ミノキシジルは日本で唯一、発毛効果が認められている医薬品です。
性別を問わず使用できますが、推奨配合量や使用上の注意は男女で少し異なります。不適切な取り扱いは健康被害につながる恐れがあるため、お薬について正しい知識を身につけることが大切です。
「ミノキシジルの推奨濃度はどれくらい?」
「女性がミノキシジルに触れるのは危険?」
このような疑問にお答えするため、本記事ではミノキシジルの効果や副作用、治療中の注意点などをまとめています。
執筆者:清水崇裕(ベアAGAクリニック院長、医師、医学博士)
薄毛治療実績1万人以上。薄毛治療以外の医学知識も豊富で、安全に配慮した治療を心がけています。美肌、シミ、シワ等も含めトータルなエイジングケアをサポート致します。最近髪が細くなってきた、頭頂部が気になる、髪が⽔に濡れてボリュームが減るのが恐い、など薄⽑に対するどんなお悩みでもお気軽にご相談ください。患者様の期待に応え、当院で治療を受けてよかったと⾔っていただけるようなクリニックを⽬指して参ります。
資格:医師・医学博士・放射線科専⾨医・⽇本医師会認定産業医・⽇本抗加齢医学会会員・⽇本医学放射線学会会員
薄毛にお悩みの方は必ずお力になります。ベアAGAクリニックにご相談ください。
ベアAGAクリニック院長 清水崇裕
目次
ミノキシジルの効果
ミノキシジルには毛細血管を拡張し、血流を促す効果があります。
血の巡りがよくなると、髪の成長に必要な栄養や酸素が頭皮に届きやすくなります。その結果として毛乳頭細胞や毛母細胞が活性化され、毛髪数の増加につながると考えられています。
ミノキシジルはもともと、血圧降下剤として開発された成分でした。しかし、被験者に多毛の症状が認められたことから、のちに脱毛症の治療薬として再開発が進められたという経緯があります。
女性のミノキシジル外用薬の使用について
ミノキシジルには外用薬と内服薬の2つがあります。
外用薬には発毛および抜け毛の予防効果があり、使用できるのは20歳以上の方のみです。※妊娠中・授乳中の方は除く
1日2回、薄毛が気になる部位に塗布することで徐々に毛髪の変化が認められます。個人差はありますが、効果を実感するには6ヶ月の継続使用が必要です。(6ヶ月未満でも発毛を実感される方もいます)
女性のミノキシジルタブレットの服用について
ミノキシジルの内服薬は「ミノキシジルタブレット(通称ミノタブ)」とも呼ばれます。
基本的な効果は外用薬と同じですが、外用薬よりも吸収率が高く、より高い発毛効果が期待できます。用法・用量は1日1回1錠です。(当院では女性の患者様向けに、ミノキシジル含量2.5mgの内服薬を処方しています)
以下に当てはまる方はミノキシジルタブレットを服用できません。
- 心臓や腎臓、肝臓の持病がある方
- 人工透析を受けている方
- 高齢の方
- 妊娠中・授乳中の方
上記以外の持病や既往歴によっても、ミノキシジルタブレットでの治療が適さない場合があります。詳細は医師への確認が必要です。
ミノキシジル5%濃度は高い?女性は何%を使用するのがいいのかミノキシジル外用薬は、濃度が高ければ高いほど発毛効果を実感しやすいです。女性の場合、濃度が1〜2%のミノキシジル外用薬で治療を行うケースが多いです。(当院では濃度2%の外用薬を処方しています) 男性向けの外用薬では濃度5%が推奨されています。医薬品は有効成分の配合量が多いほど作用が強く出ますが、早く薄毛を治したいからと女性が男性向けのミノキシジル外用薬を使用することはおすすめしません。 お薬の作用が強くでるということは、その分副作用のリスクが高まることを意味します。ミノキシジルで安全な薄毛治療を行うには、医師の指示に従い用法・用量を守ることが大切です。 |
女性がミノキシジルを使用する際の注意点
女性がミノキシジルで薄毛治療をする際の注意点は次の5つです。
- 妊娠の可能性がある場合には使用しない
- 血圧が不安定な方は医師に相談する
- 男性向けのミノキシジルは使用しない
- 個人輸入のミノキシジルは使用しない
- アレルギーが出た場合には使用を中止する
ここからは詳しい内容を解説します。
1.妊娠の可能性がある場合には使用しない
妊婦に対するミノキシジルの安全性は確認されていません。
妊娠中に医薬品を服用・使用すると、胎児に何らかの影響を及ぼす可能性があると言われています。未熟な胎児の身体ではお薬の成分を十分に排出できないため、奇形や発達障害、流産などのリスクが高まります。
以上の理由から、妊娠中または妊娠の可能性がある女性はミノキシジルでの薄毛治療はできません。またミノキシジルは母乳に移行するため、授乳中の服用・使用もNGです。
2.血圧が不安定な方は医師に相談する
血圧変動の大きい方がミノキシジル外用薬を使用する場合、必ず医師へ相談してください。
ミノキシジルが血圧に影響を及ぼす可能性があります。
