AGAによる薄毛の予防方法を解説|薬による予防が基本!

巷では薄毛予防に効果的とされるさまざまな対策が紹介されています。

「これを食べると薄毛を予防できる」
「頭皮マッサージは最もハゲ対策に効果的」
「筋トレをすると髪の毛が抜ける」

このような薄毛に関する情報がいくつも流れていますが、どれも「100%間違っている」とは言えないものの、薄毛を改善するために必須の情報ではありません。

男性の薄毛の原因はほぼ全てが男性型脱毛症と呼ばれる「AGA」であり、AGA予防を行うためにはAGA治療薬を用いるのが最も基本的な方法です。

とはいえ、AGA治療と併用して取り入れることで、薄毛対策や発毛促進を目指せる習慣や食生活の心がけはあります。

そこで今回はAGAの予防で最も効果的である薬の服用について詳しくご紹介するとともに、薬以外でできるAGAの予防方法についてもご紹介していきます。

著者情報 内田純平AGAマガジン編集部
内田 純平
30代前半の頃から薄毛に悩み、さまざまなAGAクリニックを調査しました。実際に飲み薬や育毛剤だけに限らずメソセラピーやHARG療法などの治療方法を試し、一時期は植毛まで考えました。が、無事に復活できました。その経験を活かしてAGAに悩むの皆さんのサポートをしていきたいと考えています。

AGAによる薄毛は予防できる?

まず「AGAによる薄毛は予防できるのか?」という疑問をお持ちの方は多いと思いますが、AGA治療薬を用いればAGA予防はできます。

AGAの原因は男性ホルモンである「テストステロン」と5α還元酵素が結びつくことにより悪玉脱毛ホルモンである「ジヒドロテストステロン」が発生し、男性ホルモンレセプターと呼ばれる受容体と結合することで「TGF-β」という脱毛因子を生成します。

TGF-βは「成長期」「休止期」「退行期」とあるヘアサイクルのうち、髪の毛が成長する期間である成長期を退行期へ移行させてしまいます。

これにより髪の毛が成長する期間が短くなると同時に細く短い髪の毛が育つようになり、薄毛が目立つようになってしまいます。

そこでAGA治療薬を用いて5α還元酵素を抑制し、ジヒドロテストステロンが発生しないような環境を作ることでAGAを予防していくのです。

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AGAの予防で最も効果的なのは「薬」の服用

AGAの予防で最も効果的なのは先ほどもご説明したように、薬を服用することです。

日本皮膚科学会では3種類のAGA治療薬をAGA薄毛治療において効果的であるとしており、利用を推奨しています。

1.フィナステリド・デュタステリドの服用が予防の基本

フィナステリド・デュタステリドの費用の目安(月額)
フィナステリド5,000〜9,000円
デュタステリド8,000円〜10,000円

基本的にAGAの予防にはフィナステリド、またはデュタステリドの服用が推奨されています。

フィナステリドとデュタステリドは先ほどご紹介した、AGAの原因となるジヒドロテストステロンを発生させる5α還元酵素を抑制する薬であり、フィナステリドはⅡ型の還元酵素を、デュタステリドはⅠ型とⅡ型両方の還元酵素を抑制する作用があります。

5α還元酵素を抑制することでジヒドロテストステロンの発生を防ぎ、ヘアサイクルを通常に戻していく仕組みとなります。

AGAの根本的な原因にアプローチする薬であり、日本皮膚学会でも効果が認められている予防薬です。

ヘアサイクルを正常に戻していくにあたって、まず最初に細くて短い髪の毛が抜ける「初期脱毛」という症状が起こります。

髪が生え始めるよりも先に、「AGA治療をしているのに、むしろ髪の毛が減っていく」という症状が起こります。

不安になる方も多いかもしれませんが、薬が効いている証拠ですし、ヘアサイクルが元に戻れば髪の毛はしっかりと太く強く育っていきますので、安心して利用しましょう。

2.薬は継続して服用する必要がある

AGAを予防するにあたって、「薬は継続して服用する必要がある」ということを覚えておきましょう。

AGA治療を始めるにあたり、勘違いしている方も多いのですが、「髪の毛が生えてきたからもう治療はやめて良い」「髪の毛にハリが出て、抜け毛が減ってきたからもう治療を止めて良い」と考える方が多いです。

しかし残念ながらAGAは進行性の病気であり、完治という概念が存在しません。

フィナステリド、デュタステリドを用いて食い止めることは出来るのですが、治すことはできないのです。極端なことを言ってしまうと「生涯治療を続ける必要がある」のがAGAです。

