AGAは男性にみられる代表的な脱毛症です。「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」によると、現在成人男性の3人に1人がAGAを発症していると考えられています。 AGAは発症すると進行が止まらないことが特徴です。しかし、適切に対処することで進行を遅らせることも可能です。AGAが急激に進行したと感じる原因、進行度を確認する方法、進行を抑えるためにできる対策を紹介します。
目次
AGAは急激に進行しにくい脱毛症
AGAは急激に進行しにくい脱毛症です。男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインでは、AGAについて次のように定義しています。 「男性型脱毛症(中略)は思春期以降に始まり徐々に進行する脱毛症である」 男性型脱毛症にはいくつかの進行パターンがあることも分かっています。AGAは基本的にゆっくりと進行する脱毛症であり、急激に症状が悪化する場合、AGA以外の原因も考えられます。
AGAが急激に進行したと感じる原因
AGAは原則として急激に進行することはありません。AGAが急激に進行したと感じられる場合、他の脱毛症との併発によって急激な抜け毛の進行が起こっている、もしくはAGA以外の脱毛症やストレスによって抜け毛が起こっているなどの可能性が疑われます。
他の脱毛症との併発による急激な抜け毛の進行
AGAが急激に進行したと感じる原因の1つが、他の脱毛症との併発によって、急激な抜け毛が進行していることです。AGAが進行する速度は個人差がありますが、基本的にゆっくりと進行することが多く、急激に薄毛の部分が目立つようなことはありません。 抜け毛や薄毛が急激に目立つ場合、他の脱毛症の併発が疑われます。併発する可能性がある脱毛症は、粃糠性脱毛症(ひこうせいだつもうしょう)や牽引性脱毛症(けんいんせいだつもうしょう)、脂漏性脱毛症(しろうせいだつもうしょう)などが考えられます。 薄毛や抜け毛の原因はさまざまなので、何が原因で薄毛が急激に進行しているのか、AGAクリニックでの診察が求められる場合もあります。AGAが急激に進行したと感じる場合、早めに専門医に相談する必要があるでしょう。
円形脱毛症やストレスによる脱毛などのAGA以外の抜け毛
AGAが急激に進行したと感じる原因として、円形脱毛症による抜け毛や、ストレスによる脱毛など、AGA以外の抜け毛の可能性があげられます。円形脱毛症は年齢や性別を問わず発症する脱毛症で、髪の毛がまとまってごっそり抜け落ちることが特徴です。 コイン大の範囲で髪の毛が抜け落ちることもあれば、頭全体の髪の毛がごっそりと抜ける場合もあります。また、ストレス状態が長く続くと自律神経のバランスが乱され、抜け毛のリスクを高める可能性もあります。 ストレスが原因となって起こる抜け毛は、AGAの場合よりも進行が早いと考えられています。精神的ストレスだけでなく、疲労や寝不足、急激な体温の変化といった身体的ストレスも自律神経のバランスを乱す要因として考えられています。
AGAの進行度を確認する方法
AGAが進行する速度は人それぞれですが、AGAの進行度合いを確認できる指標を知っておけば、自分の薄毛がどの程度まで進行しているのか判断できます。AGAの進行度を確認する代表的な方法が、ハミルトン・ノーウッド分類です。 ハミルトン・ノーウッド分類は、AGAの進行度合いを確認できる指標です。この指標は、アメリカの皮膚科医であったジェームズ・ハミルトン氏が1950年代に導入したものであり、その後オタール・ノーウッド医師によって改良が加えられ現在に至ります。 ハミルトン・ノーウッド分類は基本的に欧米人のAGAの進行度を確認する目安であり、全部で9つのタイプが存在します。日本では皮膚科医の高島巌氏が考案した高島分類を付け加え、次の13タイプに分類しています。
1型 | AGAを発症していない正常な状態です |
2型 | おでこの生え際部分の髪が細くなり、地肌が透けて見え始めた状態です |
2V型 | 2型に加えて頭頂部の髪の毛も細くなり、成長しにくくなった状態です |
2a型 | 2型に加えて前頭部の薄毛が進行した状態です |
3型 | 額の両サイドから後退が始まり、地肌が透けて見え始めた状態です |
