秋になると、抜け毛の本数が増えることに悩まされる方が多くなっています。
1日あたり50本から100本の抜け毛は生理現象ですが、秋になるとさらに抜け毛が増えると言われます。抜け毛の量が増えると薄毛にならないか心配になる方もいるでしょう。
しかし秋に抜け毛の量が増えても、一時的な現象であればそれほど心配する必要はありません。
この記事では、秋になると抜け毛の本数が多くなると感じる理由や対処法、秋の抜け毛に関してよくある質問、AGA(男性型脱毛症)の可能性などについて解説します。
目次
秋は抜け毛の本数が増えるといわれる
秋になり、抜け毛が増えたと感じているのは日本人だけではありません。
イギリスの学術誌「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ダーマトロジー」に掲載された論文によると、抜け毛に関する調査を行った8ヶ国すべてで、8月および9月に抜け毛のピークを迎えることがわかっています。
調査班では2004年1月から2016年10月まで足かけ12年の間、「hair loss(脱毛)」が世界中でどれくらい検索されたかを調査しました。
その結果、世界的に見ても晩夏と初秋に抜け毛のピークを迎えるとのデータが得られました。秋になると抜け毛が増えたように感じるのは、単なる気のせいではなく生理現象と言えます。
秋に抜け毛が多いと感じる理由
- 秋は動物の換毛期ともいわれるため
- 夏に受けた紫外線による頭皮へのダメージが蓄積されているため
- 空調の使用により室内が乾燥するため
秋は動物の換毛期とも言われるため
秋に抜け毛が多いと感じる理由の1つが、動物にとって秋が換毛期に当たるためです。秋になると動物の体毛は冬毛に生え替わるため、大量の抜け毛が見られます。人間も動物ですから、秋になると換毛期を迎え、抜け毛の量が増えるのかもしれません。
夏に受けた紫外線による頭皮へのダメージが蓄積されているため
秋に抜け毛が多いと感じる理由の1つが、夏に受けた紫外線による頭皮へのダメージが蓄積されているためです。
紫外線によって髪の毛や頭皮がダメージを負うと、頭皮環境が悪化して、切れ毛や抜け毛の要因となります。
しかし、髪の毛や頭皮に加わったからと言って、すぐに抜け毛につながるとは限りません。
夏の疲れが秋口になって急にあらわれるように、髪の毛や頭皮へのダメージにともなう切れ毛や抜け毛も、時間をおいて起こる可能性があります。結果として夏に受けたダメージの影響で、秋に抜け落ちる髪の毛の量が増加します。
空調の使用により室内が乾燥するため
空調の使用により室内が乾燥することも、秋に抜け毛が多いと感じる理由です。秋になると台風や秋雨前線などの影響で、急に朝晩の気温が下がる日が増えてきます。
そのような日に暖房を入れると、空気の乾燥によって頭皮環境が悪化し、抜け毛のリスクが高くなります。
とくに男性の場合、頭皮が乾燥することで、かえって皮脂の分泌量が増加するため注意が必要です。べたつきの原因として敬遠されがちな皮脂には、頭皮を乾燥や外部の刺激から守る役割もあります。
頭皮が乾燥すると、皮脂の分泌量が過剰になり、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)を発症する可能性があります。脂漏性皮膚炎を発症した場合、頭皮環境の悪化にともなって、抜け毛のリスクも高くなるため注意が必要です。
女性はホルモンの乱れにより秋に抜け毛が多くなることもある
女性の場合、ホルモンバランスの乱れによって、秋に抜け毛が多くなることもあります。女性ホルモンとしてよく知られているのが卵胞ホルモンのエストロゲンと、黄体ホルモンのプロゲステロンです。そのうち、秋の抜け毛に関わっているのはエストロゲンの方です。
女性の身体が男性に比べて丸みを帯びており声が高いのはすべてエストロゲンのはたらきによる影響です。更年期になるとエストロゲンの分泌量が減少することで女性にも薄毛が見られるようになります。
夏から秋にかけての時期は、気温の変化や気圧の上下が大きく、自律神経のバランスが乱れやすくなります。そのため、ホルモンバランスに変化が起こりやすい秋には、女性の抜け毛が多くなると考えられます。
秋の抜け毛がひどいと感じる場合の対処法
秋の抜け毛が多いと感じる場合、次のような方法で対処すると良いでしょう。
- シャンプーの頻度や方法を変えて頭皮環境を改善する
- 抜け毛がひどい・止まらない場合はAGAクリニックへ相談する
頭皮環境の悪化が抜け毛の原因であれば、普段のヘアケアなどを見直す必要があります。セルフケアで改善が見られない場合は、専門のAGAクリニックへ相談しましょう。それぞれについてさらに詳しく解説します。
