髪が生えないと悩む女性に多い病気を紹介|原因や治療法まで解説

「髪が生えない」「抜け毛が増えた気がする」などのお悩みをお持ちではないでしょうか?

女性で髪が生えない原因は様々で、年齢によっても異なります。改善するためには個人に合わせた治療が重要です。

本記事では髪が生えないと悩む女性に多い病気を紹介し、原因や治療法も解説します。

年齢とともに生活環境や体調が大きく変化する女性に合わせて、年代別の対処法も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

※本記事は日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」を参考に作成しています。

急に髪が生えなくなった・薄くなった女性は何らかの病気の可能性あり

FAGA 女性 抜け毛

女性で急に髪が生えなくなった・薄くなった場合、原因としてストレスやホルモンバランスの乱れ、遺伝的要因などがあげられます。

しかし、中には内臓の病気による抜け毛など、なんらかの病気が隠れている可能性もあります。抜け毛だけでは病気の種類までは判断できないため、様子を見るよりもまずは医師へ相談してください。

髪が生えないと悩む女性に多い病気

FAGA 女性 抜け毛 頭頂部

髪が生えないと悩む女性に多い病気は3つです。

  • FAGA(女性型脱毛症)
  • びまん性脱毛症
  • 慢性休止期脱毛症

FAGA(女性型脱毛症)

FAGA(女性型脱毛症|Female Androgenetic Alopecia)は、更年期の女性に多い脱毛症で、頭頂部の比較的広い範囲で軟毛化(髪が細くなりコシがなくなること)が見られ、徐々に髪が抜け落ち薄くなります。

男性型脱毛症では側頭部や後頭部で抜け毛が目立ちますが、FAGAでは前髪が残り頭頂から前頭部にかけて薄くなります。

参照元:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

びまん性脱毛症

びまん性脱毛は幅広い年齢層の女性に見られる脱毛症の1つです。

特定の部位ではなく、頭部全体に薄毛が広がります。進行が緩徐なため、発症初期には自覚しにくい脱毛症です。

主な原因は加齢による女性ホルモンの減少ですが、ストレスや生活習慣の乱れ、頭皮へのダメージなど様々な要因が重なることで発症すると考えられています。

髪全体のボリュームが減少し、地肌が透けて見えるように脱毛しますが、男性のように局所が禿げ上がることはほとんどありません。

慢性休止期脱毛症

休止期脱毛症とは、成長期の髪がなんらかの原因で通常よりも多くの髪が休止期に入る症状であり、その状態が6ヵ月以上続くものを慢性休止期脱毛症と言います。

FAGAと症状が似ていますが、慢性休止期脱毛症では軟毛化症状は見られず、側頭部も脱毛する点で異なります。

慢性休止期脱毛症の原因は、生活習慣の乱れや薬剤性など様々ですが、多くの場合は原因不明の特発性休止期脱毛症です。

女性の髪が生えない病気の主な原因

女性の髪が生えない病気の主な原因は5つです。

  • 遺伝
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 鉄欠乏性貧血
  • 髪に届く栄養の不足
  • 内臓の病気

遺伝

女性の髪が生えない病気の原因に遺伝の影響があります。

例えばFAGAは、女性の体内にもわずかに存在する男性ホルモンが相対的に増加すると発症するため、遺伝的に男性ホルモンの分泌量が多い女性は注意が必要です。実際に、FAGAを発症した患者の約半数で家族歴を認めており、遺伝的要因の関与は否定できません。

