HARG療法とは?施術方法からメリット・デメリットまで解説

毛髪の再生力が高まる最新治療として注目を集めている「HARG療法」。

HARG療法による施術を検討していても、施術後の効果やメカニズムについて詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。

HARG療法は6つの術式方法を用いて、人体の中心的役割を担う150種類以上の成長因子やHARGカクテルを頭皮に直接注入する施術法です。

今回は、HARG療法の施術方法からメリット・デメリットまで詳しく解説します。

HARG療法が気になるという方はぜひ最後までチェックしてみてくださいね。

著者情報 内田純平AGAマガジン編集部
内田 純平
30代前半の頃から薄毛に悩み、さまざまなAGAクリニックを調査しました。実際に飲み薬や育毛剤だけに限らずメソセラピーやHARG療法などの治療方法を試し、一時期は植毛まで考えました。が、無事に復活できました。その経験を活かしてAGAに悩むの皆さんのサポートをしていきたいと考えています。

HARG療法とは?

HARG療法は「注射器や針」「電気療法」「レーザー療法」など、6つの術式を用いて育毛効果が得られる治療法です。

HARG療法の施術は、日本医療毛髪再生研究会に所属するクリニックのみ実施できます。

幅広い成長因子を取り入れることで発毛組織に働きかけ、乱れたヘアサイクルを整えます。

また、薄毛や抜け毛を根本的に治療し、施術後に傷跡が残りにくい施術が選択可能です。

HARG療法による継続治療は年1回の頻度なため、通院の手間がかからず薄毛が改善できますよ。

HARG療法で髪が生えてくるメカニズム

HARG療法は人体の中心的役割を担う150種類以上の成長因子を頭皮に直接注入し、育毛効果を高める施術法です。

「AAPE」と呼ばれるヒト由来のタンパク質を頭皮に注入し、毛母細胞を活性化することで、頭皮の再生が促進されます。

また、HARGカクテルは毛髪再生「ビタミンB」や血流改善「システイン」、毛髪再生「ビタミンHやビタミンC」など、幅広い成長因子を混合している薬剤です。

注入後の成長因子やHARGカクテルの投入によって、毛髪の育成に欠かせない毛包が蘇ります。

さらに、毛母細胞を強力に刺激するため、頭皮の再生効果も期待できます。

HARG療法の主な6つの施術方法

施術方法施術方法の特徴
1. パピュール法
  • 注射器からHARGカクテルを注入
  • 表皮と真皮の間に薬剤を注入し、有効成分が浸透
  • 治療に痛みを伴う
  • クリニックによって、麻酔注射や点滴麻酔を用意
2. ナパージュ法
  • 注射針における刺入抵抗を確認し、薬剤を打ち分ける
  • パピュール法より、効果実感までに時間を要する
  • 成分の持続性が高い
  • パピュール法より傷みが少ない
3. ダーマローラー法
  • 約200本の極微細な針がついたローラーを用いる
  • 頭皮の若返りや血行を促進する
  • 表面麻酔を使用し、痛みの心配がない
  • 頭皮の穴は施術時から3時間程度で自然に塞がる
4. ノーニードル法
  • 医療機器を用いて、有効成分を深層部へ浸透させる
  • 施術時に針は不使用なため、痛みの心配がない
  • 現時点において、ノーニードル法の副作用の報告はない
5. フラクショナルレーザー法
  • フラクショナルビームを使用し、毛髪の発育や再生を促す
  • 月1回から月2回のペースで、6ヵ月以上の治療が必要
  • 細胞を直接刺激し、ヘアサイクルを成長期へ転換する
  • 毛細血管を活性化できる
6. エレクトロポレーション法
  • 発毛の有効成分を深部に届ける
  • 微弱な電流によるピリピリとした電気刺激を感じる
  • クリニックに相談し、電流を弱設定で施術が可能
  • 針が不使用のまま、施術を受けられる

ここでは、HARG療法の6つの術式方法について解説していきます。

HARG療法の術式として、注射器や針を用いる「パピュール法」「ナパージュ法」「ダーマローラー法」、針が不使用の「ノーニードル法」など、施術によって傷みの程度や持続性が異なります。