シャンプーの頻度や方法を変えて頭皮環境を改善する
秋の抜け毛がひどいと感じる場合、まずは普段のヘアケアを見直してみましょう。抜け毛が増える原因は実にさまざまですが、普段使っているシャンプーの種類や洗髪の頻度、ヘアケアのやり方によって抜け毛のリスクを高めている可能性も考えられます。
シャンプーをしても頭皮のかゆみや赤みが残っている場合、シャンプーが肌質に合っていないのかもしれません。そのような場合は、薬用シャンプーや育毛用シャンプーなど、頭皮に優しいシャンプーを選ぶことがおすすめです。
また、シャンプーの頻度があまりにも多い場合、頭皮の乾燥による抜け毛のリスクが高くなります。シャンプーは原則として夜に行い、洗髪後には頭皮を保湿して、頭皮環境の悪化を抑制することが重要です。
シャンプーをする前には予洗いをして、あらかじめ髪の毛や頭皮の汚れ、および余分な皮脂を洗い流しておきましょう。お湯は38度程度のぬるま湯にして、シャンプーの洗い残しがないようしっかりと濯ぎます。洗髪後はドライヤーで乾かすことも忘れないようにしましょう。
抜け毛がひどい・止まらない場合はAGAクリニックへ相談する
秋の抜け毛がひどい場合や、セルフケアでは改善が見られない場合、AGAクリニックへ相談するのがおすすめです。秋に抜け毛が増えるのは季節の変わり目にあたるためですが、それ以外にも抜け毛の原因はたくさんあります。自分の判断で抜け毛対策をしていても、根本的な原因を取り除かない限り、抜け毛が減ることはありません。
また、季節の変わり目による抜け毛だと思っていたら、実はAGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)を発症していたケースも見られます。その場合、適切な治療を受けなければ、さらに抜け毛や薄毛のリスクが高くなります。
あまりにも抜け毛の量が多い場合や、長期にわたって抜け毛が続くときは、なるべく早めにAGAクリニックを受診し、専門医の診察を受けましょう。
秋の抜け毛を防ぐ・回復へ導くおすすめの対策
秋の抜け毛を防ぎ、回復へと導くおすすめの対策としては、以下の3点があげられます。
- 室内の湿度を50%前後に保ち乾燥しないよう注意する
- 適切な頻度・方法でシャンプーすることで頭皮環境を清潔に保つ
- 生活習慣を改善し自律神経やホルモンバランスの乱れをなくす
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
室内の湿度を50%前後に保ち乾燥しないよう注意する
秋の抜け毛を防ぎ回復へと導くためには、室内の湿度を50%前後に保ち頭皮が乾燥しないよう注意しましょう。頭皮が乾燥すると抜け毛のリスクが高くなることはもちろんのこと、かえって皮脂の分泌量が増加し、頭皮環境の悪化を招く可能性があります。
室内の湿度を50%前後に保つためには、加湿器を利用したり、ルームエアコンの加湿機能を使うことがおすすめです。気温と湿度が低く部屋が乾燥している場合、入浴後に浴室のドアを開け放しておく方法もあります。
頭皮環境を清潔に保つために適切な頻度・方法でシャンプーする
秋の抜け毛を防ぎ、回復へと導くためには、適切な頻度・方法でシャンプーを行い、頭皮環境を清潔に保つことも重要です。
頭皮を不潔にしていることはもちろん厳禁ですが、過度に洗髪を行うと皮脂の分泌量を増大させ、かえって頭皮環境を悪化させる恐れがあるため注意しましょう。
指の腹で優しく頭皮を動かすシャンプーがおすすめです。タオルで髪の毛を拭くときも、ゴシゴシと擦らずに、タオルで押さえるようにして水分を吸着させましょう。
生活習慣を改善し自律神経やホルモンバランスの乱れをなくす
日常の生活習慣を改善し、自律神経やホルモンバランスの乱れをなくすことで、秋の抜け毛を防ぎ、回復へと導きます。次のような方法で、自律神経やホルモンのバランスを保つとよいでしょう。
- 睡眠の質を高める
- ストレスを溜め込まない
- 食習慣を見直す
- 飲酒や喫煙習慣を見直す
- 正しいヘアケアを身につける
自律神経やホルモンのバランスを良好に保つためには、普段の睡眠の質を整えることが欠かせません。睡眠の質を高めるためには、なるべく早寝早起きをして、適度に身体を動かし、寝る前には湯船に浸かってリラックスすると良いでしょう。
ストレスを溜め込まないことも、自律神経やホルモンバランスの乱れを防ぐ方法の1つです。抜け毛を改善し、健康な髪の毛を育てるためには、髪の毛の成長にとって必要な栄養素を摂取することも重要なポイントです。
また過度の飲酒や喫煙は血行不良や毛細血管の収縮を招き、髪の毛の成長に悪影響をおよぼします。お酒はたしなむ程度にして、できれば禁煙するのがおすすめです。秋の抜け毛を予防するためには、正しい方法で髪の毛のケアを心がけましょう。
