「更年期になってから抜け毛が増えたのはなんで?」
「抜け毛を減らすための対策や治療法を知りたい」
更年期に抜け毛がひどくなる原因には、加齢による女性ホルモンの減少やストレスの蓄積などが考えられます。
この記事では、更年期に抜け毛が増える理由と、その対策・治療法を解説します。
最後まで読むことで、抜け毛を減らすためにするべきことがわかります。
目次
更年期の抜け毛症状|地肌が透ける、前髪の分け目が広がる
更年期に入ると髪や肌の新陳代謝(ターンオーバー)の周期が長くなるため、多少髪のボリュームが減るのは自然なことです。
しかし次のような症状が目立つ方は、抜け毛が増えている可能性があります。
- 地肌が透ける
- 前髪の分け目が広がる
- 髪のボリュームが減る
- 髪がうねる
さらに抜け毛が進行すると、髪型がうまく決まらなくなるほか、人前に出るのが恥ずかしくなる可能性も。
更年期は不安感を抱きやすい傾向がありますが、抜け毛が増えるとさらに精神的な負担が増えるため、早めに対処することをおすすめします。
更年期に抜け毛がひどくなる理由
更年期に抜け毛がひどくなる主な理由は次の2つです。
- 加齢による女性ホルモン(エストロゲン)の減少
- ストレスの蓄積
ここからは、それぞれの理由について解説していきます。
①加齢による女性ホルモン(エストロゲン)の減少
加齢により女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」が減少すると、抜け毛が増えます。
エストロゲンは髪の成長に必要なホルモンです。加齢に伴いエストロゲンの分泌量が減ると、ヘアサイクルが乱れて抜け毛が増えるほか、髪の細さやハリ・コシの減少につながるのです。
なお加齢による女性ホルモンの減少は、女性特有の脱毛症である「びまん性脱毛症」の原因でもあります。
関連記事:女性に多い「びまん性脱毛症」とは?治る?原因・対策・治療法を解説
②ストレスの蓄積
ストレスと髪の成長の因果関係は、医学的にも証明されています(※)。
不安やイライラは更年期症状の一つであり、ちょっとしたことがストレスになりがちです。ストレスを溜め込むと、自律神経が乱れて血管が収縮し頭皮に栄養が届きにくくなります。
その結果、抜け毛が増えてしまう可能性があります。
※参考:鐘紡株式会社基礎科学研究所「ストレスが被毛成長に及ぼす影響について」
更年期の抜け毛対策7つ
更年期に抜け毛が増えないようにする対策には、次の7つがあります。
- 大豆イソフラボンを積極的に摂取する
- 食事の栄養バランスに配慮する
- 生活習慣を見直す
- ストレスを解消する
- 正しくシャンプーをして髪を乾かす
- サプリを利用する
- 育毛剤を使う
それぞれについて解説していきます。
①大豆イソフラボンを積極的に摂取する
大豆に含まれるイソフラボンは、エストロゲン(女性ホルモンの一種)と似た働きをする成分です。
イソフラボンを摂取することで、更年期症状の改善や、髪のツヤやハリを保つ効果が期待できます。
ただし、イソフラボンは摂取すればするほど良いというわけではなく、過剰摂取は下痢や肌荒れを招く恐れがあります。
厚生労働省の「大豆イソフラボンの上限摂取目安量の設定まとめ」によると、イソフラボンの摂取目安量の上限値は1日70〜75mgです。1日70〜75mgを超えないようにイソフラボンを摂取しましょう。
【イソフラボンが含まれる食品の一例】
- 豆乳 200ml:約49g
- 豆腐 1丁(150g):約61g
- 納豆 1パック(45g):約36g
※参考:厚生労働省「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」
②食事の栄養バランスに配慮する
更年期の抜け毛を減らしたい方は、食事の栄養バランスに配慮しましょう。
食べ物から栄養を摂取することで、育毛のサポートが期待できます。髪に良い栄養素とそれを多く含む食べ物は次の通りです。
栄養素 | 役割 | 多く含む食べ物 | 1日の摂取目安量※
(30〜49歳女性の場合) |
