「春に抜け毛が増える原因が知りたい」「春に男性(女性)も抜け毛が起きるのか知りたい」などと思われている方もいらっしゃると思います。
抜け毛は毎日見られますが、季節により本数に変動があることをご存じでしょうか。
春になると生活環境の変化によるストレスや自律神経の乱れ、冬の頭皮へのダメージなどが原因で抜け毛の量が増加することもあります。
本記事では春に抜け毛が多いと感じる理由や原因、春の抜け毛の予防法や対策方法、男女の抜け毛の違いなどについて解説します。
(※本記事は日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」を参考に作成しています。)
目次
春の正常な抜け毛の目安本数は100本程度
春の正常な抜け毛の目安本数はおよそ50本から100本程度です。しかし、念入りにブラッシングを行ったり、頻繁に洗髪するといったヘアケアが原因で、春の抜け毛の量が増加することもあります。
また、春になると就職や転勤など環境の変化が原因でストレスが蓄積し、自律神経やホルモンバランスが乱れ、結果的に抜け毛の量が増えることもあります。
基本的に春は1年の間で抜け毛の量が比較的少ない時期とされますが、場合により200本程度の抜け毛が見られることもあるため注意が必要です。
参照元:順天堂医学
一時的に抜け毛の量が増えるだけならそれほど心配はありませんが、100本以上の抜け毛が1ヶ月以上続くようであれば、何らかの脱毛症を発症している可能性が疑われます。
季節ごとの抜け毛の本数の違い
抜け毛の本数は季節の変わり目や季節により大きな変化が見られます。年間を通して抜け毛の量が大幅に増加する季節が夏の終わりから秋にかけての時期で、1日に150本から200本程度の抜け毛が見られることもあります。
夏から秋にかけて抜け毛の量が増加するのは、夏に浴びた紫外線などのダメージにより頭皮環境が悪化するためではないかと考えられています。
夏から秋に次いで抜け毛の量が多いのは冬です。冬場の空気の乾燥や冷えによる血行不良などが原因で、抜け毛の量の増加が見られることもあります。
しかし、抜け毛の本数は日々のヘアケアにより増減が見られるため、1日の抜け毛の量で一喜一憂せずに一定期間の平均値を求めることが重要です。
春に抜け毛が多いと感じる理由・原因
春に抜け毛が多いと感じる主な原因は以下の4つです。
- 環境の変化にともなうストレスによる自律神経やホルモンバランスの乱れ
- 生活リズムの変化による睡眠不足
- 花粉などの自己免疫疾患による影響
- 冬の頭皮の乾燥による頭皮環境の悪化の影響
4つの理由・原因について解説します。
環境の変化にともなうストレスによる自律神経やホルモンバランスの乱れ
春に抜け毛が多いと感じる理由や原因の1つが、寒暖差や環境の変化など身体的・精神的ストレスによる自律神経やホルモンバランスの乱れです。
春先は寒暖差が大きいため身体に大きなストレスが加わります。また、春は入学や進級、就職、転勤など環境の変化により、精神面でも大きなストレスがかかる時期です。
寒暖差にともなう身体的ストレスや、環境の変化による精神的ストレスが蓄積すると、自律神経が乱れ交感神経が優位に傾きます。
交感神経が優位に傾くと血管の収縮を招いて血行不良に陥るため、結果的に髪の毛の成長に悪影響をおよぼします。
厚生労働省が行う国民生活基礎調査では、男性に比べ女性の方がストレスを感じやすいとされます。ストレスの蓄積にともなうホルモンバランスの乱れにより、女性も薄毛を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
参照元:国民生活基礎調査
生活リズムの変化による睡眠不足
生活リズムの変化による睡眠不足も、春に抜け毛が多いと感じる原因の1つです。春に睡眠不足を引き起こす要因の1つがストレスによる自律神経の乱れです。
自律神経は交感神経と副交感神経の2つからなり、通常は日中に交感神経が、夜間に副交感神経が優位に傾くようバランスを保ちます。
睡眠中に副交感神経が優位に傾くと成長ホルモンが分泌されて細胞分裂が活発に行われます。髪の毛が夜に成長するのも、就寝中に毛母細胞の分裂が活発化するためです。
しかし、ストレスの蓄積により夜間も交感神経優位の状態が続いた場合には、睡眠不足や睡眠の質の低下にともない、成長ホルモンの分泌量が減少するため髪の毛の成長を妨げます。
花粉などの自己免疫疾患による影響
春に抜け毛が多いと感じる場合は円形脱毛症を発症している可能性も疑われますが、花粉症などのアトピー素因を持つ方は特に注意が必要です。
アトピー素因は自分や家族の誰かがアレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎、気管支喘息といったアレルギー性疾患を持つことです。