3.男性向けのミノキシジルは使用しない
ミノキシジルは患者様の性別によって推奨される濃度が異なります。
女性が男性向けのミノキシジルを使うと、副作用が強く出たり予期せぬ健康被害が生じたりする恐れがあります。
トラブルを防ぐためにも、市販の男性向けミノキシジルを購入したり、パートナーとミノキシジルをシェアしたりすることはおやめください。
4.個人輸入のミノキシジルは使用しない
個人輸入や通販で購入した医薬品には以下のリスクが伴います。
- 偽造品が混入している恐れがある
- 健康被害が生じる可能性がある
- 救済措置を受けられない
- 入手経路によっては処罰の対象となる
医薬品の個人輸入では、不衛生な場所で製造・保管されたものや、成分量が少ない、または過剰配合されたものなどを入手する恐れがあります。
有効性や安全性が確認されていない医薬品は健康被害を引き起こす可能性が高く、非常にハイリスクです。何らかの健康被害が生じても、個人輸入の医薬品では国が定める救済措置も受けられません。
偽造医薬品は世界中で問題視されており、違法な医薬品取引が後を絶ちません。つい最近も、海外で入手した医薬品に違法薬物が含まれていたというニュースが話題となりました。
安さの裏には危険が潜んでいますので、気軽な気持ちで個人輸入をするのはやめましょう。
5.アレルギーが出た場合には使用を中止する
ミノキシジル外用薬では、痒みやかぶれといったアレルギー反応が出ることがあります。
これはミノキシジル自体ではなく、その他の溶剤に対する反応です。しかし皮膚トラブルの起こるもので治療は継続できないため、直ちに使用を中止してください。
アレルギー症状はミノキシジルの使用を中止すれば徐々に治ります。今後の治療については医師と相談の上で決定しましょう。
女性の薄毛は女性ホルモンが原因?女性の薄毛が進行する原因には次のものがあります。
女性は生涯を通してホルモンバランスが大きく変化します。 思春期以降の急激なホルモン量の増加や、妊娠・出産による変化。さらには更年期の卵巣機能の低下など、薄毛の原因となるきっかけが多くあります。 女性ホルモン以外にも、薄毛の原因には食生活やヘアケア、ストレスなどのさまざまな要因が関係します。 |
ミノキシジルで起こりうる副作用
ミノキシジルで起こりうる副作用は、外用薬と内服薬で次のように異なります。
外用薬 | 内服薬 |
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副作用は服用を中止すれば症状は改善しますが、上記の症状が発現した際は直ちに使用を中止し、医師に相談してください。
女性のミノキシジル使用にまつわる疑問
ミノキシジルの使用について、女性の患者様から多く寄せられるご質問と回答をまとめました。
Q. どのくらいで効果があらわれますか?
ミノキシジル外用の有効性は、6ヶ月間の継続使用後から認められています。(効果を実感できるまでの期間には個人差があります)
6ヶ月間使用して毛髪に変化が認められない時は、医師または薬剤師に相談してください。
Q. ミノキシジルの使用・服用をやめるとどうなりますか?
薄毛の原因次第ではふたたび症状が進行する可能性があります。
一定の効果が認められた場合も、今後の治療方針については自己判断せずに必ず医師に相談してください。
Q. ミノキシジルをやめても維持する方法はありますか?
ミノキシジル以外の治療法で、ミノキシジルと同等の効果を得るのは難しいかもしれません。
女性の薄毛治療でもっとも発毛効果を得られるのがミノキシジルです。
育毛という意味ではサプリメントや生活習慣の改善も推奨できますが、医薬品のような発毛効果は期待できないでしょう。
Q. 多毛症になると聞きましたが本当ですか?
ミノキシジル内服では多毛の副作用が起こりうる可能性があります。
多毛症はお薬の量を調整するか服用を中止することで改善します。不安な時は医師へご相談ください。
Q. ミノキシジルが使用できない場合、他に使用できる薬はありますか?
当院ではスピロノラクトン内服も取り扱いがあります。
スピロノラクトンは薄毛ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)の阻害作用があるお薬です。
投薬以外では、頭皮に発毛因子を注入する治療法もあります。
女性の薄毛はミノキシジルで改善できる|適切な治療で健やかな髪を育てよう
ミノキシジルは性別を問わず使用でき、女性の薄毛改善にも有効な成分です。
外用薬・内服薬と種類があるので、医師に相談の上で適切な治療を進めていきましょう。
「ミノキシジルで薄毛を治したい」
「自分の体質でもミノキシジルは使える?」
このようなご要望や疑問は当院までお気軽にお問い合わせください。一人ひとりの症状や体質に合わせて適切な治療法をご提案いたします。