「分け目、こんなに薄かったっけ…」
「セットしても前髪に割れ目ができる…」
鏡を見ていて、「あれ…?」と頭髪の変化に焦りを感じた経験のある若い女性も少なくないはず。薄毛のせいか、ヘアスタイルが決まらず悩んでいる方も多いでしょう。
20代女性でも、薄毛になるケースは珍しくありません。進行型の脱毛症の場合もあるため、早期対策が求められます。
薄毛・頭髪の変化に気づいたら、まずは原因を知ることが重要です。
ここでは、20代女性が薄毛になる原因と対策をわかりやすく解説します。
目次
20代女性の薄毛が増えている
近年、20代女性の薄毛が増えているようです。
ホットペッパービューティーが行った「薄毛に関する意識調査2020」では、「薄毛が気になっていることを美容室・理容室で相談したいと思うか」という質問に対し、20代女性の約6割が「相談したい」と回答しています。
薄毛の悩みを抱える20代女性は増加傾向にあり、珍しいことではありません。
若い世代の薄毛は「若年性脱毛症」とも呼ばれ、ストレスやホルモンバランスの乱れ、間違ったヘアケアなど、考えられる原因は多岐に渡ります。
薄毛の進行が顕著な場合は「FAGA」の可能性も「頭部全体が透けている気がする」「髪全体が細く弱々しくなっている」このように、頭部全体の薄毛の進行が顕著な場合、「FAGA」を発症している可能性もあります。FAGAは「女性男性型脱毛症」と呼ばれ、以下のような流れで引き起こされます。
おでこや頭頂部から薄毛が徐々に進行する男性の薄毛「AGA(男性型脱毛症)」とは異なり、FAGAは頭部全体で薄毛が進行するのが特徴です。 FAGAは更年期以降に発症するケースが多いとされていますが、20代のうちから発症するケースも報告されているため、薄毛が気になる女性は一度クリニックに相談しましょう。 |
20代の女性が薄毛になる7つの原因
20代女性が薄毛になる原因は主に次の7つです。
- 無理な食事制限を取り入れたダイエット
- ヘアカラーやパーマによるダメージ
- 髪型によるダメージ
- 紫外線によるダメージ
- ストレスの蓄積
- 睡眠不足
- 過度な飲酒・喫煙
順番に解説していきます。
①無理な食事制限を取り入れたダイエット
極端な食事制限をすると髪への栄養が不足してしまい、抜け毛が進行しやすくなります。
髪の毛が栄養失調の状態になり、ハリ・コシが奪われパサパサになることも。
体型維持のためにダイエットに取り組む女性は多いですが、髪の健康を考えるのであれば過度な食事摂取は望ましくありません。
②ヘアカラーやパーマによるダメージ
ヘアカラーやパーマで使用される薬剤は、髪や頭皮に少なからずダメージを与えます。
頻繁にヘアカラーやパーマを繰り返していると頭皮環境が悪化し、炎症やフケ・かゆみが生じることも。
ダメージが蓄積されると細く弱々しい髪になり、やがては薄毛につながる恐れもあります。
③髪型によるダメージ
毎日同じ位置で髪を結ぶなど、頭皮に負担をかけ続けていると「牽引性(けんいんせい)脱毛症」になる可能性があります。
牽引性脱毛症は髪の毛が強く引っ張られ続けることが原因で生じ、生え際や分け目の薄毛が進行するのが特徴です。
ポニーテールやお団子ヘア、三つ編みなどの髪型は、毎日のように繰り返すと頭皮への負担となるので注意が必要です。
④紫外線によるダメージ
紫外線ダメージにより頭皮環境が悪化した結果、抜け毛が起こることもあります。
特に頭頂部は、紫外線をダイレクトに受けてしまいがちです。
気づかないうちに紫外線ダメージが蓄積されている可能性もあるので注意しましょう。
⑤ストレスの蓄積