FAGAは主に中高年以降の女性に多く見られますが、体質的・遺伝的な要因が重なると10代後半〜20代でも発症します。

また近年の研究では、円形脱毛症の発症に遺伝的な要因が関わることも報告されています。

参照元:皮膚科Q&A 第11回―脱毛症|日本皮膚科学会

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れも、女性の髪が生えない原因の1つです。

女性ホルモンには、髪を成長させる以下の効果があるため、分泌量が減少すると髪が生えない原因となります。

  • エストロゲン…髪のハリやコシを生む
  • プロゲステロン…ヘアサイクルの成長期を維持する

ホルモンバランスが急激に変化する代表的なタイミングは、妊娠・出産、閉経時期です。

出産は妊娠中に増えたホルモンが一気に減少するため、産後は髪が抜けやすくなると言われています。

また加齢(更年期)による女性ホルモンの減少もヘアサイクルの乱れを引き起こし、ハリ・コシのある髪が生えにくくなります。

関連記事:女性の薄毛と女性ホルモンの関係とは|ホルモンバランスを整え薄毛予防・対策を解説

鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血も、女性の髪が生えない原因の1つです。

髪は以下のメカニズムで成長するため、貧血になると髪の成長に必要な酸素と栄養が毛母細胞へ行き届かなくなります。

  1. 毛根にある毛母細胞へ毛細血管を通じて栄養や酸素が送られる
  2. 毛母細胞が髪の成長因子を生成する
  3. 毛母細胞が分裂を繰り返すことで毛包内に髪が作られる
  4. 毛包内の髪が頭皮の外へと押し出されて成長する

また、慢性的に鉄分が不足している状態は、貧血に先行してびまん性脱毛を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。

髪に届く栄養の不足

髪に届く栄養が不足することも、髪が生えない原因の1つです。

食事制限を伴う過度なダイエットや偏食によって、健康な髪が育つための栄養が不足します。

特に短期間で体重を落とす目的で行われる「糖質ダイエット」には注意が必要です。

脳や身体の重要なエネルギー源である糖質が不足すると、代わりにタンパク質がエネルギー源として利用されます。タンパク質は髪の成長に必要なエネルギーのため、不足すると髪が生えにくくなります。

内臓の病気

髪の成長に悪影響を及ぼす病気を以下にまとめました。

病名 主な症状
膠原病

(全身性エリテマトーデス:SLE)

発熱、全身倦怠感など

関節、皮膚、腎臓、肺、中枢神経など内臓のさまざまな症状が一度もしくは経過とともに起きる

バセドウ病

(甲状腺機能亢進症)

甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気

甲状腺が全体的に大きく腫れる、目がとび出る

動悸、体重減少、指の震え、暑がりなど

橋本病

(甲状腺機能低下症)

甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気

甲状腺が腫れて、くびの圧迫感や違和感が生じる

疲れやすい、全身のむくみ、寒がり、体重増加、便秘など

梅毒

(性感染症)

・第一期(感染後約3週間)

陰部や口腔内、肛門周囲などの感染部にシコリができる

・第二期(感染後数か月)

