「ドライヤーすると、髪がたくさん抜ける」
「髪が抜けすぎて薄毛が心配」
数本の抜け毛なら気になりませんが、あまりにも本数が多いと不安になりますよね。
結論から言うと、ドライヤー時に60本程度の髪が抜けるくらいなら薄毛進行を疑う必要はないでしょう。しかし明らかに抜け毛の本数が多い場合や、抜け毛の太さや毛根に異変がみられる場合は薄毛進行のサインかもしれません。
この記事では、薄毛の基準や抜け毛への対策について詳しく解説していきます。最後まで読むことで、ドライヤーによる抜け毛への対策方法がわかります。
目次
ドライヤーをすると髪の毛が大量に抜ける…それは気のせいかも
ドライヤーをすると、髪が大量に抜けたように感じる方も多いでしょう。
しかし実際は気のせいで、次のような理由で髪が大量に抜けたように感じるだけのケースもあります。
- シャンプー中に自然に抜けた髪が残っていて、乾かしたときに落ちてきた
- 長い髪が絡まって、大量にあるように見える
「ドライヤーをしたから髪がたくさん抜けた」というわけではない可能性があります。一日のどこかで自然と抜けるはずだった髪が、たまたまドライヤーのときに抜けただけかもしれません。
1日の抜け毛の平均は50〜100本程度
個人差はありますが、1日の抜け毛の平均本数は50〜100本程度といわれています。季節や環境によって抜け毛の数は変動し、多いときは100本を超えることもあります。
髪の毛は頭部全体で10万本程度あることを考えると、100本の抜け毛は全体の0.1%程度にすぎません。毎日100本以上抜けていても薄毛にならない方もいます。
もちろん抜け過ぎは薄毛進行のサインとなりますが、抜けた髪の状態を観察することも同じくらい大切です。
抜け毛が気になり始めたら、抜けた髪の本数だけでなく状態も観察してみましょう。
髪の生え変わり「ヘアサイクル(毛周期)」について髪の生え変わりには毛根の寿命が深く関係しており、2〜6年で生え変わるとされています。生え変わりの周期は「ヘアサイクル(毛周期)」と呼ばれ、次のような周期で発毛と脱毛を繰り返しています。
退行期になると髪の成長力が徐々に弱まり、毛球部が小さくなっていきます。そして休止期に入ると、髪は寿命を迎えて日常生活の中で自然と抜けていくのです。 |
ドライヤーで大量に髪が抜けるときにチェックするポイント3つ
ドライヤーで大量に髪が抜けるときは、次の3つをチェックしましょう。
- 抜け毛の太さ|明らかに細い毛が混じっている場合は注意
- 抜け毛の毛根|毛根に膨らみがない場合は注意
- 抜け毛の本数|60本程度までなら大丈夫
薄毛につながる危険な抜け毛と、健康的な抜け毛があります。大量に髪が抜けて不安な方は、抜けた髪の状態を確認しましょう。
順に解説していきます。
①抜け毛の太さ|明らかに細い毛が混じっている場合は注意
抜けた髪と現在生えている髪の太さを比較してみましょう。抜け毛が明らかに細く柔らかい場合は注意が必要です。髪が弱々しくなって、育つ前に抜けているのかもしれません。
通常、髪は育ちきったあとに自然と抜けていきます。しかし、頭皮環境が乱れていると髪が十分に育ちません。頭皮環境の乱れを放っておくと薄毛につながる可能性もあるため、抜け毛が細い方は注意しましょう。
②抜け毛の毛根|毛根に膨らみがない場合は注意
抜け毛の毛根に膨らみがない場合は注意が必要です。健康な髪は、毛根に白いゼリー状の膨らみ(毛根鞘)が付いています。もし、抜け毛の毛根が次のような状態であれば髪が健康でない可能性があります。
- 毛根の膨らみが小さい
- 毛根が黒い
- 毛根が尖っている
これらに該当する場合、髪が成長する前に抜けたのだと考えられます。髪の栄養不足や、頭皮トラブルが起こっている可能性があるでしょう。
トラブルを放置したままにすると、薄毛につながる場合もあります。早めに対策を取るようにしましょう。
③抜け毛の本数|60本程度までなら大丈夫
健康な方でも、1日を通して100本程度の髪が抜けます。個人差はありますが、シャンプーからドライヤーの間で、60本程度の髪が抜けるくらいなら問題ないと考えられます。
一方、ドライヤーだけで100本以上の抜け毛があるような場合は、薄毛の進行も疑うべきでしょう。
ドライヤーによる抜け毛を減らすためのヘアケア方法
ドライヤーのかけ方を間違えると、頭皮や髪にダメージを与える可能性があります。抜け毛を防ぐためにも、ドライヤーのかけ方やその前後のヘアケア方法を見直しましょう。具体的に心がけるべきポイントは次のとおりです。