料金についてはさきほどご説明しましたが、「数年間、数十年間に渡り毎月払う必要がある」という前提でプランを選ぶことをおすすめします。

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3.症状が薄い内から早めに予防しよう

「症状が薄いうちから早めに予防する」というのも非常に大切なことです。

薄毛が進行してしまい、発毛を目指さなければならなくなった場合、ミノキシジルの外用薬などを用いて積極的に発毛しなければいけませんし、その分かかる費用はかなり増えます。

内服薬としてミノキシジルを利用する場合、費用は毎月約10,000円から15,000円程度で、外用薬として利用する場合は5,000円から13,000円程度とされています。

ミノキシジルにも副作用の可能性はありますし、何より早めに対策しておけば払う必要のなかった費用を長い期間に渡って払い続ける必要が出てきますので、予算を抑えるためにも、「そもそも薄毛にならない」ためにも早い段階で予防を行うことが大切です。

予防だけでなく「発毛」も目指したい場合は+αのアプローチが必要に

本記事をご覧になっている方は薄毛や抜け毛が気になってきた方、発毛を目指したいという方が多いでしょう。

しかし一方で「全く薄毛の心配がない」と自身で思っている方でもAGAを発症する可能性はあります。

AGAは主に遺伝が原因で起こり、特に母方の親族の方に薄毛の方が多い場合はAGAを発症する可能性が高いと言われています。

そこで「将来絶対にハゲたくない」という方や「母方の親族に薄毛の人が多い」という方はカウンセリング無料で、AGAかどうか診察してくれるクリニックも数多くあるので1度カウンセリングなどを受けてみるのも良いでしょう。

「予防だけでなく発毛も目指したい」という方は先ほども軽くご説明しましたが、ミノキシジルなどを用いてプラスアルファのアプローチが必要になってきます。

日本皮膚科学会の論文でも発毛を促進するためにはミノキシジルの外用薬を用いるのがよいとされていますが、早い段階でAGAを発見し、予防することができればミノキシジルを利用せずに済みます。

早めに予防をすることで予算を抑えることができますし、そもそも薄毛にならずに済むので無料のクリニックなので早い段階で治療を受けることは非常に大切です。

薬以外でできるAGAの予防方法について

薬以外でできるAGAの予防方法についても、簡単に確認していきましょう。

冒頭からご説明しているように、AGAの治療は基本的にAGA治療薬を用いて行います。

よってここからご紹介する方法は「AGA治療のスタンダード」というよりは「毛髪や育毛に良い対策」程度に考えてください。

AGA治療と併用することで、「多少なりとも効果を高めることが出来る」程度のものと認識していただければ良いでしょう。

1.生活習慣の見直し

まずは生活習慣を見直すことです。

睡眠時間を見直すことや、生活リズムを整えること、ストレス対策、飲酒や喫煙を控えることなどが挙げられます。

特に睡眠を22時から2時の間に取ることでジヒドロテストステロンを抑制することができるとされており、AGA治療と併用することで少しでも効果を高めることができるでしょう。

また、飲酒はもちろんですが、喫煙が特にAGAには悪いとされており、ニコチンによる影響で血管が収縮し、頭皮に栄養や酸素が行き届きにくくなるとも言われています。

1994年の医学雑誌JCEMによれば、ハーバード大学の研究によるタバコや喫煙によるAGAの因果関係が記載されており、アメリカの中年男性1241名の喫煙者と非喫煙者を比較した際に喫煙者の体内の男性ホルモンの濃度が高くなり、さらにジヒドロテストステロンの濃度も非喫煙者に比べて14%高いことがわかるなど、喫煙はかなりAGAと密接に関係しているという考え方もあります。

Compared with nonsmokers and independent of relative weight (body mass index) and age, cigarette smokers had increased serum levels of DHEA (18% higher, P = 0.0002), DHEAS (13% higher, P = 0.0007), cortisol (5% higher, P = 0.01), androstenedione (33% higher, P = 0.0001), testosterone (9% higher, P = 0.009), DHT (14% higher, P = 0.004), and SHBG (8% higher, P = 0.004). Androstenedione, total plasma testosterone, albumin-bound testosterone, DHT, and SHBG decreased with increasing relative weight.