全身倦怠感、発熱、手のひら・足の裏を含めた体全体にうっすらと赤い発疹がでる

脱毛症は第二期に生じる

心当たりがある方は、早めに専門医を受診しましょう。早めの処置で上記の症状とともに抜け毛も軽減することが見込めます。

髪が生えない原因が脱毛症だと思うならAGA治療専門のクリニックを受診しましょう

AGA 専門医 受診 クリニック カウンセリング

抜け毛以外に体調不良を認める場合、髪が生えない原因が内臓系の病気の可能性があり、内科受診が必要です。

一方で、健康状態には問題がなく抜け毛が増えている場合は脱毛症の可能性があるため、AGA治療専門のクリニックに相談してください。

脱毛症にも様々な種類があり、原因を特定し適切な治療を受けることが改善への近道です。

自己判断せずに、AGA治療専門クリニックで髪が生えない原因を調べましょう。

【年代別】髪が生えない病気(脱毛症)に悩む女性にとってほしい対処法

女性

髪が生えない病気(脱毛症)に悩む女性にとってほしい対処法を、20代〜50代まで年代別に解説します。

女性の場合、髪が生えない病気の原因は年代によって異なるため、対処法の参考にしてください。

20代女性

20代女性で髪が生えないと悩む場合、気をつけるべきポイントは2つです。

  • 食生活の見直し
  • 頭皮への強い刺激

食事制限を伴う過度なダイエットや偏食によって、健康な髪が育つための栄養が不足するため、改めて食生活を見直しましょう。

頭皮への強い刺激にも気をつけてください。刺激の強いヘアカラーや髪を引っ張る髪型は、髪や頭皮に負担をかけ、ヘアサイクルの乱れや血行不良の原因となります。

年齢が若いうちは問題なくても、のちに髪の健康に影響を及ぼすため、食生活の見直しや髪・頭皮のケアに気を使いましょう。

関連記事:20代の女性が薄毛になる7つの原因|今日からできる対策も解説

30代女性

30代女性で髪が生えないと悩む場合、気をつけるべきポイントは2つです。

  • ストレス
  • 生活習慣の乱れ

ストレスは髪の成長に欠かせないホルモンバランスを乱す原因となります。

30代は仕事で重要なポストに就くことが増え、責任やプレッシャーを感じる機会が増える年代です。

また妊娠や育児などに伴うライフスタイルの変化によって心身ともにストレスが溜まりやすくなります。

生活習慣も、忙しさやストレスにより乱れやすくなります。飲酒・喫煙に注意することはもちろんのこと、規則正しい食生活や睡眠時間の確保にも努めましょう。

関連記事:30代女性のための抜け毛対策10選|薄毛は治る?原因とともに解説

40代女性

40代女性で髪が生えないと悩む場合、気をつけるべきポイントは2つです。

  • ストレス
  • 加齢による体力の低下や更年期障害

近年は晩婚化が進み、40代で出産や育児を経験する女性も珍しくありません。

また、産休や育休を経て職場復帰する方も多いです。仕事面・家庭面で様々なライフイベントが発生しストレスが溜まりやすいため注意が必要です。

加齢に伴う体力の低下や更年期に伴う女性ホルモンの減少など、髪に悪影響を及ぼす可能性が多い年代でもあります。

参照元:e-ヘルスネット「更年期障害」|厚生労働省

ストレスや更年期障害により髪の成長に悩んだときはAGA治療専門のクリニックへご相談ください。

関連記事:40代女性の薄毛を改善する方法11選|更年期の抜け毛がひどい理由は?

50代女性

50代女性で髪が生えないと悩む場合、気をつけるべきポイントは、加齢に伴う体力の低下や更年期障害によるホルモンバランスの乱れです。女性ホルモンの減少により相対的に男性ホルモンの量が増加し、FAGAの発症リスクも増大します。

抜け毛の症状が気になる場合は、AGA治療専門クリニックを受診し原因を特定しましょう。

また更年期障害の影響により不眠やイライラなど精神的な症状を伴うこともあるため、心身ともに健康を保つ工夫が必要です。

食事・睡眠・運動習慣を整え、サプリメント・漢方・育毛剤など、より入念な対策も大切です。

関連記事:女性の抜け毛の原因を年代別に解説|女性の抜け毛で考えられる病気や対策法について解説

女性の髪が生えない病気の代表的な治療法

女性の髪が生えない病気の代表的な治療法は4つあります。

  • ミノキシジル外用薬
  • 低容量ミノキシジル内服薬
  • パントガール
  • HARG療法

女性型脱毛症は根本的な原因がわからないことが多く、確立された治療法がありません。

ミノキシジル外用薬を中心に様子をうかがいながら、その他の治療薬を組み合わせて治療します。

ミノキシジル外用薬

ミノキシジル外用薬は、頭皮に直接塗布する薬剤です。​​頭皮にある毛乳頭細胞に働きかけることで毛の成長を促す効果があります。

ローションタイプが一般的であり、頭皮に浸透するように使用してください。

過剰に塗布しても髪の成長速度は速くならず、むしろ副作用のリスクを増加させるおそれがあるため、製品ごとの用法容量をしっかりと守りましょう。

参照元:ミノキシジルのリスク区分について

低容量ミノキシジル内服薬

低容量ミノキシジル内服薬は、血管を拡張させ、頭皮への血流を促進させることで、乱れたヘアサイクルを改善する効果が期待されている薬剤です。

内服タイプのミノキシジルは厚生労働省による認可を受けていないため、クリニックの専門医の指導下で、副作用のリスクをコントロールしながら慎重に服用することが求められます。