3V型 | 3型に加えて頭頂部の髪の毛が柔らかく、細くなった状態です |
3a型 | 3型に加えて額の生え際が後退し、アルファベットのM字に見える状態です |
4型 | 額の生え際の後退が進行し、頭頂部の地肌も目立つ状態です |
4a型 | 3a型よりも著明に前頭部の薄毛が進行し、M字の中央部も薄くなっている状態です |
5型 | 額の生え際の後退と、頭頂部の薄毛がつながり、広範囲に地肌が透けて見える状態です |
5a型 | 4a型よりも著明に前頭部の薄毛が進行し、頭頂部も薄毛が広がった状態です |
6型 | 前頭部から頭頂部まで薄毛が広がり、地肌がハッキリと見える状態です |
7型 | 側頭部と後頭部だけに髪の毛が残った状態です |
AGAの進行パターン
AGAの進行パターンは、大きく分けるとO字ハゲ・M字ハゲ・U字ハゲの特徴的な3タイプに分類されます。AGAは基本的に前頭部か頭頂部、もしくはその両方で発症します。前頭部や頭頂部にAGAの原因となる酵素が多く分布しているためです。
O字ハゲ:頭頂部から進行するAGA
AGAの進行パターンの1つが、頭頂部から進行するAGA、別名O字ハゲ(つむじはげ)です。O字ハゲは、どちらかというと日本人が発症しやすいAGAとして知られています。初期の段階ではつむじまわりの髪の毛が細くなったり、柔らかくなったりすることが特徴です。 次第に頭頂部の地肌が目立つようになり、進行すると地肌が露出するようになります。O字ハゲの厄介な問題は、自分ではなかなか初期症状に気づけないことです。つむじまわりはもともと他の場所に比べると髪の毛の量が少ないため、手で触っても正常なのか薄毛によるものなのか判別が困難です。
M字ハゲ:生え際から進行するAGA
AGAの進行パターンとして、生え際から進行するM字ハゲもよく知られています。額の生え際の両サイドから後退が始まり、アルファベットの「M」の形に見えることから、M字ハゲという名前が付けられています。 M字ハゲに厳密な定義はありませんが、額の生え際が後退している部分と、頭頂線(頭の天辺と耳とを結んだライン)との間が2㎝以上に広がっている場合、M字ハゲの発症が疑われます。また、前髪をかき上げたときに、生え際部分の軟毛が目立つのも特徴です。
U字ハゲ:前頭部から進行するAGA
U字ハゲは、前頭部から進行するパターンのAGAです。M字はげの場合は額の生え際が両サイドから後退しますが、U字ハゲの場合は額の生え際が全体的に後退し始めます。それと同時に、頭頂部の薄毛も進行するため、3タイプの中ではもっとも自覚しやすいAGAといえるでしょう。 U字ハゲが進行すると、やがて前頭部の薄毛と頭頂部の薄毛がつながり、広範囲に渡って頭皮が露出します。最終的に側頭部と後頭部だけに髪の毛が残ります。3タイプの中でもっとも深刻なAGAです。
AGAの進行を抑えるためにできる対策
AGAは進行型の脱毛症のため、少しでも進行を遅らせることが重要です。AGAは遺伝的な要因で発症する場合が多いですが、日常の習慣によって、さらに進行する速度を早めてしまう可能性もあります。AGAの進行を抑えるため、次のようなことに注意しましょう。
髪や頭皮に負担をかけないヘアケア
AGAの進行を抑えるために自分でできる対策の1つが、髪や頭皮に負担をかけないヘアケアです。髪や頭皮に負担をかける誤ったヘアケアとして、以下が挙げられます。
- 整髪料をしっかりと落とせていない
- シャンプーのときに爪や指の先で頭皮をゴシゴシこする
- シャンプーやトリートメントの洗い残しがある
- 熱すぎるお湯で皮脂を根こそぎ洗い流す
- ドライヤーをかけずに自然に乾燥させている
洗髪のときは38℃程度のぬるま湯で、整髪料や髪の毛の汚れをしっかりと落とすことが基本です。シャンプーは手のひらで泡立ててから髪の毛に乗せ、頭皮を指の腹でマッサージするように優しく洗いましょう。 洗い残しがないようにしっかりとすすいだら、タオルドライをおこない、髪の毛や頭皮の水分を吸収させます。その後、ドライヤーで髪の毛や頭皮を乾かし、抜け毛や薄毛の原因となる雑菌の繁殖を予防しましょう。
栄養バランスを意識した食事・食生活
