝臓に関する持病をお持ちの方は主治医に相談してから利用しましょう。

プロペシアは血清PSA濃度の数値を下げる効果もあります。前立腺癌検査を受ける際はあらかじめ医師に伝えておきましょう。

「フィンペシア」の効果と副作用

「フィンペシア」の効果と副作用
  • 基本的にはプロペシアと同等の効果が期待できる
  • 「5α還元酵素」を抑制し、ヘアサイクルの改善が期待できる
  • 1〜5%の確率で男性機能低下の副作用

フィンペシアもフィナステリドを含む薬品なので、基本的に効果・副作用はプロペシアとほとんど同じものだと考えられます。

シプラ社というインドの製薬会社が製造している薬で、シプラ社は規模としてはインド内でも3〜4番目に大きな会社です。

「フィンペシアは日本では承認されていない医薬品」という点が大きな違い

プロペシアとフィンペシアは成分や効果の違いは基本的にありません。

しかし、最も大きな違いとして「プロペシアは国内で承認されているが、フィンペシアは国内未承認」である点が挙げられます。

国内未承認ということは「医薬品副作用被害救済制度」が利用できません。「医薬品副作用被害救済制度」とは対象とさせる薬を服用し、副作用が発生した場合に治療費などの補償が受けられる制度です。プロペシアを用いた際に副作用が発生した場合は利用できますが、フィンペシアを服用して副作用が発生した場合は利用できません。

先ほどプロペシアの副作用の症状や確率についてご紹介しましたが、フィンペシアについては基本的に成分がプロペシアと同じ成分と推測されるとはいえ、副作用が発生しない保証はありません。もしフィンペシアを用いて重篤な副作用が発生し、高額な治療費がかかっても補償も受けられません。

よって、「国内で承認されているか否か」という点だけを挙げても、プロペシアを利用する方が安全と言えます。

フィンペシアは個人輸入が主な入手手段となるため非推奨

プロペシアは多くのAGAクリニックや皮膚科が、医師の管理のもと国内、または海外から仕入れられるもので、偽造品かそうでないか、安全性は確保されているか、と様々なチェックを行ってから処方されます。

しかし、フィンペシアは国内で承認されていませんし、個人輸入で購入するのが主な入手手段です。

個人輸入は偽造品を送り付けられる可能性もありますし、通関時もしっかりとした検査が行われることは少なく、基本的に担当者が必要書類に目を通して「厚生労働省確認済」という印鑑を押すだけです。正規品である保証はどこにもありませんし、安全性が保証されるものでもありません。

過去には日本国内でも、ダイエット薬品を個人輸入して利用し、死亡したケースがあります。確かに個人輸入で薬を購入するとクリニックより少し安く利用できますが、安全性と料金を天秤にかけてみると、決して賢明な判断であるとは言えません。

 「ホスピタルダイエット」と称されるやせ薬をタイから購入し、服用していた女性が平成20年に死亡したことが判明いたしました(※)。報告内容については以下の通りです。

40代半ばの女性が「ホスピタルダイエット」と称されるやせ薬をタイから輸入し、服用後8日目に呼吸困難、意識混濁で救急搬送され、死亡したことについて、偽性バーター症候群による不整脈又は呼吸器麻痺が原因であると推察されている。
偽性バーター症候群については、患者が以前から服用していたフロセミドが発症原因であるが、やせ薬が悪化の要因であったものと推察されている。
女性が輸入し、使用していたやせ薬は7種類の錠剤であり、食欲抑制作用や利尿作用等のある複数の医薬品成分が検出されている。

引用:厚生労働省「タイから輸入された「ホスピタルダイエット」と称される無承認無許可医薬品による健康被害(疑い)事例について」より

また、プロペシアには偽造品が多いとされているので、プロペシアを購入する際も個人輸入はおすすめできません。

AGA治療では正規医薬品「プロペシア」の利用がおすすめ

AGA治療では正規医薬品「プロペシア」の利用がおすすめです。

国内正規品ならば医師が責任を持って仕入れていますし、もし副作用が発生してもAGAクリニックを利用している場合は医師が対応してくれますし、「医薬品副作用被害救済制度」も利用できます。

また、プロペシアとフィンペシアのどちらを利用するか悩んでいる方の多くは、フィンペシアが安く、予算を抑えたいと考えていることでしょう。

個人輸入サイトでフィンペシアを検索すると1ヶ月分が1,500円程度で手に入りますが、プロペシアをクリニックで購入する場合は月8,000円程度かかります。

本記事を読んで、フィンペシアをおすすめできない理由が分かっても「それでも安いから、どうしよう…」と悩んでいる方は多いと思います。

そんな方にはプロペシアのジェネリック医薬品の利用をおすすめします。安いAGAクリニックならば毎月3,000円〜4,000円程度で、プロペシアと同じ成分のジェネリック医薬品を処方してくれます。

ジェネリック医薬品は元となる薬である「先発医薬品」と同じ成分で、信頼性も高いです。フィンペシアなどの国内で承認されていない薬を個人輸入するよりも断然、安全に利用できます。

まとめ

今回はプロペシアとフィンペシアの違いについてご紹介しつつ、どちらがおすすめかや、フィンペシアがおすすめできない理由などについてご紹介してきました。

安く、安全に利用したい方はプロペシアのジェネリック医薬品の利用も検討しつつ、予算を目的に応じて治療方法を選択しましょう。

現在AGA治療を受けていない方は、一度無料カウンセリングを行っているAGAクリニックで相談してみるのも選択肢の1つです。