アトピー素因を持つ方が強いストレス状態に置かれると、本来であれば自分の身体を守るべき免疫細胞により毛包が攻撃されて、抜け毛を引き起こす=円形脱毛症の発症リスクが増加すると考えられています。
参照元:女性の円形脱毛症
冬の頭皮の乾燥による頭皮環境の悪化の影響
冬の頭皮の乾燥による頭皮環境の悪化が影響で、春に抜け毛が多いと感じることがあります。髪の毛を太く・強く成長させるためには、頭皮環境を整えて正常なヘアサイクルを保つことが重要です。
ヘアサイクルは髪の毛が成長して抜け落ちる周期のことで、主に次の3期に分類されます。
成長期 | 毛母細胞が活発に分裂して髪の毛が太く・強く育つ時期 |
退行期 | 毛包の退縮がはじまり髪の毛の成長が鈍くなる時期 |
休止期 | 髪の毛の成長が完全に停止して抜け落ちるのを待つ時期 |
ヘアサイクルの大部分を成長期が占めますが、冬の頭皮の乾燥などにより頭皮環境が悪化した場合に、成長期が短縮する可能性があります。
日本人の髪の毛はおよそ10万本とされていますが、ヘアサイクルの成長期が短縮した毛穴の増加にしたがい、抜け毛や薄毛のリスクが増大します。
春の抜け毛の予防や対策方法
春の抜け毛の主な予防や対策方法は次の7つです。
- 適度に運動や趣味に取り組みストレスを発散させる
- 質のいい睡眠をとることで生活リズムを整える
- 頭皮マッサージを行い血行を促進する
- 適切なヘアケアを行い頭皮を清潔に保つ
- 育毛剤を使用して頭皮環境を整える
- 頭皮の紫外線対策を行う
- 髪に必要な栄養がとれる食事を心がける
7つの予防や対策方法について解説します。
適度に運動や趣味に取り組みストレスを発散させる
春の抜け毛を予防するためには、適度に運動や趣味に取り組みストレスを発散させることが重要です。頭皮には毛細血管が多く分布しているため、ストレスが蓄積すると全身の血行不良に陥りやすいので特に注意が必要です。
ストレスの発散は方法個人によりさまざまなため、自分なりのストレス発散方法を見つけておきましょう。身体を動かすのが好きな方であれば適度な運動でストレスを発散できるだけでなく、血行を促進する効果も期待できます。
運動が苦手な方の場合では趣味に没頭するなどの方法も考えられます。趣味に没頭する時間を作れば、仕事などが原因のストレスを解消することも可能です。
質のいい睡眠をとることで生活リズムを整える
質のよい睡眠をとることで生活リズムを整えると、春の抜け毛を予防する結果につながります。髪の毛は睡眠中に毛母細胞が分裂して成長するため、抜け毛を予防するためには良質な睡眠の確保が欠かせません。
また、良質な睡眠を確保できれば、抜け毛予防だけでなく疲労回復やストレス軽減も期待できます。良質な睡眠を得る簡単な方法は早起きして朝日を浴びることです。
早朝の朝日を浴びることで体内時計がリセットされるだけでなく、夜になると自然な眠気が訪れやすくなります。
頭皮マッサージを行い血行を促進する
春の抜け毛を予防するためには、頭皮マッサージで血行を促進すると効果的です。髪の毛は毛母細胞の分裂により成長しますが、細胞分裂に必要なエネルギーは毛細血管から供給されます。
頭皮マッサージで血行を促進すれば、髪の毛の成長に必要なエネルギーを毛母細胞に届けやすくなります。頭皮マッサージは以下の手順で行うことがおすすめです。
- 両手の人差し指から小指で首の後ろから生え際にかけての筋肉を緩める
- こめかみまわりの皮膚をクルクル回転させてマッサージする
- 両手で頭皮全体をつかみ、頭頂部まわりの皮膚を動かしてマッサージする
ただし、頭皮マッサージを行う場合には、爪や指先で頭皮を刺激しないよう気を付けましょう。指の腹で頭皮を動かすイメージで優しくマッサージしてください。
自分で行うのが難しい場合は、ヘッドスパに通うのもおすすめです。
適切なヘアケアを行い頭皮を清潔に保つ
適切なヘアケアを行い、頭皮を清潔に保つことも春の抜け毛予防につながります。適切なヘアケアのポイントは次の8通りです。
- 洗髪の前にブラッシングを行う
- シャンプーの前に予洗いを行う
- 手のひらでシャンプーを伸ばして数箇所につける
- 指の腹で頭皮を動かすイメージで優しく洗う
- 38度程度のお湯でしっかりと洗い流す
- 清潔なタオルでしっかりとタオルドライを行う
- ドライヤーを髪の毛から20㎝ほど離して乾かす
- 8割ほど乾いたら冷風で仕上げる
毎日洗髪しているのにかゆみが出る場合には、シャンプーが肌質に合わない可能性もあるため、育毛用シャンプーや薬用シャンプーを試してみることがおすすめです。
育毛剤を使用して頭皮環境を整える
春の抜け毛を予防する場合には、育毛剤で頭皮環境を整える方法もあります。冬の乾燥で荒れた頭皮を育毛剤で整えると、春先の抜け毛を予防する効果が期待できます。育毛剤の主な効果は以下の3つです。
