AGAを発症すると、生活習慣の乱れによって抜け毛が増え、薄毛が進行しているのではないかと疑問に思う方もいます。 抜け毛や薄毛が気になって専門の医療機関に相談すると、AGA(男性型脱毛症)と診断される可能性があります。
AGAは男性に見られる代表的な脱毛症で、男性の薄毛の大部分を占めると考えられています。 AGAと生活習慣との関係や、薄毛を改善する生活習慣例、およびAGA発症の仕組みについて詳しく解説します。
目次
AGAの発症は生活習慣の乱れが直接的な原因とはいえない
AGAの発症は生活習慣の乱れが直接的な原因とはいえません。睡眠習慣や疲労状態、偏った栄養バランスの食事が続くなど、乱れた生活習慣によって自律神経やホルモンバランスが大きく乱され、AGAの発症や進行を促進する可能性はあります。 しかし、生活習慣の乱れは抜け毛や薄毛の間接的な原因であって、直接的な発症要因ではありません。
AGAの発症には遺伝と男性ホルモンのバランスが深く関わっています。 AGAの発症と生活習慣に直接的な原因がなくとも、乱れた生活習慣を放置してよいことにはなりません。遺伝的要因や男性ホルモンのバランスに加え、生活習慣の乱れがプラスされることによって、AGA以外の原因による抜け毛が増える可能性もあるためです。
参考:AGAが「発症したら終わり」といわれる理由を解説
AGAの発症には遺伝と男性ホルモンが関与する
AGAの発症には、遺伝と男性ホルモンが深く関与しています。
AGAは英語のAndrogenetic Alopeciaの頭文字を取った略語です。 Androgeneticは「androgens」と「genetic」を組み合わせた言葉で、それぞれ「男性ホルモン」「遺伝的」といった意味があります。 Alopeciaの意味は「脱毛症」です。つまり、AGAは男性ホルモンに由来する遺伝的な脱毛症です。日本では単に男性型脱毛症と呼んでいます。
参考:AGAが急激に進行したと感じる原因を解説
AGAを発症する仕組み
AGAを発症する仕組みは以下の通りです。
- テストステロンが5α-リダクターゼと結合する
- ジヒドロテストステロン(DHT)が生成される
- ジヒドロテストステロンとアンドロゲン受容体が結合する
- サイトカインの一種「TGF-β」が生成される
- ヘアサイクルの成長期が短くなり抜け毛が増える
AGAを発症した人の体内では、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、より活性の高いジヒドロテストステロン(DHT)へと活発に変化しています。
その変化を促すために触媒として働くのが、5α-リダクターゼと呼ばれる酵素の一種です。 5α-リダクターゼのはたらきによって生成されたジヒドロテストステロンは、やがてアンドロゲン受容体と結合し、サイトカイン(分泌性蛋白)の一種であるTGF-βを生成します。 TGF-βは脱毛因子や退行期誘発因子と呼ばれ、正常な髪の毛の成長期を短縮し、抜け毛を引き起こします。これら一連の流れが、AGAを発症する仕組みです。
5α-リダクターゼの活発性や、アンドロゲン受容体の感受性は遺伝によって異なっているため、AGAの発症には遺伝が深く関わっていると考えられています。
参考:AGA治療は一生続けるべきか解説
薄毛や抜け毛を改善する生活習慣例
薄毛や抜け毛を改善するためには、生活習慣を見直すことが重要です。改善例としては次のようなことがあげられます。
- 十分な睡眠を確保する
- 栄養バランスに偏りのない食事を摂る
- 運動や趣味などでストレスを解消する
- 過度な喫煙や飲酒を控える
- マッサージをするように頭を洗う
それぞれについて詳しく解説します。
十分な睡眠を確保する
薄毛や抜け毛を改善するためには、十分な睡眠を確保することが欠かせません。髪の毛は私たちが寝ている間に成長するため、睡眠不足に陥ると、結果として髪の毛の成長に悪影響をおよぼします。
最低でも6時間以上は睡眠をとるよう意識しましょう。睡眠時間を確保したら、次のような方法で睡眠の質を高めることも重要です。
- 早寝早起きを心がける
- 朝日を浴びる習慣を身につける
- お風呂に浸かってリラックスする
- 寝る直前までスマホやテレビを見ない
- 起床時間から14~15時間たったら照明を落とす
- いつも決まった時間に布団に入る