AGAの進行を抑えるためには、栄養バランスを意識した食生活も重要です。過度なダイエットや暴飲・暴食、脂質や糖質の過剰な摂取、不規則な食事などは、髪の毛の成長に必要な栄養素を不足させる結果につながります。 髪の毛を太く強く成長させるなら、髪の毛の元となる良質なタンパク質を摂取する必要があります。また、髪の毛が育つ土壌である頭皮の環境を良好に保つため、ビタミンB2やB6、ビタミンEなども積極的に摂取しましょう。なるべく決まった時間に栄養バランスを意識した食事を摂り、生活リズムを保つのも重要なポイントです。
過度な飲酒や喫煙を避ける
AGAの進行を抑えるためには、過度の飲酒や喫煙も避ける必要があります。アルコールを多量に摂取すると、アルコールの分解に体内の水分が使われ、血液がドロドロの状態になります。その結果、頭皮へと送られる血液の循環が悪くなり、髪の毛の成長に悪影響を及ぼします。。 また、タバコに含まれるニコチンは、毛細血管を収縮させる作用があります。頭皮は毛細血管が多く分布している場所なので、喫煙の習慣があると髪の毛を成長させるための栄養が不足しやすくなります。AGAの進行を抑えるためには禁煙がおすすめです。
十分な睡眠を確保
十分な睡眠を確保することも、AGAの進行を抑えるために必要です。睡眠に入ると、脳内では成長ホルモンが分泌され、細胞の分裂が活発化します。髪の毛は毛母細胞が分裂することで成長するため、十分な睡眠を確保することが健全な髪の毛を育てる結果につながります。 睡眠の時間だけでなく、質のよい睡眠を意識することも髪の毛の健全な成長に欠かせません。寝る前にお風呂で身体を温め、ストレッチでリラックスすることで睡眠の質を高める効果が期待できます。
参考:AGAの発症と生活習慣の関係について解説
AGA専門クリニックを受診する
AGAの進行を抑えるために自力でできる対策をしても効果が感じられない場合、AGA専門クリニックを受診しましょう。 日常の習慣を改善してもAGAの進行が抑えられない場合、遺伝的な要因によってAGAが進行している可能性も疑われます。遺伝的な要因によってAGAが進行している場合、AGAクリニックでの治療以外で進行を遅らせることは難しいです。
進行中のAGAなどの薄毛を放置するのは危険
AGAはゆっくりと進行する脱毛症なので、発症したからと言って急激に進行しません。しかし、進行中のAGAなどの薄毛を放置するのは危険です。AGAはゆっくりでも確実に進行する完治が難しい脱毛症であり、発症が疑われるのに何も対策しないと徐々に薄毛の範囲が広がります。 まずはAGA専門クリニックを受診し、薄毛の原因がAGAかどうかを判断してもらうことが重要です。治療薬などを使った早期の治療開始でより効果を得られやすくなります。
AGAが手遅れな状態になる前に早期での治療をおすすめします。
進行中のAGAの対策はベアAGAクリニックへ
進行中のAGAの対策は、東京のベアAGAクリニックまでご相談下さい。ベアAGAクリニックでは、AGAの進行度や予算などに応じて、さまざまな治療をおこなっています。オンライン診療もおこなっているため、遠方でクリニックに通いにくい方でも安心です。 AGAの進行を抑えるプランであれば、1ケ月あたり2,750円から治療を受けられます。無料カウンセリングもおこなっていますので、AGAが急激に進行していないか心配な方は、お気軽にカウンセラーまでご相談ください。
執筆者:清水崇裕(ベアAGAクリニック院長、医師、医学博士)
薄毛治療実績1万人以上。薄毛治療以外の医学知識も豊富で、安全に配慮した治療を心がけています。美肌、シミ、シワ等も含めトータルなエイジングケアをサポート致します。最近髪が細くなってきた、頭頂部が気になる、髪が⽔に濡れてボリュームが減るのが恐い、など薄⽑に対するどんなお悩みでもお気軽にご相談ください。患者様の期待に応え、当院で治療を受けてよかったと⾔っていただけるようなクリニックを⽬指して参ります。
資格:医師・医学博士・放射線科専⾨医・⽇本医師会認定産業医・⽇本抗加齢医学会会員・⽇本医学放射線学会会員
薄毛にお悩みの方は必ずお力になります。ベアAGAクリニックにご相談ください。
ベアAGAクリニック院長 清水崇裕
https://www.bea-agaclinic.jp/
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