また、電気療法やレーザー療法を用いて、発毛の有効成分を頭皮の深部まで届けられますよ。

1. パピュール法

パピュール法は、注射器からHARGカクテルを注入する術式です。

HARG療法において、最も一般的に用いる施術法です。

表皮と真皮の間に有効成分を注入し、成分が浸透することで高い発毛効果が期待できます。

また、治療に痛みを伴うため、麻酔薬の注入が必要です。

各クリニックによって麻酔注射や点滴麻酔を用意しており、傷みが苦手な人でも安心感を持って治療を受けられます。

2. ナパージュ法

ナパージュ法は極細の注射針における刺入抵抗を確認しつつ、的確な薬剤を打ち分ける術式です。

パピュール法より、発毛効果の実感まで時間がかかります。

また、投入成分の持続性が高く、パピュール法より傷みが少ない点がメリットです。

そして、ナパージュ法による施術回数の設定や頻度は、各院により異なります。

3. ダーマローラー法

ダーマローラー法は、約200本の極微細な針がついたローラーを用いた術式です。

頭皮に直接転がし刺激を与えることで、頭皮の若返りや血行を促進します。

また、ダーマローラーの針は表皮を貫通しますが、真皮まで到達しない長さに設計されています。

真皮は皮膚の大部分を占めており、神経や血管が張り巡らされているため、育毛に重要な部位です。

そして、施術前に表面麻酔を使用するため、痛みの発生も心配ありません。

施術時の穴は3時間程度の経過後、自然に塞がります。

4. ノーニードル法

ノーニードル法は特殊な医療機器を用いて、発毛の有効成分を頭皮の深層部へ浸透させる術式です。

医療器具によって細胞間に隙間を広げ、発毛の有効成分を頭皮の深層部まで浸透できます。

また、施術時において針は不使用なため、治療の痛みが苦手な方でも継続的に通院しやすくなっています。

そして、現時点において、ノーニードル法による副作用の報告はありません。

施術後の体調変化が気になる人は、ノーニードル法がおすすめですよ。

5. フラクショナルレーザー法

フラクショナルレーザー法はフラクショナルビームによって毛根細胞を刺激し、毛髪の発育や再生を促す術式です。

月1回から月2回のペースで6ヵ月以上の治療を続けることで、地道に発毛効果を実感できます。

頭皮内の細胞を直接刺激し、効率的にヘアサイクルを成長期へ転換できます。

また、毛細血管を活性化する効果も得られて、元気な頭皮へ再生が可能です。

そして、フラクショナルレーザー法において、頭皮麻酔は不要で施術が受けられます。

6. エレクトロポレーション法

エレクトロポレーション法は微弱な電流で一時的な穴を開け、針が不使用のまま真皮層に成分を浸透できる術式です。

また、微弱な電流を流すため、発毛の有効成分を深部まで届けられます。

微弱なピリピリとした電流による刺激を感じますが、施術後に傷跡が残りません。

電気刺激に過敏な人はクリニックに相談することで、弱設定の電流で施術が受けられます。

HARG療法とAGAメソセラピーの違い

施術方法施術方法の特徴
HARG療法
  • 150種類以上の成分を含む「HARGカクテル」を採用
  • クリニックによって、治療結果に大きな差は生じない
  • タンパク質の集合体やアミノ酸、ビタミン類を含有し、発毛後の髪を丈夫に育てる
AGAメソセラピー
  • 成長因子を頭皮に注入し、発毛力を高める
  • 毛母細胞が存在しない人は、発毛効果が得られない