適切な睡眠時間は人によって異なるため、以上のような点に気をつけ、スッキリと起きられる睡眠習慣を身につけましょう。
栄養バランスに偏りのない食事を摂る
薄毛や抜け毛を改善するためには、栄養バランスに偏りのない食事を摂ることも重要です。特に健康な髪の毛の成長をサポートするため、日々の食事に次のような栄養素を積極的に取り入れるよう意識しましょう。
- 良質のタンパク質
- 亜鉛
- ビタミン類
髪の毛はタンパク質の一種であるケラチンから作られています。そのため、日々の食事に良質のタンパク質を取り入れることが重要です。体内に取り込まれたタンパク質はアミノ酸に分解され、身体の各部へと送られます。
アミノ酸が髪の毛を構成するたんぱく質へと再合成される際に必要な栄養素が、必須アミノ酸の一種である亜鉛です。亜鉛にはAGAの原因、5α-リダクターゼのはたらきを阻害する作用も期待されています。抜け毛予防のためにも積極的に亜鉛を摂取しましょう。
ビタミン類には頭皮の皮脂分泌量を調節したり、血液の循環を促進したり、頭皮を酸化から守ったりするはたらきがあります。果物や野菜はもちろんのこと、肉や魚、貝類などもバランスよく摂取することが重要です。
運動や趣味などでストレスを解消する
運動や趣味などでストレスを解消することも、薄毛や抜け毛を改善する上で重要な点の1つです。私たちの心身の健康が、自律神経のバランスによって保たれています。 ストレス状態が続くと夜になっても交感神経優位の状態が続き、心身を休ませることができなくなります。
その結果、髪の毛の成長にも悪影響をおよぼします。 また、交感神経が優位になると、血管が収縮して血行を阻害します。その結果、髪の毛が成長するための栄養が不足します。ストレスを解消するためには、適度な運動に取り組んだり、趣味に没頭したりすることがおすすめです。
過度な喫煙や飲酒を控える
薄毛や抜け毛を改善するためには、過度な喫煙や飲酒を控えることも重要です。タバコに含まれるニコチンには、毛細血管を収縮させる作用があります。頭皮は毛細血管が多く分布している場所です。
頭皮の毛細血管が収縮すると、血行が悪くなり、結果として髪の毛が成長するための栄養が不足します。 飲酒は適度であれば心身のリラックスにつながるでしょう。
しかし、過度に飲酒するとアルコールを分解するために体内のアミノ酸が消費されます。結果として髪の毛を成長するための栄養が不足し、抜け毛や薄毛のリスクを高めます。
マッサージをするように頭を洗う
薄毛や抜け毛を改善するためには、マッサージをするように頭を洗うこともおすすめです。
頭皮には毛細血管が多く分布しており、マッサージによって血行を促進すると、髪の毛の成長に必要な栄養を送り届けやすくなります。毎日のシャンプーをするときには、次の点を意識することがおすすめです。
- 頭を洗う前にブラッシングで汚れなどを落としておく
- 38℃程度のぬるま湯で予洗いする
- シャンプーを手のひらで泡立ててから何ヶ所かに分けて髪の毛につける
- 指の腹で頭皮を動かすようなイメージで優しくマッサージする
- シャンプーの洗い残しがないようしっかりとすすぐ
- タオルドライをしたらドライヤーで乾かす
頭皮環境に悪い生活習慣例
頭皮環境に悪い生活習慣としては、以下のような例が挙げられます。
- 過度のドライヤー
- 爪を立ててのシャンプー
- 日常的に紫外線を浴びる
それぞれについて詳しく解説します。
過度のドライヤー
過度のドライヤーは、頭皮環境に悪い生活習慣の1つです。ドライヤーの温風を頭皮にあて過ぎると、頭皮の乾燥を招き、かえって頭皮環境を悪化させる可能性が高くなります。
ドライヤーの風は一方向からではなく、前後・左右・上下からあてるようにしましょう。また、ドライヤーが近すぎると髪の毛や頭皮にダメージを与えるため、10cm~15cmほど離して使うことがポイントです。
爪を立ててのシャンプー
爪を立ててのシャンプーも、頭皮環境に悪い生活習慣の1つです。爪や指の先で頭皮を引っ掻くと、頭皮を傷つけてしまい、炎症を起こす可能性があります。 炎症を起こした部位から細菌が侵入すると頭皮環境の悪化を招き、結果として薄毛や抜け毛のリスクを高めます。
シャンプーをするときは、指の腹でマッサージするように優しく頭皮を動かすよう意識しましょう。
日常的に紫外線を浴びる
日常的に紫外線を浴びることも、頭皮環境に悪い生活習慣の1つです。紫外線には物質を破壊する強い力があるため、紫外線を頭皮に直接浴びていると、頭皮環境の悪化によって薄毛や抜け毛のリスクが高くなります。