ストレスによりホルモンバランスが乱れると、ヘアサイクルまで乱れてしまう恐れがあります。その結果、薄毛を招くことも。
仕事や恋愛、人間関係…20代は何かと感情を左右されやすい多感な時期です。自分が思っている以上に、身体はストレスを感じているかもしれません。
髪の健康状態を保つには、ストレスとも上手く付き合う必要があります。
⑥睡眠不足
睡眠不足は、髪の成長に欠かせない「成長ホルモン」の分泌を妨げます。
成長ホルモンが正常に分泌されないと、髪の成長スピードが遅くなり、髪の毛も細く弱々しい状態に。健康な髪が育たず、全体的なボリュームダウンが目立ちやすくなるのです。
睡眠不足に心当たりがあり、さらに「髪が弱々しい 」「 触ると柔らかい」などの変化を感じている方は注意が必要です。
⑦過度な飲酒・喫煙
過度な飲酒・喫煙は、栄養の吸収を阻害し、髪や頭皮に必要な栄養が行き届かなくなる恐れがあります。
また、アルコールは肝臓で分解される際、髪の成長に必要な亜鉛やアミノ酸を消費してしまいます。タバコは血管を収縮させるニコチンが含まれるため、血行の悪化を招きます。
女性の薄毛は遺伝の影響を受ける?男性と比べ、女性の薄毛は遺伝の影響を受けにくいと言われています。男性の薄毛は遺伝による影響が大きいのに対し、女性の薄毛は後天的要因が大半です。例えば、女性の脱毛症の中で最も多く発症するといわれている「びまん性脱毛(毛髪全体が薄くなる脱毛症)」は、女性ホルモンの減少が主な原因とされています。女性ホルモンは年齢とともに減少しますが、ストレスなどの影響も受けやすいです。 女性の薄毛は後天的要因が大きい分、生活習慣の改善で対策できる場合もあります。薄毛に気づいた時点で、すぐに対策を始めましょう。 |
20代の女性の薄毛対策7選
薄毛の原因がわかったところで、薄毛対策について解説していきます。
- 食生活を見直す
- 育毛剤や育毛シャンプーでヘアケアをする
- 頭皮に負担がかかる髪型を避ける
- 紫外線対策をする
- ストレスを溜めない
- 質の良い睡眠を取る
- 飲酒・喫煙の量を減らす
すぐにできる対策ばかりなので、ぜひ試してみてください。
①食生活を見直す
健康で抜けにくい髪を育てるために、まずは食生活を見直しましょう。
忙しくて食生活をないがしろにしていると、髪に必要な栄養素が不足し、抜け毛が加速しやすくなるため注意が必要です。また、過度な食事制限を取り入れたダイエットも禁物です。
髪に必要な栄養素である「タンパク質」「ミネラル」「ビタミン」を意識した食事を、今日からでもスタートしましょう。
具体的に摂取すべき栄養素は次のとおりです。
特徴・役割 | おすすめ食材 | |
タンパク質 | 髪の土台となる栄養素。良質なタンパク質を摂取することで、ハリ・コシのある健康的な髪へと導く。 | 鶏ささみ・鶏胸肉・卵・大豆 |
ミネラル | 人間の臓器や細胞の活動をサポートする重要な働きがある栄養素。髪の毛の主成分であるケラチンの生成において重要な役割を担う。 | 牡蠣・レバー・油揚げ |
ビタミンB2 | タンパク質・糖質・脂質の代謝に必要なビタミン。不足すると頭皮環境に悪影響を及ぼす。 | レバー・チーズ・卵・納豆 |
ビタミンC | コラーゲンの生成を助け、血管や頭皮を健やかに保つ。また抗ストレスホルモンの分泌を促し、ストレスによる細胞のダメージを防ぐ。 | ブロッコリー・パプリカ・柑橘系の果物 |
ビタミンE | 活性酸素による細胞の酸化を防ぎ、頭皮を若々しく健やかに保つ。 | アーモンド・アボカド・大豆 |
健康な髪が育つよう、これらの栄養素を積極的に摂取してみてください。
②育毛剤や育毛シャンプーでヘアケアをする