- 頭皮に栄養を与える
- 頭皮環境を整えて髪が生える土台を作る
- 抜け毛を防止する
ただし、育毛剤の効果が現れるまでにはおよそ3ヶ月~半年程度が必要なため、用法・用量を守った上で継続して使用しましょう。
頭皮の紫外線対策を行う
春の抜け毛を予防するためには、頭皮の紫外線対策を行うこともポイントです。春から夏に向けて紫外線が次第に強くなるため、頭皮がダメージを受けて頭皮環境を悪化させやすくなります。
外出の際には帽子を着用したり日傘をさすことで、紫外線から頭皮を守ることが可能です。また、頭皮用の日焼け止めを利用する方法もあります。紫外線は晴れの日だけでなく曇りの日にも降り注いでいるため油断しないことが重要です。
髪に必要な栄養がとれる食事を心がける
春の抜け毛を予防するためには、髪や頭皮に必要な栄養がとれる食事を心がけましょう。髪や頭皮に必要な主な栄養素は以下の表の通りです。
栄養素 | 主なはたらき | 多く含まれる食品 |
タンパク質 | 髪の毛を作る原料となる | 肉類・魚類・大豆製品・乳製品など |
ビタミン類 | 頭皮環境を整える | 野菜・果物・レバー・魚類・穀類など |
亜鉛 | アミノ酸をケラチンへ再合成する | 牡蠣・豚レバー・赤身の牛肉など |
ヨウ素 | タンパク質の合成をサポートする | 海藻類 |
コラーゲン | 毛包幹細胞を保護し髪の毛の成長を促す | 甲殻類・ホタテ・鶏軟骨など |
イソフラボン | ホルモンバランスを整える | 大豆製品 |
髪の毛はタンパク質の一種であるケラチンから作られるため、日常の食事に良質なタンパク質を取り入れることが欠かせません。
しかし、タンパク質は体内の酵素によりアミノ酸レベルに分解されるため、ケラチンへの再合成を促すには亜鉛やヨウ素の摂取も必要です。
頭皮環境やホルモンバランスを整えるためには、各種ビタミン類やイソフラボンの摂取が効果的です。また、コラーゲンには毛包幹細胞を保護し、髪の毛の成長を促すはたらきが期待されています。日常の生活に上記の栄養素をバランスよく取り入れましょう。
春の抜け毛がひどい場合はAGAを発症している可能性もある
春の抜け毛があまりにもひどい場合には、AGAを発症している可能性も疑われます。AGAは男性型脱毛症のことで、発症するとゆっくりと確実に進行する点が特徴です。
AGAによる抜け毛と、春の抜け毛とでは主に以下の違いがあります。
AGAによる抜け毛 | 春の抜け毛 | |
原因 | 遺伝・ホルモンバランスの変化 | ストレス・頭皮環境の悪化・自律神経の乱れ |
抜け毛が続く期間 | 生涯にわたり進行し続ける | 一時的(1ヶ月程度) |
抜け毛の状態 | 細くて弱々しい 毛根が膨らんでいない |
太くて長い 毛根が膨らんでおりマッチ棒のような状態 |
AGAを発症した場合には、髪の毛が成長を終える前に抜け落ちるため、抜け毛が細くて弱々しい傾向にあります。また、毛根部分が膨らんでおらず、一本の棒ように直線的なのが特徴です。
春の抜け毛は自然に抜け落ちることが多いため太くて長く、毛根がマッチの先端のように膨らんでいる傾向にあります。AGAによる抜け毛は生涯にわたり続くため、春の抜け毛があまりにも長く続く場合には専門医に相談しましょう。
春の抜け毛がひどいと感じる場合の対処法・回復方法
春の抜け毛がひどいと感じる場合の対処法・回復方法は次の2つです。
- 皮膚科やAGAクリニックに相談する
- 運動・睡眠・栄養のある食事をとり生活習慣を整える
2つの対処法・回復方法について解説します。
皮膚科やAGAクリニックに相談する
春の抜け毛がひどいと感じる場合には、皮膚科やAGAクリニックに相談することがおすすめです。春の抜け毛の原因は個人によりさまざまなため、まずはなぜ抜け毛が起こるのかを突き止めることが欠かせません。
皮膚科は主に皮膚疾患を取り扱う医療機関のため、頭皮に赤みやかゆみなどの症状があるときに受診するのが一般的です。
AGAクリニックは薄毛や抜け毛のお悩みを専門的に扱う医療機関のため、抜け毛が気になる場合には皮膚科ではなくAGAクリニックに相談しましょう。
運動・睡眠・栄養のある食事をとり生活習慣を整える
春の抜け毛がひどいと感じる場合には、運動習慣や睡眠の質を見直して栄養のある食事をとるなど、生活習慣を整えることが欠かせません。
生活環境が変わるだけでなく朝晩の気温差が大きい春には、身体や精神に大きなストレスがかかるため自律神経やホルモンバランスが乱れる傾向にあります。
ストレスを発散するためには適度に身体を動かし、質のよい睡眠をとることが重要です。また、髪の毛の成長をサポートするため、栄養バランスの取れた食事をするよう意識しましょう。
春の抜け毛に関するよくある質問
春の抜け毛に関しては、次の3つの質問が多く寄せられています。
- 春に抜け毛が急に増えることもある?