HARG療法とAGAメソセラピーの違いとして、注入成分の違いが挙げられます。

HARG療法は150種類以上の成分を含む「HARGカクテル」を採用し、配合する成分構成が決まっている施術法です。

そのため、HARG療法はクリニックによって、治療結果に大きな差はありません。

また、HARGカクテルはタンパク質の集合体やアミノ酸、ビタミン類を含有し、発毛後の髪を丈夫に育てる効果が得られます。

一方で、AGAメソセラピーは、クリニック独自でブレンドした成分を採用している術式です。

AGAメソセラピーの施術において、「ミノキシジル」「亜鉛」「ミネラル」などの有効成分が薬液に含まれています。

クリニックの担当医によって施術時の含有成分が異なるため、得られる発毛効果も変化します。

そして、HARG療法の治療費は100万円前後の高額ですが、1年に1回程度の施術で発毛効果を持続可能です。

対して、AGAメソセラピーの施術によって効果を実感するためには、2週間から4週間ごとに通院し、「6ヵ月から1年間」の継続的な治療が必要。

HARG療法の3つのメリット

ここでは、HARG療法の3つのメリットについてご紹介していきます。

HARG療法は毛根や毛母細胞を再生し、薄毛や抜け毛を根本的に治療できる施術法です。

また、HARG療法による電気治療やレーザー治療による施術が受けることで、治療後の傷跡が残りにくくなります。

そして、HARG療法は、女性の薄毛卓対策にも効果的です。

1. 根本的に毛髪を再生治療できる

HARG療法は毛根や毛母細胞を再生し、薄毛や抜け毛を根本的に治療できる施術法です。

発毛効果は長期間作用し、施術終了後に年1回程度のメンテナンスで効果が持続できます。

また、脱毛予防として投薬治療を併用しつつ、AGA改善に取り組めますよ。

2. 治療後の傷跡が残りにくい

HARG療法は極細の針を用いる「ダーマローラー法」や電気治療「エレクトロポレーション法」など、傷跡が残りにくい施術が選べる治療法です。

他には、針が不使用のノーニードル法や、レーザーを使用するフラクショナルレーザー法などの施術方法が利用できます。

治療後の傷跡が気になる人は、電気治療やレーザー治療による施術が受けられるクリニックへ通院しましょう。

3. 女性の薄毛改善にも効果的

HARG療法は、女性の方にも対応可能な施術法です。

一例として、男性向けに一般的なAGA治療薬「フィナステリド」は、基本的に女性には処方できない治療薬です。

フィナステリドを服用することで、男性ホルモンの一種「DHT(ジヒドロテストステロン)」に作用します。

「女性と体質が異なることで薄毛改善が見込めない」「妊娠中の男の子において、生殖器官の発達異常を起こす可能性がある」など、副作用が多く挙げられます。

一方で、発毛促進による「ヘアサイクル」は性別の変化がないため、女性の薄毛改善にも高い効果が得られます。

女性で脱毛症に悩んでいる人は医療機関を受診し、HARG療法を含めて最適な治療を実施しましょう。

HARG療法の3つのデメリット

ここでは、HARG療法の3つのデメリットについてご紹介していきます。

HARG療法の施術を受けるためには、100万円程度の費用が必要です。

また、毛髪の再生に関わる毛母細胞が存在しない場合は、増毛効果が得られません。

そして、HARG療法は最新の治療技術のため、現時点において症例数が少ない治療法です。

1、施術費用が高い

HARG療法の施術を受けるためには、100万円程度の費用が必要です。

150種類以上の育毛成分を含有しており、通常の薄毛治療より高額な料金となっています。

HARG療法による継続治療は年1回の頻度なため、トータルにおける治療費が安く抑えられます。

長期的にはコストが下がるので、お財布と相談して無理なく治療を受ける心構えが大切です。

2、毛母細胞がないと施術効果が得られない

HARG療法の施術において、毛髪の再生に関わる毛母細胞が存在しない場合は、増毛効果が得られません。

HARG療法は育毛に関わる毛母細胞に栄養素が届き、発毛できる治療法です。

毛母細胞が存在しない人は自毛植毛に切り替え、毛母細胞を持つ毛髪の植毛が効果的です。

3、現時点において症例数が少ない

HARG療法は最新の治療技術のため、症例数が少ない治療法です。

現時点における副作用として、「皮膚の炎症、痒み、発疹」「頭部の腫れや赤み」「術後の一時的な内出血」などが報告されています。

症例数の少なさによる副作用が心配な人は、施術前に過去の病気における記録「既往歴」を伝えましょう。

まとめ

今回は、HARG療法とは?施術方法からメリット・デメリットまで解説をご紹介しましたがいかがでしたか?

HARG療法は6つの術式方法を用いて、人体の中心的役割を担う150種類以上の成長因子やHARGカクテルを頭皮に直接注入する施術法です。

また、「ノーニードル法」「フラクショナルレーザー法」「エレクトロポレーション法」などの施術を受けることで、頭皮に傷跡が残りません。

そして、根本的な毛髪再生が可能となっていて、年1回程度のメンテナンスで発毛効果が持続できますよ。