パントテニルエチルエーテルとは?効果効能・副作用を解説

育毛剤を利用するにあたって、育毛に高い効果があるとされている成分が多く配合されているものを選ぶのは大切です。

今回は、多くの育毛剤に配合されている成分の中でも特に高い育毛効果が期待できるとされている「パントテニルエチルエーテル」についてご紹介していきます。

AGA治療を現在受けているものの、より高い効果を目指したいという方はもちろん、血液検査などで「AGA治療は副作用の恐れがあるからおすすめしない」と言われてしまった方にもおすすめしたい記事となっています。

著者情報 吉川貴紀AGAマガジン編集部
吉川 貴紀
AGAに悩み様々な薄毛対策グッズを利用しました経験があります。その際に感じた商品の効果や経験者ならでは調査力を活かして、薄毛に悩んでいる読者にわかりやすく役立つコンテンツをお届けします。様々な最新情報もお届けできればと思います。

パントテニルエチルエーテルとは?

おもな育毛効果毛母細胞の活性化、保湿、皮膚炎予防
化粧品表示名パントテニルエチル
医薬部外品表示名パントテニルエチルエーテル
特徴水溶性で溶けやすく、頭皮をしっとりと保湿

パントテニルエチルエーテルはビタミンB群のひとつです。

水溶性のため水に非常に溶けやすく、育毛剤やヘアトニックなどヘアケアの化粧品によく用いられます。

頭皮を保湿し、良質なコンディションに保つ効果が期待できます。

毛母細胞に活力を与え、毛髪の成長を促進したり、皮膚組織を活性化させたり、皮膚の炎症を抑えたりする効果も期待できます。その他にもフケやかゆみを軽減する効果やアンチエイジング効果など、頭皮の環境を整える総合的な効果が期待されています。

育毛以外に期待できる効果としては神経障害の回復や肝機能・副腎機能の改善、解毒などの薬理作用もあります。また、ビタミンB群ということもあり、水溶性で溶けやすく、頭皮に浸透しやすいです。

育毛剤は、どれだけ発毛や育毛効果が期待できる成分を配合していても吸収されなくては意味がありませんが、皮膚から吸収されやすいという特徴から、パントテニルエチルエーテルが配合されている育毛剤はより高い効果が期待できると言えます。

育毛剤にパントテニルエチルエーテルが配合される目的

育毛剤にパントテニルエチルエーテルが配合される目的

育毛剤にパントテニルエチルエーテルが配合される目的は大きく分けて3つあります。

それぞれ詳しくご紹介していきますので、一緒に確認してきましょう。

頭皮の保湿

頭皮を保湿できるという点は特に重要な要素です。

頭皮が乾いていると、フケや肌荒れなどが起こりやすく、頭皮の環境が悪くなってしまうので、育毛や発毛に少なからず悪影響を与えてしまいます。

しかしパントテニルエチルエーテルは保湿力が高く、頭皮を柔らかくすることができるので、より育毛剤が浸透しやすくなります。その結果、頭皮にとっても毛母細胞にとっても良い環境を整える効果が期待できるので、多くの育毛剤に配合されています。

毛母細胞を活性化

毛母細胞を活性化する効果が期待できるのも、パントテニルエチルエーテルが育毛剤に配合されている理由の1つです。

髪の毛はいわゆる根元の部分に毛根があり、毛根には毛球という部分があります。その毛球のくぼんだところにあるのが毛乳頭であり、周りにはたくさんの毛母細胞があります。

毛細血管から栄養分や酸素などを吸収し、それをエネルギーに分裂を繰り返し、毛髪は成長していくので、毛母細胞は毛髪の成長に最も大切な組織の1つであると言えます。

毛母細胞が分裂を繰り返すことによって髪の毛はより角質化していき、固い毛髪となって生えていくのです。毛母細胞の働きが弱くなってしまう理由はAGAはもちろんのこと、栄養不足なども挙げられます。

ジヒドロテストステロンの影響によって発毛のサイクルに悪影響が及んでいる可能性もありますが、「そもそも適切に栄養を毛母細胞に運べていない」という可能性もあります。

そこで、パントテニルエチルエーテルが配合されている育毛剤を利用することで頭皮の環境を整え、毛母細胞の細胞分裂を活性化させることによって、より強く太い髪の毛を育てられるようになります。