参考:国立衛生研究所「The relation of smoking, age, relative weight, and dietary intake to serum adrenal steroids, sex hormones, and sex hormone-binding globulin in middle-aged men

このように生活習慣、特に睡眠時間の改善と喫煙を見直すことはAGAを治療する上で非常に大切と言えます。

2.食べ物に気を付ける

食べ物にも気をつけるようにしましょう。

AGAを改善するためにはタンパク質やビタミン、イソフラボンなどを摂取することが大切です。

毛髪の85%はケラチンと呼ばれるタンパク質で構成されているので、肉や魚、大豆などからタンパク質を摂取することは非常に効果的です。

また、そのケラチンの生成に関わるミネラルが「亜鉛」です。

毛髪の主成分を生成するケラチンに関わるので、毛髪の生成に役立ちます。

一説によると還元酵素を阻害する作用もあるとされているので、薄毛が気になる方は亜鉛を積極的に摂取することをおすすめします。

しかし、亜鉛が含まれる豊富に含まれている食品は牡蠣や豚のレバー、牛もも肉やうなぎなど毎日食べるようなものではないので、サプリメントなどを用いて効率的に摂取することをおすすめします。

亜鉛はAGAの治療においておすすめの成分ではありますが、過剰に摂取した場合吐き気や嘔吐、食欲不振などが起こる可能性もあり、体内の銅が減少し、免疫力が低下したり善玉コレステロールが減少する可能性もあるので、1日に11mg程度摂取するようにしましょう。

ビタミン」も非常に有効な成分です。

ビヤミンの多くは体内で生成することができないので、毎日の食事でしっかりと摂取する必要があります。しかしバランスよく摂取するのはなかなか難しいのでマルチビタミンサプリなどを用いて摂取するようにしましょう。

また、ビタミンの中でもビタミンB群とビタミンCは水溶性であり、排出されやすいので可能な限り1日に推奨される摂取量を朝と夜に分けて摂るなど、小分けにして摂取することをおすすめします。

イソフラボン」は大豆などに多く含まれ、女性ホルモンに似た構造を持つことから女性が摂取することをおすすめされる成分ですが、AGA治療においてはタンパク質を豊富に含むことや、還元酵素阻害効果も期待できるということで摂取を勧められています。

イソフラボンは大豆などに含まれることが多く、納豆や豆腐などを日々の食事に取り入れることをおすすめします。

3.頭皮の扱いに気を付ける

頭皮の扱いに気をつけることもAGA治療においては大切です。

シャワーを浴びる際には爪を立ててゴシゴシと強く洗うのではなく、頭皮を揉みほぐすように洗うようにしましょう。

薄毛に悩む方の頭の洗い方に多いのが、シャンプーをやトリートメントをあまり洗い流せていないというものです。

もちろん流しすぎても逆効果ですが、シャンプーなどを洗い流さずに頭皮に残ったままだと髪がパサつきますし、強い刺激となり頭皮に悪影響です。

「もう流し終わったかな」と思ってから10秒から20秒程度余分に髪を洗うようにするのがおすすめです。

また、髪を乾かす際は自然乾燥よりもドライヤーを利用しましょう。

生乾きのまま放置してしまうと多湿の環境を好む雑菌が増え、頭皮トラブルの原因となり、AGA治療の効果が減少してしまうかもしれません。

ドライヤーの熱が髪や頭皮にダメージを与えないように常にドライヤーを振りながら、20cm程度髪の毛から離して乾かすことがおすすめです。

外用薬を塗る際のポイント
AGA治療において、特に発毛を目指していく上で多くの方が利用する外用薬ですが、適切な方法で利用することでより高い効果が期待できます。外用薬を利用する際は必ず髪の毛をドライヤーで完全に乾かし、頭皮に揉み込むように塗っていきましょう。髪や頭皮が濡れた状態で塗布すると薬が薄まってしまいますし、髪の毛に利用しても発毛効果はないので、しっかりと「頭皮に」塗布しましょう。

まとめ

今回はAGAによる薄毛の予防方法についてご説明してきました。

AGAの治療や予防は薬によるものが基本的となっており、頭皮マッサージなどの一般的に「頭皮に良い」とされている習慣や、亜鉛などの栄養素を摂取することはメインの対策方法ではありません。

しかしAGA治療に効果的とされるフィナステリドやデュタステリドなどを摂取しつつ、しっかりと頭皮を洗い流すことやお酒やタバコは控えること、規則正しく睡眠をとることや亜鉛などをはじめとしたAGA治療に良いとされる栄養素を積極的に摂取することは決して間違った対策ではありません。

ぜひAGA治療薬と併用しつつ、髪に良いとされる習慣を生活に落とし込んでいきましょう。

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