秋の抜け毛に関するよくある質問
秋の抜け毛に関連して、次のような質問もよく聞かれます。
- 秋以外で抜け毛が増える時期や季節
- 秋などの季節の変わり目に抜け毛が多い理由
これらの質問に対する答えを知っておくと、秋以外の抜け毛も予防することが期待できます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
秋以外で抜け毛が増える時期や季節
秋以外の抜け毛量が増える季節とその理由は以下の通りです。
季節 | 理由 |
春先(4月ごろ) | 進学や就職、転勤などにともなうストレス・花粉などのアレルギー反応による頭皮トラブル |
真夏(7月~8月ごろ) | 紫外線や海水、プールの水による髪の毛や頭皮へのダメージ・皮脂や汗の分泌量増加 |
春先は進学や就職、転勤などのイベントが多く、知らない内にストレスが溜まり、自律神経のバランスを乱すことがあります。また、花粉症などのアレルギー反応によって、頭皮環境の悪化を招き、抜け毛の量が増える可能性もあります。
夏場に抜け毛の量が増える原因は、紫外線や海水、プールの水などによる頭皮へのダメージです。気温が高い夏場は皮脂や汗の分泌量が増加するため、頭皮環境の悪化にともない抜け毛のリスクも高くなります。
秋などの季節の変わり目に抜け毛が多い理由
ホルモンバランスの乱れやヘアサイクルの周期が秋などの季節の変わり目に抜け毛が多くなる原因として考えられます。
秋になると急に気温が下がるだけでなく、台風や秋雨前線など気圧の変化によって体に大きな負担がかかります。秋の季節の変わり目に、体調不良を感じた経験がある方も多いでしょう。
身体への負担が増加すると、自律神経の乱れが起こりやすくなり、結果として抜け毛のリスクが高くなります。また自律神経のバランスが乱れると、ホルモンバランスにも悪影響をおよぼすため、抜け毛量の増加につながることがあります。
秋に増える季節性の抜け毛ではなくAGAによる抜け毛の可能性もある
秋に増える抜け毛は、実は季節性ではなく、AGAの発症にともなう抜け毛の可能性もあります。ここでは、以下の2点について解説します。
- 秋の抜け毛とAGAによる抜け毛の症状の違い
- AGAの治療はAGAクリニックへの相談がおすすめ
抜け毛や薄毛が深刻にならないよう、しっかりとチェックしておくことをおすすめします。
秋の抜け毛とAGAによる抜け毛の症状の違い
秋の抜け毛と、AGAによる抜け毛の症状には次のような違いがあります。
秋の抜け毛 | AGAによる抜け毛の症状 | |
毛根の状態 | 毛根鞘が付着している・マッチ棒のように膨らんでいる | 毛根鞘がない・1本の棒のようになっている |
期間 | 一時的 | 継続的 |
抜け毛が起こる場所 | 全体的 | 前頭部や頭頂部 |
秋の抜け毛と、AGAによる抜け毛の大きな違いが毛根の状態です。
秋の季節の変わり目になって、自然に抜け落ちる髪の毛の毛根には、毛根鞘(もうこんしょう)と呼ばれる半透明の組織が付着しています。AGAによる抜け毛の場合、毛根鞘が見られません。
また、ヘアサイクルを終えて抜け落ちた髪の毛の毛根は丸みを帯びていますが、AGAによる抜け毛の場合、1本の棒のように真っすぐになっています。
抜け毛が続く期間も秋の抜け毛は一時的ですが、AGAによる抜け毛は継続的に起こります。秋の抜け毛は特定の場所ではなく髪の毛全体に見られますが、AGAによる抜け毛の場合は頭頂部や前頭部に見られるのが特徴です。
AGAの治療はAGAクリニックへの相談がおすすめ
仮に抜け毛の原因としてAGAの発症が疑われる場合、できるだけ早めにAGAクリニックまで相談するのがおすすめです。
AGAはその他の脱毛症と異なり、進行型の脱毛症です。何も対策しなかった場合、抜け毛や薄毛が進行します。
また、AGAによる薄毛はその他の脱毛症のように、自然に回復することがありません。早期に治療を始めることで、症状の進行を遅らせたり、髪の毛の量を回復させることも期待できます。
参考:AGAのオンライン診療のデメリットを解説
秋の抜け毛に関するご相談はベアAGAクリニックへ
秋の抜け毛は、季節の変わり目に起こる生理現象の場合もあれば、何らかの脱毛症の発症にともなう抜け毛の可能性もあります。抜け毛は複数の原因が複雑に絡み合って起こることも多いです。
そのため、抜け毛が気になるときは、専門のクリニックで原因を突き止めることが重要です。
ベアAGAクリニックでは、血液検査によって通常の抜け毛か、AGAの発症にともなう抜け毛か判別し、一人ひとりに最適の治療法を提案しています。早期に治療を始めることで、症状の進行を遅らせたり、髪の毛の量を回復させることも期待できます。