タンパク質 | 髪の生成 | 大豆、豚肉、ささみ、マグロ、卵、チーズ | 50g
摂取例:ささみ200g |
亜鉛 | ケラチンの合成 | 牡蠣、チーズ、レバー、ごま | 8mg
摂取例:豚レバー100g |
ビタミンA | 血行の促進 | レバー、卵黄、うなぎ、ほうれん草 | 700㎍RAE
摂取例:卵1個 |
ビタミンB | 皮脂の過剰分泌の抑制 | 魚、レバー、卵、納豆、玄米、バナナ | 1.1mg
摂取例:豚ヒレ100mg |
ビタミンE | 血行の促進 | 大豆、かぼちゃ、オリーブオイル、卵、アーモンド | 5.5mg
摂取例:豆乳コップ1杯 |
※参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」
髪は「ケラチン」というタンパク質を中心に構成されており、健康な髪を作るためにタンパク質は特に重要な栄養素です。
また亜鉛もケラチンの合成に欠かせない栄養素なので、積極的に摂取しましょう。ビタミン類には頭皮の血行を促進する働きや、皮脂の過剰分泌を抑える働きがあります。
どの栄養素も健康な髪を作るのに必要なので、それぞれをバランスよく摂取しましょう。
③生活習慣を見直す
抜け毛を減らしたい方は、生活習慣の見直しが重要です。具体的には次のようなことを意識しましょう。
- 1日6〜7時間以上の睡眠を取る
- お酒を飲みすぎないようにする
- 喫煙を控える
睡眠が不足すると成長ホルモンの分泌が不足し、健康な髪が育ちにくくなります。
睡眠は時間だけでなく質も重要です。寝る前のスマホやパソコンは脳を覚醒させ、睡眠の質を落とすため、なるべく避けましょう。
お酒を大量に摂取すると、髪の生成に必要な亜鉛がアルコールの分解に消費されてしまいます。特に糖分を多く含むお酒は血液をドロドロにするため、さらに抜け毛の増加を招くおそれも。
またタバコに含まれるニコチンは血行を悪くする働きがあるほか、ビタミンCを大量に消費します。その結果、髪に栄養が届きにくくなってしまうのです。
④ストレスを解消する
ストレスの解消は、抜け毛の防止につながります。ストレス解消法の一例は次の通りです。
- 散歩や軽い運動をする
- 友人や恋人、家族と会話する
- カラオケで大声を出す
- 趣味に没頭する
- 入浴や睡眠で体を休める
ストレスの解消法は人それぞれ異なります。自分に合う方法を取り入れましょう。
⑤正しくシャンプーをして髪を乾かす
誤った髪の洗い方は、頭皮にダメージを与え抜け毛の増加を招くおそれがあります。
何気なく洗っている方は手順を見直してみましょう。
- シャンプー前に軽くブラッシングする
- お湯で頭皮や髪を洗う
- シャンプーを手のひらで泡立て、頭皮をやさしくマッサージするように洗う
- シャンプーが残らないようにしっかりすすぐ
- タオルで水分を拭き取る
- ドライヤーの温風で8割ほど髪を乾かす
- ドライヤーの冷風でしっかり髪を乾かす
シャンプーの前にブラッシングをすると、頭皮に付着した汚れを浮かせられます。その後、お湯で頭皮や髪を洗うだけでも、大半の汚れを落とせます。
抜け毛が気になっている方は、頭皮環境の改善が期待できる「育毛シャンプー」を使いましょう。
育毛シャンプーは、洗浄成分が強すぎないアミノ酸系・ベタイン系のものを選ぶのがポイントです。男性向けの商品は洗浄力が強過ぎる場合があるので、なるべく女性向けの商品を選びましょう。
またお風呂から出たら、必ず髪を乾かしましょう。髪が濡れたままだと頭皮に負担がかかり、抜け毛が増える原因になります。
⑥サプリを利用する
サプリを利用するのも抜け毛の対策におすすめの方法です。
普段の食事だけで健康な髪を育てるのに必要な栄養を全て摂るのは難しいですが、サプリなら不足した栄養素を補えます。
抜け毛対策におすすめのサプリの成分は次の通りです。
成分 | 役割 |
ケラチン | 髪の主成分 |
シスチン | 髪の主成分 |
亜鉛 | ケラチンの合成を促す |
L-リジン | ケラチンの生成を促す |