帽子や日傘などで頭部を守っていればそれほど心配はありません。特に夏は抜け毛を防ぐためにも、外出の際には帽子や日傘を忘れないようにして、頭部を直接紫外線にさらさないよう気をつけましょう。
参考:AGA治療で効果がないと感じる原因や対処法について解説
AGAと診断された場合は早期の治療開始がおすすめ
薄毛や抜け毛がAGAの発症によるものと診断された場合は、できるだけ早期に治療を始めることがおすすめです。AGAは思春期以降の男性が発症する脱毛症で、ゆっくりと確実に進行するのが特徴です。
発症が疑われるのに何も対策をしなかった場合、治療を開始してもなかなか薄毛が改善されないなど、AGA治療を施しても手遅れな結果となる恐れもあります。AGA専門のクリニックで適切な治療を受ければ、脱毛前に近い状態へ毛髪を復元したり、維持したりすることが期待できます。
参考:AGAを自力で治すことは可能かどうか解説
AGAの代表的な治療方法
AGAの代表的な治療方法としては、主に以下の2つがあげられます。
- 内服薬による投薬治療
- 外用薬・注入療法など
それぞれについて詳しく解説します。
内服薬による投薬治療
AGAの発症が疑われる場合、まずは投薬治療から始めることが一般的です。投薬治療には主に次の3つのAGA治療薬が用いられます。
- フィナステリド内服薬
- デュタステリド内服薬
- ミノキシジル内服薬
フィナステリド内服薬は、日本で初めて厚生労働省によって認可を受けたAGA治療薬です。フィナステリドには、AGAの原因の1つである5α-リダクターゼのはたらきを阻害し、脱毛因子であるTGF-βが生成されるのを抑制する効果があります。
デュタステリド内服薬は、2016年に国内での販売が開始された、比較的新しいAGA治療薬です。フィナステリド内服薬と同じようなはたらきがありますが、さらに高い効果が期待されています。 ミノキシジル内服薬の作用は血管を拡張して、血液の循環を促進することです。また、毛母細胞の死滅を抑制し、発毛シグナルを促進する作用も期待されています。
参考:プロペシア(フィナステリド)だけで十分な薄毛対策は可能かどうか解説
外用薬・注入療法など
AGAの治療には外用薬を用いたり、注入療法を施したりするケースもあります。外用薬として一般的に用いられているのがミノキシジル外用薬です。内服薬と同様、ミノキシジル外用薬にも血管を拡張し、血液の循環を促進する作用があります。
注入療法は、頭皮下に直接グロースファクター(髪の毛が成長するために必要な因子)を注入する治療法です。治療薬よりも早く発毛効果が実感できたという声もよく聞かれます。
参考:ミノキシジルが効かない人の原因や対処法を解説
生活習慣とAGAの治療についてのご相談はベアAGAクリニックへ
活習慣とAGAの治療についてのご相談は、ベアAGAクリニックまでお問い合わせください。男性に見られる薄毛や抜け毛の原因は実にさまざまです。男性の薄毛の大半をAGAが占めるとされていますが、頭皮環境によくない生活習慣が加わると、さらに薄毛や抜け毛のリスクを高めると考えられます。
そのため、なぜ薄毛や抜け毛が起こっているのか、原因を突き止めることが先決です。ベアAGAクリニックでは無料カウンセリングで、髪の毛や頭皮の悩みにお答えします。AGAは時間とともに進行するため、発症が疑われる場合は早めにベアAGAクリニックまでご相談ください。
執筆者:清水崇裕(ベアAGAクリニック院長、医師、医学博士)
薄毛治療実績1万人以上。薄毛治療以外の医学知識も豊富で、安全に配慮した治療を心がけています。美肌、シミ、シワ等も含めトータルなエイジングケアをサポート致します。最近髪が細くなってきた、頭頂部が気になる、髪が⽔に濡れてボリュームが減るのが恐い、など薄⽑に対するどんなお悩みでもお気軽にご相談ください。患者様の期待に応え、当院で治療を受けてよかったと⾔っていただけるようなクリニックを⽬指して参ります。
資格:医師・医学博士・放射線科専⾨医・⽇本医師会認定産業医・⽇本抗加齢医学会会員・⽇本医学放射線学会会員
薄毛にお悩みの方は必ずお力になります。ベアAGAクリニックにご相談ください。
ベアAGAクリニック院長 清水崇裕
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