自毛植毛とは?施術方法からメリット・デメリットまで解説

根本的な薄毛改善として、効果的な施術法の1つ「自毛植毛」。

AGAの薄毛治療として検討している人は、自毛植毛の有効性を事前に把握することで、安心感を持って施術を受けられます。

自毛植毛はAGAによる影響を受けにくい「後頭部」「側頭部」の毛髪を移植し、移植後の毛髪が半永久的に生え変わる術式です。

今回は、自毛植毛の施術方法からメリット・デメリットまで詳しく解説します。

自毛植毛が気になるという方はぜひ最後までチェックしてみてくださいね。

著者情報 内田純平AGAマガジン編集部
内田 純平
30代前半の頃から薄毛に悩み、さまざまなAGAクリニックを調査しました。実際に飲み薬や育毛剤だけに限らずメソセラピーやHARG療法などの治療方法を試し、一時期は植毛まで考えました。が、無事に復活できました。その経験を活かしてAGAに悩むの皆さんのサポートをしていきたいと考えています。

自毛植毛とは?

自毛植毛は後頭部や側頭部の毛髪を皮膚組織ごと採取し、薄毛が気になる箇所に植毛する術式です。

後頭部や側頭部の毛髪はAGA症状の影響を受けにくいため、移植後に元気な毛髪として育毛できます。

また、AGA治療に生じやすい「頭皮のかゆみやかぶれ」「肝機能障害」「吐き気や食欲不振」など、副作用の発症も低リスクです。

皮膚疾患を患っている人でも、安心感を持って施術が受けられます。

そして、「FUE法」「ARTAS植毛」の術式はメスが不使用なため、施術後の傷跡を気にせず治療が受けられますよ。

自毛植毛で髪が生えてくるメカニズム

自毛植毛による発毛メカニズムとして、AGAによる影響を受けにくい「後頭部」「側頭部」の毛髪を移植し、移植後に元気な毛髪が生え続ける理論的な背景を根源としています。

自毛植毛は、毛髪を「毛包」と呼ばれる発毛を促す毛母細胞組織ごと採取する術式です。

また、AGAは「テストステロン」という男性ホルモンが毛乳頭細胞の受容体と結びつき、引き起こされます。

毛乳頭細胞は、前頭部や頭頂部に影響を与えやすい細胞です。

一方で、後頭部や側頭部の毛髪は反抗的なため、影響を受けにくい性質があります。

後頭部や側頭部の毛髪を脱毛部位に移植することで、元気な毛髪が生え続けます。

自毛植毛の3つの術式方法

メリットデメリットおすすめな人
FUE法
  • 施術時にメスは不使用
  • 施術の痛みは軽度
  • 頭皮が硬くても施術可能
  • 広範囲の治療は不向き
  • 高度な専門技術のクリニック受診が必要
  • 毛根の移植に時間が必要
  • 一部分の薄毛を治療したい人
  • 頭皮が硬い人
FUSS法
  • 一度に大量の植毛を採取
  • リーズナブルな価格を実現できる
  • 植毛の定着率が高い
  • 施術後の頭部に傷跡が残る
  • 施術の痛みは軽度
  • 1週間強、強度の傷みが伴う
  • 広範囲の薄毛に悩んでいる人
  • 短時間の施術を受けたい人
ARTAS植毛
  • 正確性の高い自毛植毛を実現
  • 施術時の人為的ミスが軽減する
  • 施術時間の大幅カットで、患者の負担を軽減
  • 高額な費用がかかる
  • ARTAS植毛を取り扱うクリニックが少ない
  • 正確性の高い植毛を受けたい人
  • 短時間の施術を受けたい人