ビタミンA・B・E | 血行の促進 |
カプサイシン | 血行の促進 |
高麗人参 | 血行の促進 |
コラーゲンペプチド | 毛乳頭細胞の増殖を促す |
イソフラボン | 女性ホルモンのような働きをする |
ただし、サプリはあくまで食事の補助として利用しましょう。サプリを飲んでいるからといって、偏った食生活をしていいわけではありません。
⑦育毛剤を使う
更年期の抜け毛は、育毛剤を使うことでも対策が可能です。育毛剤に新たな髪を生やす効果はありませんが、抜け毛を防止する効果は認められています。
女性が育毛剤を選ぶ際のポイントは次の通りです。
- 女性専用のもの
- 有効成分が入っているもの
- 頭皮への刺激が少ないもの
薄毛や抜け毛の原因は男女で異なるため、男性用の育毛剤を使っても十分な効果を実感できない可能性があります。
また女性向けの育毛剤は、次の成分が含まれているか確認しましょう。
成分 | 役割 |
|
女性ホルモンと似た働きをする |
|
頭皮の保湿 |
|
頭皮の血行促進 |
育毛剤には頭皮への刺激がある成分を含んでいるものもあります。アルコール(エタノール)やパラベン、香料・着色料が入っていないものがおすすめです。
更年期の抜け毛がひどい場合はクリニックでの治療を
ここまで解説した方法で更年期の薄毛をある程度減らすことは可能ですが、抜け毛がひどい方はクリニックで治療を受けるべきです。
クリニックでは抜け毛の症状に合わせた治療を実施してくれます。
具体的には、次の治療によって抜け毛の改善を目指します。
内服薬・外用薬 | メソセラピー | HARG療法 | |
内容 | 薄毛の治療が期待できる薬を服用・塗布する | ミノキシジルや各種成長因子(KGF)などを配合した薬を頭皮に注入する | 150種類以上の成長因子を含むAAPEパウダーを頭皮に注入する |
副作用・デメリット | 発疹やめまいなど | 患部の腫れ、しこり・針による痛みなど | 患部の腫れ、しこり・針による痛みなど |
相場 | 5,000〜30,000円/月 | 2万〜7万円/回 | 8万〜20万円/回 |
これらの治療法はどれが優れているというものではなく、症状に合わせて使い分けされます。
また抜け毛の原因は更年期以外にFAGA(女性男性型脱毛症)である可能性もあり、原因を突き止めるためにもクリニックへの相談がおすすめです。
ベアAGAクリニックでは、内服薬・外用薬のほか、メソセラピーによる治療を提供しています。
更年期の抜け毛に関するよくある質問
ここからは、更年期の抜け毛に関するよくある質問を紹介します。
Q.更年期の抜け毛はいつまで続きますか?
更年期の抜け毛がいつまで続くかは、個人差が大きいです。
抜け毛の原因は更年期によるもの以外に、複数の原因が重なっている可能性もあり、すぐに改善できないこともあります。
Q.更年期に薄毛になりやすい人にはどんな特徴がありますか?
更年期に薄毛になりやすい人の特徴は次の通りです。
- ストレスを溜め込んでいる
- 偏った食事が多い
- 睡眠が不足している
- 紫外線対策をしていない
- 髪の引っ張りすぎ、白髪染めなどで頭皮への負担が大きい
薄毛が気になる方は、これらの特徴に当てはまらないように対策しましょう。
Q.抜け毛の本数は何本くらいからが異常ですか?
1日に100本以上抜け毛があると異常です。
髪の毛は通常だと1日に50本〜100本程度抜けます。それ以上抜けている場合は、何かしらの症状が出ている可能性があります。
まとめ
更年期に抜け毛が増えるのは、加齢による女性ホルモンの減少やストレスの蓄積が主な原因です。今回紹介した、次の7つの対策を実施してみましょう。
- 大豆イソフラボンを積極的に摂取する
- 食事の栄養バランスに配慮する
- 生活習慣を見直す
- ストレスを解消する
- 正しくシャンプーをして髪を乾かす
- サプリを利用する
- 育毛剤を使う
抜け毛が多く髪が薄くなっている場合は、クリニックでの治療が必要です。ベアAGAクリニックでは症状に合わせた治療を行っているので、ぜひご相談ください。