育毛剤や育毛シャンプーは健康な髪が生える頭皮環境へと導いてくれるため、積極的に活用しましょう。
薄毛の症状が軽度であれば、育毛剤や育毛シャンプーを使ったアプローチでも改善が見込めます。
なお、育毛剤と似て非なるものに発毛剤というものがあります。
育毛剤 | 皮脂バランス・水分バランスを整え、頭皮環境を健やかに保つもの |
発毛剤 | 抜け毛を防ぎ発毛を目指すもの
(主にミノキシジルという発毛成分を含む) |
抜け毛の予防であれば育毛剤、薄毛部位が顕著にみられる場合は発毛剤を選ぶのがおすすめです。
20代女性は何かと美容にお金がかかりますが、続けやすい価格帯の育毛剤や育毛シャンプーを選んでみてはいかがでしょうか。
③頭皮に負担がかかる髪型を避ける
髪が部分的に抜けて薄毛を招いている場合、「牽引性脱毛症」が疑われます。
ウィルスやホルモンは関係しておらず、単純に「引っ張る」という行為が続くと引き起こす薄毛です。
ポニーテールやエクステなど、常に髪を引っ張るような髪型を頻繁にしている場合には注意が必要です。
髪を結ぶ頻度を減らすか、分け目を変えるなどして負担を減らしましょう。
髪型で薄毛を隠す方法も髪全体のボリューム不足や頭頂部の薄毛は、髪型を変えることで隠すことも可能です。 例えば次のようなヘアスタイルは、女性の薄毛隠しに適しています。
女性の薄毛を隠す髪型については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。 |
④紫外線対策をする
紫外線から髪や頭皮を守るために、日傘や帽子などで紫外線対策を徹底しましょう。
髪や頭皮は、顔の2倍近くの紫外線を浴びているともいわれているため油断は禁物です。
髪に使えるスプレータイプの日焼け止めもあるので、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
⑤ストレスを溜めない
ヘアサイクルを乱さないよう、ストレスフリーな生活を心がけましょう。
20代は仕事や人間関係でストレスを感じやすい時期でもありますが、趣味に没頭して日常を忘れる時間を作るなど、定期的にストレスを発散するのがおすすめです。
⑥質の良い睡眠を取る
髪の成長に欠かせない「成長ホルモン」の分泌を促すために、質の良い睡眠をとりましょう。
睡眠の質を高めるための方法は次のとおりです。
- 寝具を快適なものにする
- 就寝30分前からはスマホを見ない
- 夕食は就寝3時間前までに済ませる
- 寝る前のカフェインは控える
- リラックスできる環境を整える
また、夜更かしや昼夜逆転も成長ホルモンの分泌を妨げるので、なるべく避けるようにしましょう。
⑦飲酒・喫煙の量を減らす
20代は飲み会などの機会も多いですが、お酒は飲みすぎないよう注意しましょう。
タバコは薄毛以外にも、肌荒れや重篤な病気の原因にもなります。若いうちから吸っていると今後も習慣として定着してしまうので、今のうちに禁煙しましょう
薄毛が気になる場合はクリニックでの治療も検討しよう
決して珍しくない20代女性の薄毛。
抜け毛が増えてきたり、シャンプー時に髪が手に巻きついたりと、薄毛の進行が疑われる場合はすぐに対策を始めましょう。
また、女性の薄毛は「FAGA(女性男性型脱毛症)」の可能性も疑われます。
治療が必要な場合もあるため、少しでも不安に思ったら一度クリニックを受診するのをおすすめします。
ご相談いただいても必ず治療をしなくてはいけないということはありません。
「まずは治療で改善が見込めるのか相談したい」「どのくらい費用がかかるのか知りたい」など、どんなことでもお気軽にご相談ください。