ここでは、自毛植毛の3つの術式方法について解説していきます。

「FUE法」「ARTAS植毛」は施術時にメスが不使用なため、切らない植毛が実現できる術式です。

また、FUSS法は後頭部の毛髪をドナーとして頭皮ごと薄く切除し、薄毛部分に移植する施術法です。

FUSS法による薄毛治療は毛髪の定着率が高く、広範囲の植毛に適しています。

1、FUE法

FUE法はパンチ機器を用いて、移植部分を1つずつ採取する術式です。

直径1mm前後のパンチ機器を使用し、毛根ごとくり抜きます。

また、施術時にメスは不使用なので、「切らない植毛」として幅広く普及しています。

移植部分を1株ずつ専用パンチで採取するため、高度な専門技術が必要です。

そして、皮膚切断による施術「FUSS法」より痛みは軽度なため、手術後の負担が軽減できます。

「一部分の薄毛を治療したい人」「頭皮が硬くて可動性が少ない人」は、FUEの治療がおすすめですよ。

2、FUSS法

FUSS法は後頭部の毛髪をドナーとして頭皮ごと薄く切除し、薄毛部分に移植する術式です。

FUSS法はドナー採取時の毛根切断率が低く、毛髪における定着率が高くなっています。

また、一度の施術で大量の植毛が採取でき、広範囲の植毛に適しています。

そして、FUSS法はFUE法より時短で植毛採取が可能なため、短時間な分リーズナブルな価格を実現できる治療法です。

ただ、施術後の頭部に線状の傷跡が残り、1週間強の期間において仰向けに寝るのが困難な傷みが伴います。

3、ARTAS植毛

ARTAS植毛は自毛採取部を3D画像で分析し、「毛髪の密度」「肉眼では確認できない頭皮下の毛髪が生える向き」「毛髪の角度」を把握しつつ植毛する術式です。

ピンポイントで自毛の採取や植毛が可能なため、人の手のみで再現不可能なオペが実現できます。

また、知識と技術を備えた専門医によって、随時モニターを確認しながら施術の微調整を実施します。

細部まで微調整を実施することで、正確性の高い自毛植毛が可能です。

そして、リアルタイムによるデジタル画像処理をもとに、精密なロボットアームが正確に植毛を採取します。

「施術者による人為的ミスのリスク減」「施術時間の大幅カットによる患者の負担軽減」など、ARTAS植毛のメリットも多く挙げられます。

ARTAS植毛は「高額な費用がかかる」「ARTAS植毛を扱うクリニックが少ない」などデメリットも挙げられますが、手作業の植毛より正確性が高くてスピーディーですよ。

自毛植毛とAGAメソセラピーとの違い

施術方法施術方法の特徴
自毛植毛
  • 毛母細胞が残っていない部位も発毛可能
  • FUE法やARTAS植毛は、施術時にメスは不使用
  • AGAによる影響を受けにくい「後頭部」「側頭部」の毛髪を移植できる
AGAメソセラピー
  • 成長因子を頭皮に注入し、発毛力を高める
  • 毛母細胞が存在しない人は、発毛効果が得られない