吸収の促進

水溶性なので皮膚から吸収されやすいというのも、パントテニルエチルエーテルが育毛剤によく配合されている理由の1つです。

先ほども軽くご説明しましたが、パントテニルエチルエーテルはビタミンB群なので水溶性であり、水に溶けやすいです。

つまり皮膚から吸収されやすいので、パントテニルエチルエーテルを配合することによってより育毛剤が吸収されやすくなり、高い育毛効果が期待できます。

パントテニルエチルエーテルの効果効能

パントテニルエチルエーテルの効果効能

パントテニルエチルエーテルの効果効能にはさまざまなものがありますが、育毛という観点から見ると大きく分けて2つの効果効能が挙げられます。

ここからはパントテニルエチルエーテルの効果効能について確認していきましょう。

頭皮環境の改善

まずは頭皮環境の改善です。

パントテニルエチルエーテルは皮膚や毛髪への栄養補給を目的として、育毛剤や化粧品などの商品に多く配合されています。

ここまで何度もご説明しているように、パントテニルエチルエーテルは頭皮を保湿することができるのはもちろんなのですが、その他にも炎症を抑える作用やフケ、かゆみの軽減、アンチエイジングなどの効果も期待できるので、総合的にさまざまな面から見て「頭皮環境を整える効果が期待できる」と言えるのです。

発毛促進効果も期待できる

発毛促進効果もパントテニルエチルエーテルに期待できる効果効能の1つです。

パントテニルエチルエーテルは毛母細胞の細胞分裂を促進する効果が期待できますが、毛母細胞は発毛や育毛という観点から見て非常に重要な細胞です。

AGAや栄養不足などが原因によって細胞分裂の回数が減少していることも多くあります。

そこでパントテニルエチルエーテルを用いて毛母細胞の細胞分裂を促進することで、発毛促進効果を期待されています。

パントテニルエチルエーテルの副作用

パントテニルエチルエーテルはあまり副作用がない成分として知られています。

ビタミンB群ですし、基本的には過剰ともいえるほど摂取しない限りは副作用が発生することは考えにくいです。

しかし、ひとつの研究結果として、アレルギー性皮膚炎が発症したケースがあります。

下記の通りで、2人とも2年間パントテニルエチルエーテルが配合された育毛剤を使用した結果、頭部に皮膚炎や皮疹が発生したという例です。

パッチテストの結果では両者ともパントテニルエチルエーテルが陽性とのことで、まれにアレルギー反応が見られるようです。

基本的には気にしなくてよいかもしれませんが、いざパントテニルエチルエーテルが配合されている育毛剤を利用してみて、かゆみや皮疹などが確認された場合は一度病院などに行ってアレルギーかどうか判断してもらった方が良いかもしれません。

しかし基本的に副作用といえばこの程度で、体調が悪くなったり、著しく体に影響を及ぼす副作用は今のところ確認されていないので、健康被害などについては心配しなくても良いでしょう。

育毛剤に配合されたヒノキチオールとパントテニルエチルエーテルによるアレルギー性接触皮膚炎を
2例報告した。症例1は62歳,男性。育毛剤を2年間使用,頭部,前額に皮疹が出現した。症例2は
51歳,男性。症例1と同一の育毛剤を約2年間使用,頭部,耳介,項部に皮疹が出現した。両例とも
パッチテストで育毛剤が陽性。この育毛剤の成分のパッチテストでは両例ともヒノキチオールとパント
テニルエチルエーテルが陽性であった。

育毛剤中のヒノキチオールとパントテニルエチルエーテルによる接触皮膚炎の2例」細野久美子 脇田 素子より

パントテニルエチルエーテルが配合されている育毛剤一覧

パントテニルエチルエーテルが配合されている育毛剤一覧
ミューノアージュ50の恵 髪ふんわりボリューム育毛剤ふわ姫ポリピュアEX
アデノバイタル アドバンストスカルプエッセンス

パントテニルエチルエーテルが配合されている育毛剤には上記のようなものが挙げられます。

特に「ミューノアージュ」「50の恵 髪ふんわりボリューム育毛剤」「ポリピュアEX」「アデノバイタル アドバンストスカルプエッセンス」は本メディアでも取り上げたことのある、おすすめの育毛剤なので詳しく知りたいという方はクリックして記事をご覧ください。

まとめ

今回はパントテニルエチルエーテルという育毛成分について解説していきました。

パントテニルエチルエーテルが育毛剤に配合される理由や効果効能、副作用などについて確認してきましたが、基本的に副作用は健康被害などではなく、アレルギー性の反応が起こることもほぼないことから、使用しやすい成分の1つであると言えるでしょう。

パントテニルエチルエーテルはビタミンB群ということもあり、水溶性で頭皮に浸透しやすく、発毛に重要な役割を担う毛母細胞の細胞分裂を促進できることから、育毛剤選びの際に配合されているかどうかチェックしておきたい成分の1つです。