- シャンプーの前にブラッシングをする
- タオルドライをする
- アウトバストリートメントでケアする
- ドライヤーは20cmほど離して根元から乾かす
- 8割ほど乾いたら冷風に切り替える
順に解説していきます。
①シャンプーの前にブラッシングをする
シャンプーをする前に、丁寧にブラッシングをするようにしましょう。ブラッシングをすることで髪の絡まりがとけて、髪が指に引っかかりにくくなります。シャンプー中に指がスムーズに髪と髪の間を抜けていけば、引っ張られて抜ける髪が減るでしょう。
ブラッシングをするときは目が粗く、クッション性のあるブラシを使うのがおすすめです。髪を引っ張るようなブラッシングは、抜け毛の原因となるため禁物です。
②タオルドライをする
ドライヤーをする前にしっかりとタオルドライしましょう。髪がびしょ濡れの状態から乾かそうとすると、時間がかかります。長時間ドライヤーを当てると、髪や頭皮が熱によるダメージを受けやすくなります。
ドライヤーをかける前にタオルドライをして、熱風を当てる時間を短くすることが大切です。
③アウトバストリートメントでケアする
ドライヤーの前にアウトバストリートメントでケアをして、髪をドライヤーの熱から守りましょう。アウトバストリートメントは「洗い流さないトリートメント」とも呼ばれ、次のような種類があります。
- ヘアオイル
- ヘアミルク
- ヘアクリーム
- ヘアバーム
これらは髪を熱から守り、乾燥を防いでくれます。また、髪の指通りが良くなるため、ドライヤーのときに指が引っかかりにくくなります。
髪を熱や乾燥から守るために、ドライヤーの前にケアをしましょう。
④ドライヤーは20cmほど離して根元から乾かす
ドライヤーをかけるときは、頭から20cmほど離して乾かすようにしましょう。ドライヤーから出た直後の熱風の温度は100度を超える場合もあるため、距離を離すことで温度調節をして髪へのダメージを防ぐことが大切です。
乾かすときは髪の根元から乾かすようにしましょう。髪の根元が乾ききっていないと頭皮に雑菌が繁殖しやすく、頭皮トラブルの原因となりやすいです。髪の根元を立ち上げるようにして乾かすのがコツです。
⑤8割ほど乾いたら冷風に切り替える
髪が8割ほど乾いたら、ドライヤーを冷風に切り替えましょう。ずっと温風で乾かしていると、髪が熱によるダメージを受けます。さらに、ドライヤーをしているときの暑さで汗をかき、頭皮に雑菌が繁殖する原因となります。
最後は冷風で乾かし、髪や頭皮にこもっていた熱を冷ましましょう。
ドライヤーをやめたら抜け毛は減る?自然乾燥は逆効果になる恐れあり
ドライヤーでの抜け毛が気になるからといって、ドライヤーを使わない自然乾燥にすると、逆に抜け毛が増えることもあります。髪を濡らしたままで放置すると、次のようなトラブルに繋がるからです。
- 頭皮に雑菌が繁殖し、ふけやかゆみがでる
- キューティクルが開いたままになり、髪が痛む
- 頭皮の熱が奪われ、血行が悪くなる
自然乾燥は髪や頭皮にとって悪影響ばかりです。髪や頭皮の状態を健やかに保つためにも、正しい方法でドライヤーをしましょう。
ドライヤーでの抜け毛が改善しないときはFAGAも疑おう
ドライヤー時の抜け毛があまりにひどい場合は、FAGA(女性男性型脱毛症)の可能性も考えられます。
FAGAは進行性の薄毛であり、発症すると次のような症状がみられます。
- 髪全体が薄くなりボリュームが減る
- 抜け毛が増える
- 髪が細くなる
FAGAになるとヘアサイクルが乱れ、髪の成長期が短縮されて抜け毛が増えていきます。
なお、1つの毛根には寿命があり、それぞれ40〜50回ほど生え変わりを繰り返して寿命を終えるといわれています。
ヘアサイクルの寿命が尽きてしまうと治療をしても毛髪が生えなくなるため、早期の治療が勧められています。
もし、ケア方法を見直しても抜け毛が改善しない場合は、クリニックに相談しましょう。
まとめ
ドライヤー時の抜け毛は60本くらいまでなら、あまり深刻に考えなくても大丈夫でしょう。ただし、抜けた髪が次のような場合は注意が必要です
- 細い髪が抜ける
- 抜けた髪の毛根に膨らみがない
- 60本を超える髪が抜ける
抜け毛が気になる場合は、ドライヤーのかけ方などヘアケア方法を見直しましょう。もし抜け毛が改善しない場合は、FAGAの可能性も考慮して早めにクリニックを受診するのがおすすめです。