- 春の抜け毛の原因は男女で違う?
- 春以外で抜け毛が多い季節はいつ?
3つの質問にお答えします。
春に抜け毛が急に増えることもある?
春は1年を通して比較的抜け毛が少ない季節ですが、急に抜け毛の量が増えることもあります。例えば円形脱毛症を発症した場合には、前触れもなくまとまった量の髪の毛が抜け落ちます。
円形脱毛症は年齢や性別に関係なく誰でも発症する可能性があります。脱毛範囲が広くなればなるほど回復困難となるため、突然まとまった量の髪の毛が抜ける場合には、なるべく早めに皮膚科や専門のクリニックを受診しましょう。
春の抜け毛の原因は男女で違う?
春の抜け毛は身体的・精神的ストレスによりもたらされることが多く、その点では男女で変わりはありません。しかし、男性に比べて女性はストレスを感じやすいため、ホルモンバランスの変化で抜け毛が増える可能性もあります。
また、男性に比べて髪の毛が長い傾向にある女性の場合では、抜け毛が長いために多く見える可能性もあります。
春以外で抜け毛が多い季節はいつ?
春以外で抜け毛が多い季節は夏の終わりから秋にかけてです。正常な抜け毛の目安本数はおよそ50本から100本程度とされますが、夏の終わりから秋にかけては1日に250本から300本程度の抜け毛が見られることもあります。
しかし、基本的に抜け毛の量が増加するのは一時的であるため、髪の毛が多く抜けても直ちに医療機関を受診する必要はありません。医療機関を受診する目安は次の通りです。
- 1ヶ月以上にわたり抜け毛の量の増加が続いている
- 局所の髪の毛が抜け落ち頭皮が露出している
- 髪全体のボリュームが明らかに減少している
- フケの量が明らかに増えている
AGAや円形脱毛症の発症により抜け毛が増えている場合には、速やかに医療機関で適切な処置を受ける必要があります。上記の例に当てはまる場合には、なるべく早めに専門医の診察を受けましょう。
春の抜け毛が気になる場合はベアAGAクリニックへご相談ください
春の抜け毛が気になる場合には、ベアAGAクリニックまでご相談ください。春の抜け毛は身体的・精神的ストレスで増加する傾向にありますが、何らかの脱毛症を発症している可能性もゼロではありません。
もし抜け毛の量の増加が1ヶ月以上にわたり続き、髪全体のボリュームが減少するようであれば、AGAをはじめとする脱毛症を発症している可能性が疑われます。
突然まとまった量の髪の毛が抜け落ち、頭皮が一部もしくは広い範囲で露出する場合には、円形脱毛症を発症している可能性が高いと言えます。円形脱毛症の場合は脱毛範囲が広がれば広がるほど、回復が困難となるため注意が必要です。
抜け毛が1ヶ月以上にわたり続く場合ではAGAの可能性も疑われます。AGAを発症した場合は、薄毛がゆっくりと確実に進行するため速やかに対処することが重要です。
抜け毛の原因は個人によりさまざまなため、まずは専門医の診察を受けて原因を突き止めることが欠かせません。ベアAGAクリニックでは抜け毛に関するあらゆる質問に無料カウンセリングで答えます。
治療を受けようか悩んでいる間にも抜け毛や薄毛が悪化する可能性があるため、まずは無料カウンセリングまでお気軽にご相談ください。