主な副作用はめまいや動悸、手足のむくみ、多毛症などです。ミノキシジルには心臓に負担をかけるリスクがあるため、妊産婦や授乳婦および高齢者の服用は禁止されています。

関連記事:女性型AGA(FAGA)に効く内服薬の種類と効果について解説|市販薬と処方薬の違いについても解説

パントガール

パントガールは「タンパク質」「アミノ酸」「ビタミンB群」が主要成分のサプリメントに近い内服薬です。

主要成分のはたらきにより頭皮や髪の成長を刺激し、びまん性脱毛症の改善や白髪の予防効果を期待できる薬剤です。薬の効果を実感するまで少なくとも3カ月程度かかるため、効果が現れないからといって服用量を増やしたりやめたりせず、中長期で様子をみてください。

関連記事:パントガールで初期脱毛や体毛の変化は起きるか解説|パントガールの効果や副作用を解説

HARG療法

HARG療法は、成人の脂肪幹細胞から抽出した成分を冷凍保存した「AAPEパウダー」を注射器で注入する毛髪再生治療法です。

AAPEパウダーには150種類以上の成長因子が含まれており、発毛や育毛を促します。

高い効果と安全性が認められており、女性の薄毛・抜け毛、円形脱毛症などにも効果的です。

女性の髪が生えない病気に関してよくある質問

Q&A

女性の髪が生えない病気に関してよくある質問は2つです。

  • 脱毛症に一度かかると治らない?
  • 生まれつき毛が生えない病気は?

脱毛症に一度かかると治らない?

脱毛症にかかったとしても、まったく治らないわけではありません。正確には完治することは難しいですが、症状が改善することは期待できます。

そのためには早期発見と適切な治療が重要で、早めに専門医に相談して治療することが推奨されます

女性の脱毛症には、ホルモンバランスの乱れ、遺伝、ストレス、栄養不足など様々な原因があるため、適切な治療法は個人によって異なります。

治療が遅れた場合は症状の悪化につながることもあるため、自己判断せず早めに専門医に相談してください。

生まれつき毛が生えない病気は?

生まれつき髪が生えない病気は、無毛症(むもうしょう)といいます。

髪だけがない場合もあれば、全身の体毛がない場合もあり、症状の程度はさまざまです。

一方で、生まれつき髪が少ない状態を、乏毛症(ぼうもうしょう)といいます。

脱毛症は一度生えた髪が後天的に失われるため、原因が遺伝的であっても無毛症や乏毛症とは区別されます。

3歳頃になってもお子さまの髪が少ないと感じた場合は、皮膚科専門医に相談してください。

【参考元】皮膚科Q&A|日本皮膚科学会

脱毛症が原因で髪が生えないとお悩みならベアAGAクリニックにご相談ください

ベアAGAクリニック 受診 カウンセリング FAGA

脱毛症が原因で髪が生えないとお悩みの場合は、ベアAGAクリニックへご相談ください。

しかし、抜け毛以外にも健康状態に問題がある場合はなんらかの病気を併発している可能性があるため、内科の専門医を先に受診してください。

脱毛症は年齢によって対処法が異なるため、自己判断せずにAGA治療専門クリニックで髪が生えない原因を調べましょう

ベアAGAクリニックでは、女性の薄毛にも対応しています。完全個室で治療が可能でオンライン診療にも対応しているため、髪について不安がある女性は、気兼ねなくご相談ください。