自毛植毛とAGAメソセラピーの違いとして、治療範囲や継続治療の有無が挙げられます。

メソセラピー治療は成長因子を頭皮に注入し、発毛力を高める術式です。

毛母細胞が毛包に存在しない人は、メソセラピー治療による発毛効果が得られません。

一方で、自毛植毛はAGAによる影響を受けにくい「後頭部」「側頭部」の毛髪を移植し、毛母細胞が残っていない部位も発毛可能な術式です。

また、毛母細胞の有無は自分自身で判断できないため、自毛植毛のクリニックを検討しましょう。

自毛植毛の5つのメリット

ここでは、自毛植毛の5つのメリットについてご紹介していきます。

自毛植毛は移植後、生着した毛髪が半永久的に生え変わる術式です。

また、パーマやヘアカラー・白髪染めなど、好みのヘアスタイルを自由に楽しめ、移植後に継続的な通院が不要です。

そして、炎症や拒絶反応が起こりにくく、毛髪が抜け落ちた部分も発毛できます。

1、移植後の毛髪が半永久的に生え変わる

自毛植毛の移植後、生着した毛髪が半永久的に生え変わります。

移植後の毛髪は自然な脱毛によって抜け落ちた場合でも、再び新しく生え変わります。

また、薄毛の影響を受けにくい「後頭部」「側頭部」の毛髪を移植するため、治療後の脱毛症も心配ありません。

自毛植毛の施術を受けることで、薄毛を根本的に改善できますよ。

2、炎症など拒絶反応が起こりにくい

自毛植毛は自分自身の髪を移植するため、炎症など拒絶反応が起こりにくい術式です。

施術後の体調不良や後遺症の発症は低リスクなため、施術後も普段通りの生活を実現できます。

また、敏感肌やアトピー性皮膚炎を患っている人は、術後に「手術時の出血」「手術後の頭皮化膿」「炎症の発症」リスクがあります。

頭皮の化膿や炎症は毛髪移植の生着率が低下するため、施術前にカウンセラーや医師に相談しましょう。

3、ヘアカラーや白髪染めなどヘアスタイルを楽しめる

生着後の毛髪は薄毛の再発リスクがないため、元の毛髪と同じように扱えます。

パーマやヘアカラー・白髪染めなど、好みのヘアスタイルを自由に楽しめます。

薄毛改善後にヘアスタイルもこだわりたい人は、自毛植毛がおすすめですよ。

4、毛髪が抜け落ちた部分も発毛可能

自毛植毛は「毛髪が全て抜け落ちた部位」「怪我や火傷の跡」など、毛髪がない箇所に植毛できる術式です。

おでこの生え際に植毛し、「額を狭める」「ヘアラインを整える」などの植毛効果が得られます。

また、人工毛を結びつける「増毛施術」は自分自身の毛髪を人工毛に巻きつけるため、毛髪がない場合は増毛できない術式です。

自毛植毛は毛髪が抜け落ちた人でも、移植することで発毛できますよ。

5、移植後に継続的な通院が不要

FUE法による自毛植毛は、施術後のメンテナンスが基本的に不要な術式です。

自毛植毛の施術費用は高額に感じますが、継続的な治療費用まで考慮することで、総費用を安く抑えられます。

また、一部のクリニックにおいて、金銭的な負担を最小限に抑えられる「メディカルローン」を利用できます。

メディカルローンの活用で金銭的な負担を抑えつつ、基本的に1回の施術で薄毛治療が受けられますよ。

自毛植毛の3つのデメリット

ここでは、自毛植毛の3つのデメリットについてご紹介していきます。

自毛植毛は基本的に1回のみの施術なため、高額な初期費用が必要です。

また、自毛植毛の施術後、効果の実感までに5ヵ月後以上の期間がかかります。

そして、施術前後頭部を刈り上げることで手間や時間が省け、リーズナブルな施術料金が実現できます。

1、治療費が高額

自毛植毛は基本的に1回のみの施術となっていて、高額な初期費用が必要です。

定期的なメンテナンスや継続的な治療は不要なため、「内服薬や外用薬」「カツラ」「ウィッグ」が必要な治療より低価格なケースもあります。

また、一部のクリニックは「メディカルローン」を用意しており、金銭的な負担を最小限に抑えられます。

自毛植毛における施術費用に悩む人も、メディカルローン対象クリニックを選ぶことで、無理のない範囲の自毛植毛が受けられますよ。

2、効果の実感までに5ヵ月後以上かかる

自毛植毛は、効果の実感までに5ヵ月後以上かかる術式です。

自毛植毛は基本的に1年間の治療を継続し、薄毛改善が実感できます。

また、施術後から1週間程度で移植後の毛髪が生着し、約5ヵ月後に発毛を実感できるケースもあります。

1年後には十分な長さに毛髪が生え揃うため、増毛効果を実感できますよ。

3、後頭部の毛髪を刈り上げる場合がある

自毛植毛は、施術前に植毛部分の後頭部における刈り上げが必要です。

刈り込みなしで長い毛髪のまま移植も可能ですが、手間や時間がかかるため、施術料金も高額に変動します。

また、長い毛髪の自毛植毛は、毛髪1本の採取に5倍程度の時間がかかります。

低価格で自毛植毛を受けるためにも、バリカンで後頭部を刈り上げましょう。

まとめ

今回は、自毛植毛とは?施術方法からメリット・デメリットまで解説をご紹介しましたがいかがでしたか?

自毛植毛はAGAによる影響を受けにくい「後頭部」「側頭部」の毛髪を移植し、移植後の毛髪が半永久的に生え変わる術式です。

「FUE法」「ARTAS植毛」の施術を受けることで、切らない植毛が実現できます。

また、自毛植毛による移植後に生着した毛髪が半永久的に生え変わるため、好みのヘアスタイルを自由に楽しめますよ。